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太陽光発電、3年でようやく供給過剰解消

低価格供給、中メーカー大幅に減り、米・日で需要急増/ポリシリコン、25ドルでようやく損益分岐点 

◆太陽光ターンアラウンド◆

最近3年間は太陽光発電業界には悪夢のような期間だった。2011年3月から2012年11月の間に、ポリシリコンの価格は80%、ウェハは83%、セルは67%、モジュールは58%低下した。先の「太陽光バブル」期間に雨後の筍のように乱立した太陽光企業はいっきに門を閉じたり、工場の稼働を中断しなければならなかった。価格下落は昨年から鎮静気配を見せたが、新年に入って本格的な上昇勢に「ターンアラウンド」する格好だ。しかし、上昇速度と幅に対する市場の期待はまだそれほど高くない。また再びまっさかさまに落ちる可能性は低いが、「良かった時節」の栄華を再現するのは難しいというのが市場の専門家らの意見だ。

太陽光発電の業況の右上がりを裏付ける基本的な論拠は、供給と需要のバランス回復に見いだすことができる。世界の太陽光発電の需要は2000年代後半以降、毎年増加してきた。最近の価格暴落は、需要ではなく供給過剰で発生したものだ。需要の増加速度は、これからさらに急上昇するものと見られる。これまで市場拡大を牽引してきた欧州が補助金を縮小して比重が下がったが、中国・日本・米国など「ビッグ3」の需要増大がその空席を満たしても余りある。中国はここ数年、新しい太陽光発電の需要最「大手」として浮上しており、日本は原発事故以降、最も速く市場が成長している国だ。昨年35ギガワットだった世界の太陽光発電市場は、今年は42~50ギガワット、来年には49~59ギガワットまで拡大する展望だ。

一方、供給過剰は大きく緩和された。国内外の多くの太陽光発電企業は2011~2013年に破産、法廷管理、売却、生産中止などの形態で整理された。国内だけでも、KAM(ポリシリコン)、LGシルトロン(ウエハ)、ミリネットソーラー(セル)、キョンドンソーラー(モジュール)、シンフォニーエネルギー(モジュール)などの多くの企業は門を閉めたり、太陽光発電事業を処分した。依然として需要に比べて絶対的に供給量が多いが、少しずつ均衡点に向かっている。

では、業況回復のレベルはどの線なのだろうか。ポリシリコン基準で、キログラム当たり25ドルを越えることは困難という意見が多い。25ドルなら年間1万トン級規模の生産設備が、フル稼働した時にようやく損益分岐点を越せる水準で、「活況」とは距離がある。需要が年間20~40%増えていく市場での価格上昇がこのように限定的なのは、構造調整にもかかわらず、依然として供給待機企業があふれているからだ。キム・スンウ三星証券研究員は、「全世界のポリシリコンの設備容量は60万トンで、今年の予想需要量37~38万トンよりも圧倒的に多い」とし、「ポリシリコンの価格が25ドルに近づくと、稼動を中止してきた中間規模の設備が稼働を再開するだろうし、これが追加の価格上昇を制限するだろう」と展望した。国内では2月から稼働再開を準備中の韓国シリコン、年内の市場参入を計画しているハンファケミカルとサムスン精密化学がこのようなケースに該当する。

もう一つは、製品価格の上昇が自動的に太陽光発電の需要減少を招くという点だ。最近、太陽光発電の需要が急激に増えるのは、製品価格の下落で発電コストが低くなったからだ。イム・ジスLG経済研究院研究委員は、「22~25ドルが太陽光発電の需要を生かしながら、原価競争力のある企業に一定のマージンを保障する、最適の価格区間になるだろう」と語った。このようになれば、ワッカー、ヘムロック、GCL、OCIなどのグローバル一流企業は低い生産原価にものを言わせ、安定した収益を得ることができる。これらよりも原価競争力が落ちる中間規模の会社にも、一部機会が回るだろう。しかし、コスト構造をこの価格帯に合わせることができない企業の市場進入は不可能になる。

もう少し肯定的な展望がないわけではない。ハンファケミカル・ポリシリコン事業のキム・インファン企画チーム長は、「今年6~7月ごろ、25ドル前後に到達するというのが市場のだいたいのコンセンサス」とし、「追加供給量が多くないとするとき、下半期に30ドルまで行けると思う」と語った。
  • 毎日経済_ノ・ウォンミョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-01-19 17:07:15




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