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サムスン重工業と大宇造船、巨済島の二大造船会社の対照的な実績


■ サムスン重、先制的な構造調整で復活に羽ばたき

  • サムスン重工業と大宇造船、巨済島の二大造船会社の対照的な実績
昨年、最悪の時を過ごしたサムスン重工業(社長パク・テヨン、写真)は今年、初の大規模な海洋プラントの受注を獲得して、復活の羽ばたきを始めた。先制的に進めた構造調整と会計上の不良減らしのおかげで財務構造も次第に安定し、基盤を固めている。造船共和国の巨済島(コジェド)では、「昨年は玉浦(オクポ/大宇造船海洋のこと)の方の雰囲気がワイワイしていたけど、今年は古縣(コヒョン/サムスン重工業)がむしろ良くなる」という話も出ている。

サムスン重工業は、慶南・統営(トンヨン)に位置した中小型造船会社「ソンドン造船」を委託経営する案を積極的に検討している。今後は最終引受を念頭に置いた状況で、ソンドン造船の財務構造と現場設備などを入念に実査しつつ、決断の岐路に立っている。ソンドン造船の主人である韓国輸出入銀行は、韓進重工業とサムスン重工業を相手に委託経営の意思を尋ねたが、「それどころではない」韓進重工業がもろ手を挙げて、サムスン重工業が唯一の選択肢として浮上した。

サムスン重工業がきびしい時期にもかかわらずソンドン造船の委託経営を検討するのは、今後の造船・プラント市場の復活を予想して、事前に投資するためだ。ソンドン造船は比較的最近に設立され、ヤードが広く設備も近代化された造船所だ。また、サムスン重工業とソンドン造船はまさに隣接する地域で、今後に大型受注が集中すれば相乗効果をもたらすことができる。子会社を売却して人員の構造調整まで断行した他の「造船ビッグ3」と比べるべき動きだ。

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  • < 反騰が予想されるサムスン重工業の営業利益 >

サムスン重工業は今年に入って最初に起きた、マンモス級の海洋プラント受注の主人公になった。去る1日、シェル(Shell)から浮体式LNG生産設備(FLNG)3隻を5兆2724億ウォンで受注した。その一日前にノルウェーのスタトイル(Statoil)から原油掘削用の海上プラットフォーム2基を1兆1786億ウォンで受注し、わずか二日で6兆ウォン以上の食い扶持を手に入れたわけだ。今年に入って最近までの受注額は90億ドルで、年間目標の60%に達する。今年、実績面でもまだ大きな利益は出ないが、赤字には落ちない雰囲気だ。昨年の第1四半期、サムスン重工業は5000億ウォン規模の工事損失引当金を先制的に積み上げて不良をはらい落とした。

昨年12月には、これまで副社長級が担当していた造船海洋営業室を解体して、傘下の各営業チームは造船試掘事業部と海洋生産事業部などの二大事業部長の直轄に移管して、組織改編に乗り出した。新規事業として推進してきた風力発電事業も縮小した。パク・テヨン社長は従業員に、「2015年はわが社の存続はもちろん、将来の新成長動力を発掘できる最後のゴールデンタイムになるだろう」と語った。

■ 大宇造船…低価格受注の後遺症で実績急落

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昨年の造船業界を騒がせていた「大宇造船海洋ミステリー」は、最悪の業績悪化というブーメランになって戻って来ている。今年の第1四半期、8年めで初めて営業損失を記録した大宇造船海洋(社長チョン・ソンリプ・写真)は、第2四半期の会計上で大規模なプラントの損失を抱え、最大1兆ウォンの営業利益の赤字が予想される。最悪の実績を目前にした状態で、最近は受注も「造船ビッグ3」の中で最も遅れ、巨済島の玉浦造船所には冷ややかなオーラが漂っている。

大宇造船海洋は昨年、「造船ビッグ3」の中で唯一、受注目標量を達成して黒字を続けた。しかし、競合他社はコ・ジェホ前大宇造船海洋社長が任期終盤に無理をしているとの疑惑を提起した。これに対して大宇造船海洋は、LNG運搬船に特化した最尖端技術の特許を例に挙げて、市場分析と技術力の勝利だと対抗した。

しかし、新しい司令塔になった鄭聖立(チョン・ソンリプ)大宇造船海洋社長は先月25日の記者懇談会で、「造船ビッグ3の海洋プラントの割合は似たようなものなのに、果たして昨年は大宇造船海洋だけがよかったのだろうかと疑問を感じた」とし、「わが社の実状を把握するための内部実査が最終段階にきたが、大宇造船も損失要因を抱えていることは明らかに把握している」と打ち明けた。

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  • < 大幅の悪化が予想される大宇造船海洋営業利益 >

実際に大宇造船海洋の独自実査の結果、流動性と財務状況は良くないと伝えられた。無理な受注戦を繰り広げて、船とプラントを造るほどに流動性が歪む問題が露出し、会計処理においても今後の損失をただしく認識せず、競合他社よりも緩やかな基準を適用したというのが社内の判断だ。これに対して一部からは、チョン社長が前任社長の業績に対して過度な定規を突きつけているという意見が出てくるかと思えば、経営実績を積極的に防御していないとの見解も提起されている。とにかく、大宇造船海洋は先月、長年の友軍のマースク社から1兆9564億ウォン規模のコンテナ船11隻を受注することに成功したが、最近まで今年の受注目標量の27%しか達成できていない。

大宇造船海洋が今年に入って35億ドルの受注にとどまる中で、巨済ライバルのサムスン重工業は90億ドルの受注を満たして目標量の60%を達成した。このような状況に至るや、チョン社長も「バブル落とし」のための防御的経営を展開している。チョン社長は「玉浦造船所に役立つか役立たないか」を基準に、すべての系列会社が構造調整の対象に上がることもあると判断している。ゴルフ場と研修院はすでに売りに出ており、風力発電事業体のデウィンド(DeWind)も売却と清算手続きを踏んでいる。
  • 毎日経済_チョン・ボムジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-07-14 17:53:00




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