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相次ぐ受注の朗報…造船「ビッグスリー」復活の羽ばたき

今年に入り52隻受注…昨年の5倍/不良の主犯「海洋プラント」事業、今年ほとんど仕上がる/中小の企業は依然として崖っぷち 

  • 相次ぐ受注の朗報…造船「ビッグスリー」復活の羽ばたき
先月25日、現代三湖(ヒョンデサモ)重工業はIMMプライベートエクイティ(PE)から3000億ウォンの投資誘致に成功した。史上最悪の造船業況を考慮すると、異例のことだ。 IMM側の高位関係者は、「すでに造船業は歴史的な最低点を過ぎた」とし、「2019年∼2020年ごろに市場は確実に生き返るだろうと見て、投資を決定した」と述べた。1日に発生したクレーン衝突事故で死傷者が発生したサムスン重工業は2日、超大型原油運搬船(VLCC)4隻を3784億ウォンで受注したと公示した。

最近、国内造船業の復活可能性が少しずつ頭をもたげている。少なくない業界関係者らが、世界1位造船強国としての位相の回復も遠からずという強い自信をのぞかせる。質の良くない海洋プラントプロジェクトが今年にほぼ仕上がれば、来年からは本格的な業績回復を期待できるという説明だ。 造船業界などによると9日、2008年に中国に受注量1位の座を奪われた国内造船各社は、第1四半期の業績改善と船舶市場の回復期待感から復活の羽ばたきを見せている。

造船業界の関係者は、「現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業などのビッグスリーが同時に営業黒字を記録したのは5年ぶり」だとし、「造船業の景気は昨年に底を打ってから生き返っており、世界1位の造船大国のプライド回復も遠くないだろう」と評価した。

今年に入って先月まで、現代重工業グループの造船3社(現代重工業、現代三湖重工業、現代尾浦造船)は計23億ドル(39隻)を受注して、4億ドル(8隻)にとどまった昨年の実績を5倍以上も上回った。先月、債務再調整に成功してかろうじて生き返った大宇造船海洋も、すでに7億7000万ドル(7隻)を受注した。昨年の年間受注額15億5000万ドル(12隻)の半分ほどに相当する。昨年1~4月は1億3000万ドル(2隻)にとどまった。クレーン事故で衝撃に陥ったサムスン重工業も、今年の受注実績は良い方だ。昨年は4月までに一件も注文を受けられなかったが、今年は18億4000万ドル(6隻)で身代を大きくした。サムスン重工業は25億ドル規模のモザンビークコーラルFLNG(浮遊式LNG生産設備)の受注契約も今年中に締結する予定だ。

2020年から強化される船舶排出ガス規制と、LNG(液化天然ガス)・LPG(液化石油ガス)価格の下落と需要増加は、ビッグスリーの業績改善の一等功臣になる見通しだ。まず、全世界の全ての船舶は2020年から、硫黄酸化物(SOx)の排出量を3.5%から0.5%に下げる。このことから、船主は低硫黄燃料(MGO)を使用するか、船舶に脱硫器を取り付けたり、環境にやさしい燃料であるLNGを使用する船舶に交換しなければならない。

最近、インドと東南アジアの発展途上国ではLPG・LNGの需要が増加している。米国発のシェール革命で、LPG・LNGの価格が下がっているからだ。これによってLPG・LNGなどのガス運搬船の発注もそろって増える見込みだ。この分野ではビッグスリーは世界市場で断然、圧倒的な競争力を備えているという評価だ。英国の造船・海運分析機関のクラークソン・リサーチは、昨年は20隻だったガス船の発注が△2017年38隻、△2018年44隻、△2019年82隻、△2020年94隻、△2021年104隻など、着実に増加すると予測してている。

ビッグスリーが自尊心回復に乗り出したこととは対照的に、城東造船海洋、STX造船海洋、SPP造船などの中小型造船会社は依然として生死の岐路に立っている。城東造船(ソンドンヂョソン)は昨年から現在まで、受注実績は「ゼロ」だ。現在残っている受注量も、今年10月までに引き渡して終わりだ。新規受注がなければ持ちこたえるのは難しいという分析が出てくるのもこのためだ。

STX造船海洋は現在、企業回生手続き(法定管理)を踏んでいる。最近、17ヶ月ぶりに中型タンカー4隻を受注したが、前受金払い戻し保証(RG)発行の問題で難航している。 SPP造船は少数の管理人員だけを残したまま、廃業手順を踏んでいる。
  • 毎日経済_ムン・ヂウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-05-10 01:11:47




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