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消費者金融の広告制限…庶民層に火の粉


  • 消費者金融の広告制限…庶民層に火の粉
政界は貸金業者(消費者金融業者)の広告を制限する法案を相次いで発議している。庶民が広告を見て、貸金業者の高金利貸出を無分別に利用する状況を未然に防止するためだ。とは言え、貸金業界と一部の金融専門家は、過度な営業への干渉はむしろ庶民の負担を増やすブーメランになりうると警告している。

国民の党のチョン・インファ議員は16日、「貸金業放送広告総量制」の導入と放送広告の制限時間を拡大する内容の貸金業法改正案を代表発議したと明らかにした。

改正案は平日と週末の区別なく、午前7時~午後10時のすべての貸金業者の放送広告の全面禁止を求めている。現在、貸金業者は平日の午前7~9時、午後1~10時は放送広告を行うことはできない。週末は午前7時~午後10時に広告を行うことができない。改正案が通過すれば平日の午前9時~午後1時には可能だった放送広告が禁止される。

チョン議員は「消費者金融の広告が許可されている平日の午前9時以降午後1時まで、未就業女性と未就学児、休暇期間中の青少年などに貸金業界の広告が無差別に露出され、就業準備生や専業主婦と女性の負債が急増するなど、社会問題として浮上している」と主張した。これとあわせてチョン議員は、「日本で施行されている放送広告総量制限制度をわが国にも導入しなければならない」とし、「これを通じて青少年の正しい経済観の形成を助け、急増する家計負債を解決できる」と付け加えた。

国会政務委員会にはチョン議員の法案のほか、チェ・ユンギョン共に民主党議員、ピョン・ジェイル共に民主党議員が発議した貸金業広告制限法案が係留している。強力な貸金業の広告制限を注文する政治家らは、貸金業界の広告が高金利の融資をあおって庶民の負担を増やす一方で、家計負債の規模を大きくし、質まで悪化させると指摘する。また広告などを通じた過度のマーケティング費用は高い貸出金利につながり、顧客の負担を大きくすると主張している。

法定最高金利を20%まで段階的に引き下げるという政府の方針に加え、広告制限の動きが本格化して、貸金業界は非常灯が点った。業界では過度な営業干渉だという不満を吐露している。特に庶民層のためだというこのような制限措置は、むしろ金融脆弱層に大きな被害を与えるだろうという対応論理を展開している。

貸金業界は、広告の代わりに貸金仲介業者を広報手段として利用するとむしろコストが大きくなり、貸出利子を高めることで消費者に費用負担を転嫁するしかないという主張を行っている。貸金業協会の公示によると、貸金業のアポロファイナンシャル(Apro Financial)のブランド「ラッシュ・アンド・キャッシュ」の第1四半期の新規貸付の平均金利は、広告などを見て直接誘因された顧客の場合は27.1%だった。これは仲介業者を利用して融資を受けた顧客に適用された貸出金利(27.9%)より0.8%ポイント低かった。

貸金業協会の関係者は「業界の推算によると、テレビ広告費のために融資金利は4.8%ポイント上昇する一方で、仲介業者を利用すると貸出金利は5.1%ポイントほど上昇」するとし、「仲介業者はローン乗換を通じて手数料収入を増やすことから中途償還比率が高く、むしろ費用負担は大きい」と指摘した。

仲介業者の利用が増えれば、仲介手数料の詐取と不完全販売による被害が増えるという指摘も行われている。貸金業協会は去る1月、ピョン議員の貸金業法改正案に対する意見書で、仲介業者の利用が増えれば仲介手数料の詐取、不完全販売(説明義務不充分)、分割仲介を通じた過度の融資誘発、仲介業者間の顧客個人情報の違法共有などの問題が発生することがありうると指摘した。

このために無差別に広告を制限するよりも、充分な情報を提供し、顧客が自発的に金利の低い商品を選ぶことができるようにするべきだという注文だ。西江大学のイ・グニ教授は「誇大広告や消費者保護に反する釣り広告には規制が必要だが、広告じたいを制限することは望ましくない」とし、「より多くの選択を行えるように情報を与え、より良いサービスがあればそれを選択できるようにするべきだ」と助言した。
  • 毎日経済_キム・ジョンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-17 08:25:58




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