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「新ロッテ」がスタート…持ち株会社体制で透明な責任経営


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△写真=12日、ソウル市蚕室(チャムシル)のシグニエルソウルで開かれた「ロッテ持ち株株式会社」発足式で、辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長(左から4)がイ・ウォンジュン ロッテ流通BU長、ソン・ヨンドク ロッテホテルBU長、ファン・ガッキュ ロッテ持ち株株式会社社長、イ・ジェヒョク ロッテ食品BU長、ホ・スヨン ロッテ化学BU長(左から)らと「ファイティン」を叫んでいる。 [写真提供=ロッテ持ち株株式会社]

国内財界順位第5位のロッテグループは、持ち株会社体制に公式転換した。今年で創立50周年を迎えたロッテは、これをもって複雑な支配構造を改善するために2015年から推進してきた支配構造の再編作業を一段落し、新しく出発する。特に持ち株会社体制を通じて辛東彬(シン・ドンビン)会長の「ワントップ」の構図がより堅実になり、2年あまりのあいだ続いた兄弟の経営権紛争にも事実上のピリオドを打つことが期待される。

ロッテグループは12日、母胎会社であるロッテ製菓を中心に、4つの上場会社の投資部門が合併した「ロッテ持ち株株式会社」が正式に発足した。

シン・ドンビン会長はこの日、ロッテ持ち株株式会社(以下、ロッテ持株)の出帆式に出席し、「ロッテ持株の発足は経営の透明性を高め、新たな企業価値を創造していくロッテのビジョンを告げる始まりだ」とし、「今後のロッテグループが持続的に発展し革新する土台になる」と話した。

ロッテ持株はロッテ製菓、ロッテショッピング、ロッテ七星飲料、ロッテフードなどの4社を投資部門と事業部門に人的分割した後、ロッテ製菓の投資部門が残り3社の投資部門を吸収する方式で行われた。分割合併比率はロッテ製菓1を基準にして、ロッテショッピング1.14、ロッテ七星飲料8.23、ロッテフード1.78だ。ロッテ持株の資産は6兆3576億ウォンで、資本金は4兆8861億ウォン規模だ。

ロッテ持株に編入される子会社は42社で、海外の子会社を含む場合は138社となる。ロッテは今後、公開買い付け・分割合併・株式買取などの方法で編入会社を70社以上に拡大する計画だ。また2~3年後にはロッテ化学とロッテ観光などを子会社に従えて、ホテルロッテの上場と追加の分割合併などを経て、より完全な姿のグループ持ち株会社体制を構築することが予想される。

複雑だった支配構造も大幅に整理された。今回の持ち株会社の発足で、ロッテグループの循環出資輪は従来の50社から13社に減る。蜘蛛の巣のようにからまった循環出資の輪が大幅に簡素化されたわけだ。

2014年6月には75万社に達していた循環出資の輪が解消されて、支配構造が明確になったという評価だ。イ・ボンチョル財務革新室長は、「IMF外換危機以後、グループは急速に成長しつつ複雑な持分構造ができあがったが、4回にわたる循環出資の解消で、いまや7つの環のみをほどけば循環出資は完全解消される」と話した。ロッテ持株は価値経営室、財務革新室、HRイノベーション室、コミュニケーション室などの6室17チームで構成され、全体の従業員は170人規模でスタートする。

特に今回の持ち株会社体制への移行によって、シン・ドンビン会長のロッテグループに対する経営権がいっそう強化されるものと予想される。シン会長のロッテ持株の持分は13.0%に達する。一方、シン会長と経営権紛争を繰り広げた辛東主(シン・ドンジュ / 重光宏之)前日本ロッテホールディングス副会長の持分は0.3%で、日本ロッテホールディングスのロッテ持ち株株式会社の持分は4.5%に過ぎない。

ロッテ持株のオ・ソンヨプ コミュニケーション室長は、「持ち株会社の発足過程を通じて、(シン・ドンビン会長の)経営権が確固としていることが証明された」とし、「重光宏之前副会長側は持ち株会社の発足過程で、株式買取請求権を通じて株式のほとんどを整理し、株式関係でみるなら経営権紛争はすでに決着はついたわけだ」だと話した。

ロッテ持株はこの日に最初の理事会を開き、シン会長とファン・ガッキュ ロッテグループ経営革新室長(社長)、イ・ボンチョル経営革新室財務革新チーム長(副社長)の3人を社内取締役に選任した。ロッテ持ち株の代表取締役はシン会長とファン社長が共同で務める。

社外理事にはイ・ユンホ前知識経済部長官、権五坤(クォン・オゴン)国際刑事裁判所締約国会議議長、ソウル大学経営学科のクァク・スグン教授とキム・ビョンド教授など4人で構成された。

これまでグループ内で実質的に二人組みの役割を果たしてきたファン社長が、グループの総帥とともに正式に持株会社を率いることになったわけだ。ファン社長がロッテグループ内で公式に会社の代表取締役を務めたのは今回が初めてだ。

ロッテ持株はこの日、新しい企業イメージ(CI)も発表した。 CIは創立50周年を迎え、ロッテグループが定めたビジョンである「ライフタイムバリュークリエイター(顧客のライフタイムにわたって最高の価値を提供するという意味)」の意を込めたというのがロッテ側の説明だ。蚕室ロッテワールドタワーとワールドモールの形状を模した円形の菱形に、ロッテを象徴するアルファベット「L」を小文字で書いた形だ。

ロッテ側は、新しいシンボルマークの左下には顧客の「人生のスタート」を、連続する線はロッテとともに豊かに流れる「人生の旅程」を表すと説明した。曲線の形は、ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』の女主人公「シャーロット」の愛からインスピレーションを受けたと伝えられた。

ロッテ持株は、持ち株会社が別途の事業なしに子会社の株式を保有して管理する純粋な持ち株会社としてスタートする。

子会社の企業価値を高めるための経営評価と業務支援を主業務とし、中・長期的にグループの将来のビジネスになる新規事業を発掘し、買収・合併(M&A)を推進することになる。特に将来のビジネスの発掘という次元から、新興市場の食品メーカーやホテルなどさまざまな部門の海外事業を注意深く見ることになると伝えられた。

ロッテは持ち株会社の発足で株主中心の経営文化を強化できるものと期待している。これまで支配構造が不透明で低評価された企業価値に対し、市場から肯定的に再評価されるだろうという意味だ。

ロッテは8月、ロッテショッピング、ロッテ七星、ロッテ製菓、ロッテフードなど4社の配当性向を30%にまで高め、中間配当も積極的に検討する計画を明らかにするなど、株主に優しい政策を強化してきた。ロッテ側は「市場での再評価が行われれば、相当の幅での株価上昇も予想される」と見た。

一方、ロッテ持株の主な収入源は配当とブランド手数料等になると思われる。ブランド手数料は、各企業の売上高から広告宣伝費を除いた金額の0.15%水準だ。

ファン・ガッキュ ロッテ持株共同代表理事はこの日の記者懇談会で、「持ち株会社の発足は国民に、変化し革新するロッテを作ると約束したことを実現する本格的な第一歩だ」とし、「2007年に日本で(持株会社格である)日本ロッテホールディングスを作った辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長も、ロッテの(韓国)持株会社体制の構築のニュースを聞けば大いに喜ばれることだろう」と話した。
  • 毎日経済 ソン・イルソン記者/イ・ユジン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-10-12 17:33:51




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