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DRAM価格、来年から本格的に下落…「ポスト半導体」は?


◆ 半導体の錯視現象 ◆

  • DRAM価格、来年から本格的に下落…「ポスト半導体」は?
△写真=世界最大の半導体生産ラインであるサムスン電子平沢半導体工場。 [写真提供=サムスン電子]

史上類例のない半導体活況を享受している韓国産業界に、かえって「ポスト半導体の暴風」を懸念する声が高まっている。いまはスーパーサイクル(長期好況)にしっかりと乗った半導体企業に支えられ、各種の産業指標は良く見えるが、「半導体を除けば」話が変わるからだ。韓国経済を主導していた「三頭馬車」がきしみつつ、相対的に半導体が過度に浮き彫りになった側面があるというわけだ。

「半導体―自動車―原子力発電」につながる韓国経済のゴールデン・トライアングルは、今年に入って急激に崩れた。中国のサード報復によって現代自動車の中国内の自動車販売がさっぱりで、新政府の脱原発政策によって韓国電力の利益さえ1年で40%ほど減るという予想が出される状況だ。事実、これらの「三頭馬車」は2014年以来、昨年までは3年連続で国内上場企業の営業利益「トップ3」を記録した、キャッシュカウのような企業だ。現代自動車と韓国電力が崩れ、サムスン電子とSKハイニックスに代表される半導体に対する韓国経済の依存度が深まっているということが問題だ。

専門家らは来年の第3四半期、サムスン電子の利益増加率までもが停まることになると、韓国経済の成長動力は大きく損なわれうると心配の声をあげている。業界の専門家らは、半導体の好況局面はさらに続くだろうが、今年のような好況ではないだろうと分析している。依然として供給が不足していることは確かだが、半導体価格の値上り幅をこれ以上吸収するには限界があるからだ。

市場調査会社のIHSによると、DRAM価格は今年の0.67ドル(DRAM 1ギガビットあたり)で最高値を記録した後、2020年までずっと下落傾向に乗る見通しだ。来年に0.53ドルに下ちるのを皮切りに、2021年には0.28ドルまで下がるだろうという分析だ。わずか4年以内に現在の価格の半分以下に落ちることになる。ただし今年、サムスン電子をはじめとする各半導体企業は大規模な投資を事実上終えた状況であり、設備投資にともなう資金負担は今年よりも減るだろうという見通した。

問題は「ポスト半導体」に対する産業界の懸念だ。半導体の好実績に隠された韓国製造業の問題点は少なくない。

14日、韓国取引所とエフアンドガイドによると、今年の上半期における上場企業全体(有価証券市場・コスダック)の売上高と営業利益で、半導体(サムスン電子、SKハイニックスの実績合算)の占める割合はそれぞれ10.9%と28.3%だった。半導体利益の割合は、半導体への依存度が深刻だった2014年を上回った。半導体の経営がうまくいって依存度が高くなった側面もあるが、他の製造業分野の不振が深刻だったという点がこのような現象をあおった。

現代自動車の場合、今年上半期の営業利益は2兆5952億ウォンで、昨年の上半期よりも16.4%減少した。上半期の、中国での販売量が28.8%減少したためだ。今後の見通しも不透明だ。昨年は5.5%に過ぎなかった現代自動車の営業利益率は、今年は再び低下して5.4%と推定される。

サムスン電子とともに数年間、営業利益率3強を維持していた韓国電力も業績が悪化している。新政府の脱原発政策にともなって原発稼働率が落ちて、利益が急減している。今年の推定営業利益は7兆1337億ウォンで、昨年よりも40.6%急減すると予想される。ハンファ投資証券のシン・ヒョンジュン研究員は、「老朽石炭火力発電所の稼働停止によって費用負担が大きく増え、原発稼働率も大きく下がって実績への圧迫が大きくなっている」と話す。

いま現代自動車と韓電だけが揺れても、製造業全体が不安だという話だ。

半導体業界の関係者は、「半導体の好況は今年のようには続かないだろう。価格の上昇自体が飽和状態、すなわち半導体部品で完成品を作るメーカーが受け入れられる価格限界に近づいたためだ」とし、「大規模な設備投資も今年は仕上げの段階で、追加投資はないことから、来年の製造設備投資の統計にも影響が出るかもしれない」と診断した。これまで韓国経済が繊維をはじめとする消費財業界に続き、最近10年のあいだに造船と鉄鋼のような重工業分野でも中国に競争力を奪われて倒れたように、いまやIT尖端部門も頂点に近づいているという分析だ。

政府の支援を惜しがる声も大きい。財界の関係者は「産業支援政策を望むわけではないが、新政府発足後は規制の緩和をはじめとする、企業が経営しやすい環境を作るための努力やそぶりそのものが見えない」とし、「大企業と中小企業を分けることにのみ汲々とするだけで、産業を全体的に育てようという試みはなかった」と批判した。

この関係者は「韓国の優れた技術者を守るためには国内の工場が重要だ。工場を建てなければならないが、非効率的な規制に足首をつかまれるケースがあまりにも多い」とし、「韓国の半導体産業が半導体1位を継続できるだろうか。見通しは容易でない。しかし無条件に1位を目標に、すべての方法を動員しなければならない。中国が追い付いた後に後悔するのではすでに遅い」と警告した。特に基礎科学分野では中国や米国そして日本に大きく押されるため、この分野への政府支援が切実だと強調した。
  • 毎日経済 ソン・ソンフン記者/ムン・イロ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-09-15 08:41:35




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