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韓国LCC高度成長も後発あふれ乱気流に見舞われる


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  • < 鈍化するLCC業界利益率 / 新規参入推進中の航空会社 >

成長街道を走っていた格安航空会社(LCC)各社は、相次ぐ新興企業の登場で「乱流」に見舞われた。

今年を皮切りにフライヤンヤン(FLY YANGYANG)、エア浦項などの後発走者が市場参入を狙い、熾烈な競争を予告しているからだ。

16日、国土交通部と航空業界によると、浦項(ポハン)に拠点を置く地域航空会社「エア浦項」は先月に小型航空会社の登録を終え、今月は国土部に運航証明(AOC)を申請する。安全運航検査を受けさえすれば年内に運航できる見込みだ。

江原道の襄陽(ヤンヤン)を拠点とするフライヤンヤンも早ければ今月、国土部に国際航空運送事業者の免許を申請する。現在、航空市場に進入しようとする業者は6社だ。ケイエア(清州)、エア大邱(大邱)、南部エア(密陽)、プライム航空(蔚山)などが来年の就航を目指して航空機の購入と免許作業を準備している。

新興企業が大挙参入することで業界の競争が触発され、航空運賃が再び値下がりする公算が大きい。航空業界の関係者は、「LCC市場が本格的に形成されたこの5~6年のあいだ、熾烈な競争を通じて大韓航空やアシアナなどの大型社中心の独占構造がくずれた」と評価した。これまではLCCが競争的に供給を増やせば需要が追いついて、LCCの実績が上がる好循環構造が構築された。消費者は比較的安価な輸送手段を持つことになった。現在、大型航空会社の金浦~済州の航空券価格は平均10万3700ウォン(週末片道)だが、LCCは8万6000ウォンで17%安い。

ただし今後もこのような構造が続くのかは未知数だ。いったん需要が飽和状態に近づいた。今年の第1四半期の時点におけるLCCの旅客シェアは45.0%で、大型航空会社(54.9%)を追い越すのは目前だ。特に国内線は58.3%で、すでに大型社(41.7%)を上回った。

地方空港の飽和状態はさらに深刻だ。国際空港協会(ACI)と韓国空港公社によると、一年間に済州空港を訪問する旅行客は2604万人で、トルコのサビハ・ギョクチェン国際空港(2829万人)に次いで世界第2位だ。1時間当たりの旅客輸送は4196人で、トルコ(3229人)に比べて1.2倍多い。航空業界の関係者は、「今でも限られた市場をめぐり、6社が110あまりの路線を運営している」とし、「スロット(航空機離着陸容量)の割り当てを受けるのは星をつかむようなことになったが、インフラの拡充なく航空会社が増えると混雑はさらにひどくなるしかない」と分析した。

航空人材の流出による安全性の問題を提起する声も出ている。イースター航空のチェ・ジョング社長は「パイロットと整備担当者は、新たに育成するには時間がかかる」とし、「けっきょく同種の業界で人を引き抜くしかないが、そうなると人材の空白で航空安全に問題が発生することがある」と述べた。

新興企業の参入の実権を握る国土部の関係者は、「まだ正式に免許申請が入ってきたところはない」とし、「申請が入ってくれば市場の需要などを総合的に考慮して、許可するかどうかを検討する」とした。

競争激化で急成長したLCCの経営状態には、すでに「赤信号」が灯った。今年の第1四半期にジンエアー、チェジュ、ティーウェイ、イースター航空、エア釜山などの国籍LCCは、国内航空運賃を5~11%いっせいに上げた。金を稼ぐ能力が以前ほどではなくなったからだ。毎日経済新聞が最近6年間の国籍LCCの実績を全数分析した結果、昨年の営業利益率は5.4%と集計された。

前年比で利益率は1.3%ポイントも後退した。

LCC業界が2013年に初の黒字転換(営業利益334億ウォン)した後、利益率の伸びが折れたのは今回が初めてだ。大型航空社の利益率(7.9%)との格差はさらに広がった。

LCCの関係者は、「韓国より内需市場の大きい米国・日本もLCCは7社にすぎない」とし、「狭い国内市場をめぐって6社が競争しているが、無分別に企業が増えれば業界はともだおれするしかない」とした。
  • 毎日経済_キム・ジョンファン記者/キム・ギュシク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-16 16:38:34




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