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税収パンクと輸出の低迷により、沈み込んだ成長率

経済の支え「輸出」、2四半期連続のマイナス 

  • 税収パンクと輸出の低迷により、沈み込んだ成長率
  • < 輸出成長率 2四半期連続マイナス *資料=韓国銀行 >

セウォル号惨事の後、回復の勢いを見せていた韓国経済に冷水を浴びせたのは、急減した製造業の輸出と「税収パンク」だ。

韓国銀行は、昨年4月までは年間経済成長率を4%とにらんだ。このような「バラ色の展望」を出したのは、世界的な景気回復に伴って、下半期に入って韓国経済も回復傾向が強まると予想したからだ。

とは言え、セウォル号惨事で民間消費が大きく萎縮しつつ、昨年の第2四半期の成長率は下がった。第3四半期に入り消費が再び回復する頃には、輸出と製造業が沈み始めた。ユーロ圏や日本などの主要国の経済がなかなか回復を見せずにいるうえに、国内企業の海外生産拡大など、産業構造の原因まで重なったためだ。ここにウォン高や円安など、為替レート的な要因も国内企業の輸出競争力を落とした。

さらに悪いことに、第4四半期には「税収パンク」という悪材料にまで見舞われた。政府は最近、昨年の税収欠損規模を11兆1000億ウォン台と推算した。国税が期待どおりに入ってこず、適時に財政を執行できない状況が起きた。端的な例が建設投資の急減だ。第4四半期の建設投資は、前四半期との対比で9.2%も減少した。建設投資の増加率は1988年以来の最低値だ。

チョン・ヨンテク韓銀経済統計局長は、「税収が減って地方政府への交付金が少なくなり、主に地方自治体が実施している建設・土木分野が悪影響を受けた」とし、「政府としては消費支出を減らすことはできず、土木などの社会間接資本(SOC)の支出を削減するしかないのことから、建設投資が大幅に減少した」と説明した。

これまで強気を見せてきた輸出と製造業の景気は、2009年以来で初めて2四半期連続のマイナス成長を見せた。輸出は昨年の第3四半期マイナス2.2%、第4四半期マイナス0.3%の増加率を記録し、製造業の生産もまた第3四半期と第4四半期で、それぞれマイナス0.8%とマイナス0.3%の減少傾向を示した。

中国が内需中心の成長戦略に転換し、加工貿易を抑制したことが製造業と輸出に負担として作用した。対中国輸出は韓国の輸出全体のなかで約26%を占め、事実上成長を牽引したが、昨年の第3四半期以降は悪化する流れを見せている。

特に伝統的な輸出主力業種が苦戦を強いられたことが分かった。昨年10月から12月まで、対中国輸出のうちでディスプレイパネルと化工品・機械が二桁減少を示した。

第4四半期の民間消費の増加幅はやや鈍化した。第3四半期には民間消費が前期との対比で1%増加した。セウォル号惨事の余波から脱して反騰に成功したが、第4四半期は0.5%の増加にとどまった。昨年10~11月に潤月がはさまって、結婚件数が減ったことが民間消費の縮小に影響を与えたという分析だ。

韓国銀行は、四半期ごとの成長率が急激に下落したのは一時的だと診断している。

対中国輸出の鈍化と税収不足を一時的な現象として見たからだ。しかし、世界経済の回復の勢いが依然として遅い状況で、輸出鈍化は避けられないと予想されているうえに、政府が経済主体の心理を刺激するために投入できる財政も限界に達しただけに、一時的な現象ではなく長期化しうるという心配も出てくる。

イム・ヒジョン現代経済研究院マクロ経済室長は、「2~3年前までは景気が良くなければ、財政赤字を甘受してでも景気を維持して税収をもっと増やす論理が通じたが、今は状況が変わった」とし、「過度の福祉支出が経済に悪い影響を及ぼしており、潜在的な財政赤字の解消が必要だ」と強調した。
  • 毎日経済_チェ・スンジン記者/キム・テジュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-23 15:55:02




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