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現代ロテム…最高の品質で最大の受注


  • 現代ロテム…最高の品質で最大の受注
現代ロテム(Hyundai Rotem)の鉄道車両と防衛産業の核心的生産基地である慶南・昌原(チャンウォン)工場。去る17日に訪れた場所は防衛産業施設の特性上、何度かの検問と各種の誓約書を提出した後になってようやく入ることができた。記者を迎えた人はチェ・ヂュボク現代ロテム常務。「昌原工場長」になっているべき名刺には「生産本部長」という、見慣れない肩書きが先に目についた。

チェ・ヂュボク生産本部長は、「今月の組織改編によって、昌原工場の名称を生産本部に変更した」と説明した。「工場」は単に生産だけの場所という感じを与えやすい。一方、「生産本部」は生産と品質をともに管理する、より幅の広い概念として通じる。すべての優先順位を「品質」に置く、キム・スンタク現代ロテム代表取締役の意志が反映された部分だ。

現代ロテムは昨年、会社創立以来で最大の受注を記録した。グローバルな鉄道車両は、技術力を備えた加ボンバルディア(Bombardier)社に仏アルストム(Alstom)社、独シーメンス(Siemens)社などの「ビッグ3」と、価格競争力を前面に出した中国企業の攻勢が激しい。このような状況にもかかわらず現代ロテムは昨年、3兆ウォンにせまる新規受注を獲得した。トルコ・豪州・チュニジアなどの多くの場所で、企業間の競争は熾烈だったが勝者は現代ロテムだった。

ビッグ3には技術で中国企業には価格でおされ、2014~2015年には受注の絶壁までみまわれた現代ロテムが、華やかに復活できた秘訣は何だろうか。チェ本部長は「2010年に独自技術で開発した、高速鉄道のKTX山川(サンチョン)の頻繁な不良が反面教師になった」とし、「これを契機にたんねんに工程をさかのぼって改善点を見出し、部品ひとつにまでにも、性能を向上させるために全力を傾けた」と強調した。

品質管理は生産の初期から始まる。生産の基礎となる設計から技術研究所と品質・生産本部の一線部門が共同し、設計図面と各種仕様の事前検証を行うわけだ。部品の信頼性を高めるために、3D(3次元)モデルを使用して設計を検証し、単品と組み立て品の性能試験を別々に進める。

チェ・ギョンス現代ロテム品質事業部長(常務)は、「グループの中核系列会社である現代自動車で使用される、多様な品質検証方法も活用中」だとし、「代表的には新車100日作戦をあげることができる」と説明した。 「新車100日作戦」とは、車両故障の90%が生産後の100日以内に現れるので、試運転段階で不良を確実に点検し、これを修正していく作業をいう。

このような品質強化の努力を反映した車両が「2018平昌冬季オリンピック」の時に、仁川空港からソウルを経て江陵まで運行することになる高速鉄道「原江線(ウォンガンソン)」だ。生産本部内の車体工場から艤装工場そして検査場につながるツアーでは、「ウォンガンソン」高速列車とともにソウル市の9号線電動車、香港の地下鉄公社(MTRC)のヨーロッパ型電動車などがいっしょに生産されているようすを見ることができた。製造された車両はレールとトラバースなどを通じて移動し、生産本部の内部に設置された3.1キロメートルの長さの試験区間でささまざまなテストを受けることになる。

チェ本部長は「ウォンガンソンは東西を横切る最初の高速鉄道でありながら、仁川から江陵までの区間を2時間内に走破できる」とし、「コレイルから鉄道車両150両を受注し、すでに相当部分の納車を完了した」と説明した。原州~江陵路線は寒い冬には氷点下35度まで気温が下がる。冬季の安全運行のための品質確保が現代ロテムの最大の課題だった。チェ品質部門長は「氷点下45度の低温試験環境を造成し、各種の装置が動作しなくなるまで低温限界試験を実施した」とし、「大雪が降るときに備えて、車体内部に雪が積もらないようにゴムジャケットを適用したりもした」と説明した。
  • 昌原=イ・スンフン記者
  • 入力 2017-02-20 17:28:51




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