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NCソフト「AIラボ」訪問、人工知能とゲームの融合で新たな価値を創出


  • NCソフト「AIラボ」訪問、人工知能とゲームの融合で新たな価値を創出
「NCソフトの未来を担う新たな技術革新は、AI(Artificial Intelligence/人工知能)技術です」。

金沢辰(キム・テクチン)NCソフト代表(48)は昨年11月、記者懇談会を通じてAIがゲーム産業を揺るがす会社の成長動力だと公に宣言した。 AIはコンピュータが自ら情報を取得して学習し、まるで人間のように行動するプログラミング技術を意味する。キム代表は、産業・技術など多方面で使用されているAIをゲームに融合させ、新たな価値を創出するという構想をずっと前から持っていたことが伝えられた。 NCソフトのAI技術は、いまやキム代表が直接自信を持って言うほどにまで発展したという意味に解釈できる。これらのNCソフトのAI技術を重点的に研究開発しているチームがまさに「AIラボ」だ。

京畿道板橋(パンギョ)のNCソフト社屋のAIラボでは、人工知能に関連する様々な研究が進められている。研究所を担当しているイ・ジェジュン常務をはじめとする人工知能の専門家らは、NCソフトのAI技術がどこまで来たのか、今後どのような方向に進むのかについて詳しく説明した。現在、NCソフトはゲーマーのレベルに合ったゲーム環境を提供するためにAI技術力を集中している。つまり単にコンピュータの知能を高め、攻略が不可能なレベルにまで発展させるのは能ではないという意味だ。ゲーマーのレベルに合わせて、勝ったり負けたりするゲーム体験を提供しようと努力している。

イ常務は、「コンピュータがゲーマーとどっこいどっこいに戦って、ゲーマーに負けてやるのが理想的」だとし、「ゲーム内で発生するすべての変数を考慮して、楽しくゲームできるようにAIが進化するだろう」と予想した。イ常務は、「マッチング技術」を例に挙げた。 NCソフトの『アイオン』『ブレイドアンドソウル』などのゲームには、ゲーマーとゲーマーが互いに対戦できるモードが存在する。

マッチング技術は、実力が最も似通った2ゲーマーを推薦して、きっ抗した勝負が行われるように誘導するために使用されている。 AIがゲーマーの攻撃パターン、動き、レベルなどのすべての要素を考慮して、適切な対決を実現する。このようなシステムは、ゲーマーの興味を引くために大きな役割を果たしている。 NCソフトが野心満々で準備をしている期待作『リネージュエターナル(Lineage Eternal)』にはPCG(Programmable Character Generator/手続き的コンテンツ生産)という技術も適用される予定だ。

ゲームのマップやミッションなどが同じように与えられるのではなく、ゲーマー別の特性に合わせて、自動的に作成されるのがまさにPCGの核心だ。 AIラボの研究者は、これから本格的に適用され始めるAIが、最終的にはゲームの中枢的な役割を果たすと予想した。

チャン・ジョンソンAIラボ長は、「現在のNCソフトのAI技術は、ゲームをより興味深く楽しむことができる補助的な役割を果たしている」とし、「これからはAIの操作するゲームキャラクターが、ゲーマーのように行動して判断を下すことはもちろん、ゲーム自体がAIにのみ依存して進行するものも登場するだろう」と語った。実際、他の人と接続せずに一人でプレイするゲームは、何百万人のゲーマーが同時に接続してプレイするネットワークゲームよりも考慮すべき変数が少ないので、AI技術が高度化されている。

AIラボの研究者は、最近のゲーム業界を主導しているモバイルゲームでもAIが重要な役割を果たすだろうと予測した。

PCゲームはマウスやキーボードを利用して、洗練された操作が可能だ。しかし、手のひらほどの画面で、手でプレーするモバイルゲームの特性上、すべての要素をいちいち操作することは不可能だ。 AIが介入できる要素がそれだけ多いことを意味する。実際にモバイルゲーム『クラッシュ・オブ・クラン』は、数十人のキャラクターがすすんで敵軍を探して攻撃したり防御をくり広げて、ゲーマーが直接操作する要素を減らした。

イ常務は、「AIの重要性は日増しに大きくなるので、あらかじめ技術力を確保して、専門人材を増やすことが非常に重要」だとし、「NCソフトもオンラインとモバイルを問わず、AIを適用したゲーム開発・投資を拡大していく方針だ」と語った。
  • 毎日経済_チュ・ドンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-21 17:24:43




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