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扉開いたイラン…韓国医療の「新黄金郷」として注目


  • 扉開いたイラン…韓国医療の「新黄金郷」として注目
  • < 韓国の対イラン医療機器の輸出額増加 / 韓国の対イラン医療機器輸出品目 >


皮膚レーザー医療機器を製造するウォンテック(WONTECH/代表キム・ジョンウォン)は、今年の輸出目標を大幅に増やした。国際社会の制裁が解かれたイランの医療市場を楽観しているからだ。昨年、47カ国に1000万ドルの医療機器を輸出したウォンテックは、これまで周辺国を通じてイランにレーザー機器を販売した。しかし制裁が解除され、直接輸出のために保険医療教育部へ書類を提出して事業登録手続きを踏んでいる。

ウォンテックのキム・ジョンウォン代表は、「イランは35歳以下の人口が全体の半分以上を占めており、医療サービス、医薬品、医療機器市場の見通しは明るい」とし、「特に医療機器のうちの約90%を輸入に依存しており、コストパフォーマンスが優れた韓国産のレーザー手術器、超音波画像診断装置などを多く求めている」と説明した。

国際社会の経済制裁が解除され、イランの医療市場が注目されている。経済制裁解除後のイランで、韓国企業の1号事業は「テヘラン病院(3億~4億ドルの投資、1000病床規模)」の設立になる可能性が高い。テヘラン病院の設立は昨年8月、韓国輸出入銀行がイラン投資庁と保健政策、病院設計、医療システムなどの病院建設協力了解覚書(MOU)を締結して実現した。

韓国保健産業振興院が最近発刊した「医療機器の海外市場への進出情報」報告書によると、イランは人口7910万人で、中東ではエジプトに続き人口の最も多い国だ。昨年の医療費支出額は228億ドル(約28兆ウォン)であり、国内総生産(GDP)比で5.7%を占めた。

特にイランは医療費削減のために、2014年3月に「新健康プラン」を導入して医療制度改革を推進している。イランはこれまで医療インフラを拡大するために、地方の医療機関2500ヶ所のうち884ヶ所を改造し、昨年6月には専門の原子力病院の建設を発表しており、3500万ドル規模の放射線機器、遠心分離器などを購入する予定だ。

イラン保健部は今後、病院10ヶ所を建設するプロジェクトを推進している。これに先立ち、2014年末に医師980人を地方の保健所に配置しており、医療従事者の雇用に17億ドルを策定している。イラン内の総合病院は884ヶ所であり、このうち84%に相当する総合病院739ヶ所が国・公立病院だ。イランは医科大学が51校あり、医学生100万人が在学中だ。現在、活動している医師は約10万人で看護師は17万人だ。

民間の医療機関は総病床の10%、医療費支出の20%を占めている。医療市場の分析機関であるフロスト&サリバンは、「イランは死亡者全体のうちで、45%が心血管疾患で18%が交通事故、14%が癌、6%が呼吸器疾患・乳幼児死亡などが占めている」とし、循環器内科、整形外科、がんセンター、耳鼻咽喉科、小児科などを有望分野として取り上げた。

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  • < イランの医療機器主要輸入対象国 >

イランの昨年の医療機器市場の規模は8億7000万ドルで、世界35位の水準だ。イランは基本的な病院の消耗品以外には内需生産量が少なく、市場全体の90%以上を輸入医療機器に依存している。韓国の医療機器市場は約50億ドルであることを勘案すれば、イランの成長可能性は非常に高く、2019年までに年平均6.4%の成長率を記録し、11億1000万ドル規模に成長すると予想された。保健産業振興院の報告書によると、イランは国際的に承認された178ヶ所の医療機器の生産設備を保有しており、自国で生産される医療機器は主に注射器や針、カテーテル、歯科用機器、整形外科機器などの基本的な医療用品だ。

韓国の対イラン医療機器の輸出は約6510万ドル(2014年基準)で、188社が162品目を販売した。対イラン医療機器の輸入は14品目に渡って約180万ドルを輸入した。

韓国保健産業振興院のチェ・ヒソク、ウ・ハンナ博士は、「韓国とイランの医療機器の貿易は、最近5年間で年平均20%ずつ成長している」とし、「昨年の韓国の市場シェアは8.4%で、オランダ(22.3%)、ドイツ(15.2% )、中国(11.2%)に次いで第4位を記録した」と語った。

韓国の主要輸出品目は、歯科用インプラント、超音波画像診断装置、レーザー手術器、血液保存容器、血糖値測定検査紙などだ。最近3年間は人工呼吸器、医療用画像処理装置のソフトウェア、画像インテンシファイアX線透視撮影装置の輸出額が急激に増加した。

報告書は、「医療機器の市場は外国企業に開放されているが、直接または間接的な障壁がいくつか存在し、進入時の許可および登録を進めるために現地代理人の選定が必須であり、特にほとんどの流通を国で調達・管理しており、専門的な知識と豊富な経験を持つパートナーを見つけることはきわめて重要だ」と助言した。
  • 毎日経済_イ・ビョンムン医療専門記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-03-11 20:35:45




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