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市中に金がまわらない…通貨量の鈍化傾向が加速


  • 市中に金がまわらない…通貨量の鈍化傾向が加速
  • < 広義の通貨(M2)増加率 >

今年に入って市中の通貨量(M2)の鈍化傾向が加速され、34カ月ぶりに最低水準の5%台に落ちた。基準金利は年1.25%の史上最低水準をめぐっているが、金がまわる速度は落ちるということだ。国内外の不確実性によって企業の融資増加傾向が減少した影響が大きかったが、金融政策の効果が落ちたのではないかという指摘も出ている。

11日、韓国銀行によると市場の通貨量を意味する広義の通貨(M2、平均残額基準)の規模は今年の2月末時点で2420兆7000億ウォンで、前年同月比で5.9%の増加にとどまった。

2014年4月(5.5%)以来の2年10ヶ月ぶりに最も低い水準だ。昨年12月の前年同月比7.5%から今年の1月には6.9%に落ちたことに続き、2カ月連続で下落したわけだ。 2010~2014年は平均5.9%だったM2の伸び率は、2015年に入って金利引き下げが重なったことから8~9%台に上昇した。しかし昨年3月から6~7%台に下落して、今回は5%台に落ちた。

企業部門がM2の鈍化傾向を率いた。企業が保有するM2は、一ヶ月のあいだに5兆7000億ウォン減少した626兆3400億ウォンにとどまった。先月は増加傾向を見せたが、0.9%の減少傾向に転じたわけだ。これに加えて、造船業などの主要産業の業況不振と構造調整の推進にともなって、銀行業界の企業融資が明らかに減った影響が大きかったという分析だ。

韓国銀行の関係者は、「2015年下半期に入って造船・海運業を中心に企業の構造調整が本格化し、企業を中心に融資増加傾向が縮小した影響が大きかった」とし、「これに加えて2015年9月に大宇造船海洋の粉飾会計疑惑が大きくなり、各金融会社の新規企業の融資が難しくなった」と説明した。

このように通貨量の増加率が鈍化して、金利引き下げ効果が弱まったのではないかという指摘も出ている。金をまいたところで企業の設備投資などに流れて行くよりも個人向け融資と金融業界をぐるぐる回り、金融政策の経済成長に対する寄与度が低下したという指摘だ。

これに対して韓国銀行は、通貨量の増加率は落ちることは落ちたが例年の水準を見せており、速断してそう言うのは早いという立場だ。

李柱烈(イ・ヂュヨル)韓銀総裁は最近、「通貨量の増加率は経済成長率を上回っている」とし、「現在の金融政策は実体経済を支えるところに不足していない」と語った。
  • 毎日経済_プ・ヂャンウォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-04-11 17:51:37




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