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30年前の「バイオ選球眼」…LG生命科学とCJヘルスケア出身たちの活躍


「最高の人材を集めて全面的に投資し、研究に専念できるようにしてくれればいい」。

バイオ産業の成功の秘訣を尋ねると共通する答えだ。ほとんどのベンチャーキャピタル(VC)は、バイオテクノロジー企業の投資の最初の要素として代表者の履歴とチームワークをあげる。その会社の社員たちが歩んできた「過去」を見て「未来」に投資するわけだ。すぐさま企業価値を評価できる製品のないケースが多いために、バイオ産業の成否は「人」にかかっていると言っても過言ではない。

バイオ産業をひきいる主役たちの中に、LG生命科学とCJヘルスケアの出身者の活躍が目立つ。バイオヘルス投資が活気を帯び、医師と薬剤師、製薬会社の役員などの専門家がVC業界に進出する事例も大きく増えた。

LG出身者、事業化経験を生かして創業

韓国バイオ産業が1980~1990年代から活発だったことを知っている人は多くない。 LG生命科学が1991年に韓国初の新薬・新物質(抗生物質)を海外に技術移転するなど、グローバルな製薬会社の目線に合わせて研究開発を行っていた時期だ。特にLG生命科学は、研究者が直接スタートアップ企業を作って事業部を誕生させた。この時の事業化経験を活かし、バイオベンチャーを創業した研究者は多い。毎年開催されるLG出身者のOB会には100人あまりが参加するが、このうちCEOが30人を超える。クリスタルゲノミクス(CrystalGenomics)社のチョ・ヂュンミョン代表、レゴケミバイオサイエンス(LegoChem Biosciences)社のキム・ヨンヂュ代表、アルテオジェン(ALTEOGEN)社のパク・スンヂェ代表、ペプトロン(Peptron)社のチェ・ホイル代表、ファーマブシン(Pharmabcine)社のユ・ヂンサン代表、ワイ・バイオロジクス(Y-BIOLOGICS)社のパク・ヨンウ代表、ブリッジバイオ社のイ・ヂョンギュ代表、シン・ドンスンGPCR代表、キム・ソヨンPCL代表などがLG生命科学の出身だ。

LG出身の経営者たちは、わが国のバイオ産業を育てた先駆者でありメンターとして、LG化学技術研究院招待研究所長のチェ・ナムソク博士をあげる。レゴケミバイオのパク・セヂン副社長は、「未来の新成長動力事業として新薬開発という目標を立て、1987年から新薬開発という種をまいた方」だとし、「当時のLGは薬に対するバックグラウンドが全くなかったのに、経営陣が信じて支援してくれたのは、チェ博士の知見と推進力のおかげだ」と振り返った。

ブリッジバイオのイ・ジョンギュ代表も、「国内外の優秀な人材を集め、装備や研究費など破格の支援を行い、独自に研究するように促した」とし、「博士のおかげで後輩たちは、多国籍製薬会社と開発競争を行いつつ実力を育てることができた」と語る。

昨年12月、LG生命科学が分社してから15年ぶりに戻ってLG化学に編入されたとき、最大の応援を送ったのもLG出身者たちだった。彼らは「過去のグローバル市場をかけまわり新薬の花を咲かせた、あの当時を再現できることを願う」と歓迎した。

CJ出身者、学界などにひろく布陣

CJヘルスケアもLG生命科学とともに1980年代末の、不毛地とも同じだったバイオ業界を開拓した。ワクチンから新薬・新物質までを研究開発し、グローバル市場に進出できる基礎を築いた。 CJヘルスケア出身で投資会社を創業したキム・ヂョンヒョン ソリダス・インベストメント代表は、「1980年代の後半にCJが大学院を回ってリクルートに力を注いだ」とし、「1990年代以降は営業の方に重点を置いたが、それまでに優秀な人材が集まって会社側の研究開発投資も活発だった」とした。

当時、CJヘルスケアで働いていた古参の研究者たちは、学校に進出して弟子たちを育てている。以来、アイジェネ(EYEGENE)のユ・ウォンイル代表を筆頭に、比較的若い起業家たちが出てきた。アクセスバイオ(ACCESS BIO)社のチェ・ヨンホ代表、ジンマトリックス(GeneMatrix)のキム・スオク代表、ユバイオロジックス(EUBIOLOGICS)社のペク・ヨンオク代表、のウ・グ韓国BMI(BMI Korea)代表、バイオキュアファーム(BiocurePharm)のイ・サンモク代表などがCJ出身だ。キム・ヂョンヒョン ソールリーダーズ・インベストメント代表をはじめ、ファン・ホソン クォード・インベストメント代表、アン・セホン ハンファ・インベストメント・ディレクターなどの投資業界への進出も活発だった。

ユ・ウォニル代表は「研究所があった地名にちなんでトクピョンフォーラムという集まりを作り、定期的に交流している。製薬の側の方々も別に集まると聞いている」とし、「CJヘルスケア出身者はさまざまな分野に進出しており、多くの助けを受けている」と語った。

医師・薬剤師などの専門家がベンチャーキャピタリストとして進出

ハンミ薬品の技術輸出以来、製薬・バイオ投資が活発になり、医師や薬剤師などの専門人材と製薬会社の役員らが大挙してVC行を選択した。産婦人科専門医のムン・ヨヂョン インターベスト理事は昨年「医師出身第1号ベンチャーキャピタリスト」として話題を集めた。ムン理事は「ともに成長するという考えで、初期スタートアップにたくさん会って投資も多く行った」とし、「医師として科学者・エンジニア出身の代表者と臨床現場との間の乖離を減らす役割を果たしたことが功を奏したようだ」と語った。やはり医師出身のイ・ヒョンギュ韓国投資パートナーズ取締役とスティック・インベストメント(STIC INVESTMENT)社のユン・ギヒョン ディレクターもベンチャーキャピタリスト業界に進出した。

バイオ専門のベンチャーキャピタリストであり、新産業投資機構協議会の会長であるファン・マンスン韓国投資パートナーズ常務は薬剤師出身だ。ファン常務のほか、チェ・ソンラク インターベストチーム長、ウィティナム・インベストメント(Atinum Investment)のクァク・サンフン取締役など、薬剤師出身のベンチャーキャピタリストは10人近くになる。コーロン・インベストメントのチュ・チャンワン チーム長と、未来アセットベンチャーのウィ・ギルテ投資チーム長は獣医出身だ。

製薬会社の役員の出身で、今年に入ってVCに合流したある関係者は、「グローバル製薬会社との交渉経験、新薬開発と臨床試験の許認可プロセスを理解していることを認められたようだ」とし、「病院や製薬会社の知人たちから、投資業界の雰囲気についての質問をたくさん受ける。この分野に興味のある方が増えたことが感じられるほど」だと語った。
  • シン・チャンオク記者
  • 入力 2017-02-15 17:24:53




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