トップ > 数字経済 > 企業 > SKハイニックス、東芝の「変心」を引き出す

SKハイニックス、東芝の「変心」を引き出す


■ SKの加わった日米韓連合「東芝メモリ」を買収

  • SKハイニックス、東芝の「変心」を引き出す
崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長(写真)は、東芝理事会が開かれる直前の18日と19日の二日間、交渉実務陣と頭を突き合わせて買収戦略を整えた。チェ会長はこの席で「東芝半導体事業(東芝メモリ)の買収は、東芝とSKハイニックスの両者がWin-Winに乗り出せるディールなので、右往左往せずに最善を尽くすように」と促したと伝えられた。東芝側と感情の戦いを辞さずに崖っぷちの交渉を行うウエスタンデジタル(WD)側とは異なり、交渉相手との信頼を失うことなく説得することを要請したものだ。

20日、東芝取締役会は買収有力候補だったWD連合の代わりに韓・米・日連合を契約相手に決めたのは、チェ会長の半導体事業に対する一貫性のある粘り強さがかなり力になったことが分かった。

東芝が今年の2月に半導体事業の売却を決定した後、半年のあいだ東芝メモリ買収戦は大混乱を彷彿させるほど反転に反転を繰り返した。

去る6月、東芝はSKハイニックスの含まれる韓・米・日連合を優先交渉対象者に選定したが、WDとの国際訴訟戦を憂慮して、2ヶ月で優先交渉対象者をWD連合に変える無理手を置いた。しかしWDとの交渉が難航するやいなや、東芝は売却作業を原点に戻し、けっきょく最初の優先交渉対象者だった韓・米・日連合を買収者に決定するに至った。買収交渉がWD連合に傾いた当時、韓・米・日連合があきらめずにアップルを引き込み、買収価格を2兆4000億円(約24兆ウォン)に引き上げるなど、適切に対応したことが功を奏した。

韓・米・日連合が本契約締結まで成功させて買収者として最終確定されたならば、SKハイニックスは世界の半導体市場でのプレゼンスを大きく高めることのできる足場を得ることになる。

東芝メモリはNAND型フラッシュメモリ分野での市場シェアは17.5%(今年の第2四半期)で、サムスン電子(35.6%)に次いで2位だ。 NAND型フラッシュメモリは電源が切れてもデータを保存する不揮発性メモリで、IT機器を利用した高解像度の写真撮影や動画の保存が日常化し、需要が爆発的に増加する傾向にある。

モノのインターネット(IoT)など、第4次産業革命期に入りつつ未来の成長性も高い。SKハイニックスは、DRAM分野ではサムスン電子と競争を繰り広げてチキンゲームで勝者になったが、NAND型フラッシュメモリ分野では市場シェアが9.9%にとどまっている。韓・米・日連合では唯一の半導体戦略的投資家として参加したSKハイニックスは、東芝メモリを通じて技術力を高め、市場をコントロールできる機会を得ると思われる。

SKハイニックスが買収戦に執拗に飛び込んで、台湾ホンハイとWD連合を押し出したことも無視できない付随的な収入だ。東芝メモリがWD連合に移った場合、WDのNAND型フラッシュメモリ市場のシェアは、世界1位のサムスン電子に匹敵する強者として浮上するリスクが存在する。韓・米・日連合が最終契約を締結すると、これまで東芝メモリと合弁事業を行ったWDは困難な状況に陥って、韓国の半導体業界が反射利益を見ることになる余地は大きい。

東芝理事会はこの日、韓・米・日連合に売却することを決定することはしたが、本契約までに越えなければならない難関は残っている。

当初、SKハイニックスは約4800億円(4兆8000億ウォン)を転換社債(CB)方式で、韓・日・米連合に参加することでコンソーシアの構図を取った。しかし、韓・米・日連合に参加した日本側がSK側と十分な協議もなく、SKハイニックスのCB投資額を約6000億円(約6兆ウォン)まで上げて東芝理事会に報告したことが分かった。 SK理事会と株主が、株式投資ではなく融資方式で過度に投資すると判断されると、再び本契約が遅れる可能性を排除できないというわけだ。

これにより、SK側のパートナーであるベインキャピタル、日本の産業革新機構と日本政策投資銀行と終盤に参加を決めたアップルとホヤなど、日米の企業と参加率をめぐって当分のあいだ激しい内部交渉を行うものと予想される。
  • 毎日経済 ファンヒョンギュ記者/東京=チョン・ウク特派員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-09-21 10:31:11




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア