大ヒットネームの秘密、わかりやすく親切に面白く

易しく、面白く、難しくない名前 

数年前まで、製品の名前を英語でつけることはあまりにも当然のことだった。複雑で意味の分からない名前に意味をとってつけて「高級化」戦略をはかる事例が少なくなかった。とくに外国から来た食品、高級レストランと衣類ブランド、化粧品などはこのような現象が目についた。しかし、今では変わってきている。正体の知れない名前は無視され始め、ハングルもしくは分かりやすい外来語で製品の特徴を誰でも理解しやすいようにすることがむしろトレンドとなった。

簡単で、面白く、難しくない名前は製品の価値と運命を決定づける要因として定着し、製品群によってターゲット年齢層の特徴を考慮し「彼らの言語」でアプローチする事例まで生じた。実際に、ブランドネーミングは企業が熱心につくった商品とサービスにアイデンティティを付与する「画竜点睛」の段階として企業の重要なマーケティングポイントになっている。

世界的なブランド専門家でバークレー大のデイヴィット・アーカー教授は「名前を創造することは数名の内部職員が台所、食卓や会社食堂に座り、ブレインストーミングで処理するには、あまりにも重要な仕事だ」とし「名前はマーケティングプログラムの他の要素よりさらにずっと効果が長い」と話した。過去と違い、名前付け、つまりネーミングがどれだけ戦略的な過程を経なければならないのかを代弁してくれる言葉だ。ブランドの実際の姿が名前と一致しなければならないという「適合性」と消費者のニーズを反映できるかを表す「関連性」、競争ブランド間で耳目を集中させることのできる「差別性」がないネーミングは今では市場でそっぽを向かれる。

最近、トレンドを反映しながらも感性的なタッチで消費者にアピールしているネーミングの代表走者は、トレジュールの「パンを読む」キャンペーンだ。後発走者としての限界を克服するため、新しくローンチしたキャンペーンだが、最近の「ヒーリング」、「ウェルビーイング」トレンドを積極的に反映した。パンを買う前に材料を先に読んでみようという意味で、製品名にも健康な原材料の名前をそのまま露出させた。「濃厚な豆乳、黒豆食パン」や「パンの中に純牛乳」、「やわらかいイェサンりんご全粒粉ブレッド」、「国産炒り麦クリームパン」などの「うまくつけた」名前が誕生するようになった背景だ。

実際に「パンの中に純牛乳」は生地をこねる時、水を一滴も入れず、有機畜産物で親環境農産物認証を受けた有機農牛乳だけを使用してつくったというが、消費者は正確ではなくとも名前だけ見ても、おおよそこのパンの特性を把握することができる。加えて感性的に製品との紐帯関係までも結ぶ。

原材料を製品の名前に反映することは、過去の華やかな英語・フランス語など外国語の饗宴だったトレンディなレストランでも発見される。最近最も話題のレストランのうちのひとつである「テイスティングルーム」のデザートメニューの名前は「ポップコーン塩アイスクリーム」、「ぐつぐつ煮るオレオとアイスクリーム」などだ。材料と調理法を面白くメニュー名に溶かし出すことでまず好奇心を刺激し、食べ物が出た時も消費者はただ「食べるもの」でなく名前によって「吟味」し、再購入に繋げるマーケティング戦略が隠れている。

化粧品ブランドのベネフィットは、20~30代の女性をターゲットとするだけに、彼らの特性をネーミングに反映した。友達とおしゃべりをしながら、化粧品や各種趣味について共有するターゲット顧客の特性を、製品の名前にそのまま反映した。「写真を撮っておいてください。今が一番美しい時なの(Take a picture, it lasts longer)」であるとか「私を触ってみて、そして離れられるなら離れてみて(Touch me then try to leave)」などの名前が代表的だ。

これを通じてベネフィットは、既存の難しい海外化粧品の名前の固定観念を一度に打ち破った。想像力が豊富な新世代女性に親近感を持って近づいたこのようなネーミングのおかげで、ベネフィットは高いビッグスターモデルを使わなくとも大きな成功を収め、トレンディ化粧品メーカーとして定着した。ネーミングをストーリーに仕立て、顧客に身近に感じさせる「ターゲット小球型ネーミング」の代表的な事例だ。

このようなターゲット小球型ネーミングの他の事例としては、最近第一毛織がローンチした「バイクリペアショップ」がある。10代と20代を主なターゲットとするだけに、彼らがよく使うインターネット用語をパンツラインに適用した。特別な物に自分だけの愛称をつけ、一時的な楽しい要素に笑って反応する彼らの性向を尊重したネーミング方式だ。「プルクム(燃える金曜日)ワイン」、「メンブン(メンタル崩壊)イエロー」、「ミジョン(狂った存在感)レッド」、「ネイビーヘンショー(幸せになれ)」、「ブルースアップ(スクロール圧迫)」などのパンツの名前に対するターゲット消費者の反応は相当に爆発的だった。ツイッターなどSNS上で彼らはこのネーミングについて話をし、もう一度ブランドを広報する効果を入れた。

伝統があるため製品の名前を変えられない場合があるが、このような状況では他の面で変化を与えもする。韓国GMのシボレースパークという名前は自動車の名前であるため、めったに変えることができない。しかし、主なターゲットである女性運転者の感性に訴求するため、彼らが好きな旅行地とカラーをマッチさせるカラーネーミング方式で変化を与えた。「サントリーニブルー」、「マンハッタンシルバー」、「モナコピンク」、「サッポロホワイト」などだ。競争社である起亜自動車もまた、軽自動車モーニングのカラーを「チェリーピンク」、「アクアミント」などにネーミングすることにより、今では軽自動車でこのような「カラーネーミングマーケティング」は一般的なものとして定着した。

無条件トレンディな名前が良いということではない。長い伝統とマニア顧客を持つ製品の場合、その名前を変える場合、逆効果が生じる恐れもある。アイポッド、アイフォン、アイパッドなど「アイ」がぶら下がらないアップルのモバイル機器は想像もできない。「ダシダ」や「チョコパイ」が急に他の名前に変わることを消費者は受け入れられないだろう。

しかし、これもやはりうまくつけた名前ひとつがどれだけそのブランドを成長させるのに重要な役割をしたのかを見せてくれる事例だ。その時々変わるトレンディなネーミングと底力型ネーミング戦略が適切に混ぜ合わさらなければならないという教訓を得ることのできる重要な事例だ。

第一企画マーケティング本部のチェ・ホングループ長は「ネーミングの重要性に没入し良い意味を込めすぎる場合も多い」とし「成功的なネーミングは、消費者のトレンドを反映し分かりやすくつけることが重要で、この時ネーミングとブランドの実際の姿が一致しなければならない。消費者には最も簡単で、かつそのブランドだけの独創的なオリジナリティが最もうまく表されなければならない、二律背反的課題が成功的なネーミングの核心」だと助言した。
  • Mマガジン_(文)パク·インヘ
  • 入力 2013-03-11 12:00:00