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数字経済 > 企業 > ハンコックタイヤ、アメリカンドリームを完成…米国市場の本格攻略へ
△写真=17日(現地時間)、米国テネシー州クラークスヴィルで行われたハンコックタイヤテネシー工場の竣工式で、クラークスヴィルのキム・マクミラン市長(左5番目から)、チョ・ヒョンシクハンコックタイヤワールドワイド代表、ソ・スンファハンコックタイヤ副会長、テネシー州のボブ・ロルフ商工大臣、キム・ソンジン駐アトランタ総領事などがテープカットをしている。 [資料提供=ハンコックタイヤ]
ハンコックタイヤは米国の生産拠点であるテネシー工場を完工し、本格的に米国市場の攻略に乗り出した。今回の工場完成はドナルド・トランプ米国大統領が執権した後、保護貿易の塀が高まる渦中であることからよりいっそう意味がある。世界の主要な自動車市場である米国で安定した橋頭堡を確保し、ブランドの競争力を一段階アップグレードする機会を整えたという評価だ。
ハンコックタイヤは17日(現地時間)、米国テネシー州クラークスヴィルでテネシー工場の竣工式を執り行った。
ソ・スンファハンコックタイヤ代表取締役(副会長)はこの日の竣工式で、「テネシー工場の竣工は世界の自動車文化の中心地である米国市場で新たに跳躍する推進力であり、重要な意味を含んでいる」とし、「世界最高水準の技術力だけでなく、規模の経済を実現し、グローバル市場への攻略に拍車をかけるつもりだ」と伝えた。
現在、第1段階の建設が完了したテネシー工場は、年間にタイヤ550万本を生産できるハイテク設備を備えて稼働中だ。この工場ではホイールサイズ16インチ以上、タイヤ扁平率55パーセント以下の超高性能タイヤやピックアップトラック、SUV、軽トラック、乗用車用タイヤなどを生産する。テネシー工場の竣工で、ハンコックタイヤの年間世界生産能力は約1億400万本に増加した。これに力づけられて今年、ハンコックタイヤの年間タイヤ生産量は初の1億本を突破するものと見られる。ハンコックタイヤは今後の米国市場の需要などを検討し、2020年以降に第2段階の増設を行う計画であり、2段階まで完了すれば1100万本の生産能力を確保することになる。
今回のテネシー工場の竣工は、ハンコックタイヤとしてはいろいろな面で意味が深い。
まずトランプ政権下で米国市場の保護貿易の気流が強まるなか、現地生産拠点を設けて通商圧力に備えることができるようになったという点で注目に値する。ハンコックタイヤは中国と韓国で生産した交換用(RE)タイヤを北米に輸出してきたが、輸出にともなって物流コストが発生し、価格競争力は低い方だった。特に2015年からは、米国が中国産タイヤに反ダンピング関税を課して困難を経験してきた。しかしテネシー州での現地生産が本格化し、物流コストを削減することができるようになっただけに、より良い販売成績を上げることができるものと期待している。先月から「Kinergy PT(キナジーPT)」という長距離旅行用タイヤを出荷して米国で販売している。
またテネシー州は米国鉄道交通の要地の一つであるうえに、隣接する州には世界の主要ブランドの自動車工場が密集しているということも重要なポイントだ。テネシー州に日産、フォルクスワーゲン、GMなどの工場が所在しており、テネシー州の北に隣接するケンタッキー州にトヨタがある。南のミシシッピー州(日産)、アラバマ州(ホンダ、現代自動車、メルセデスベンツ)、ジョージア州(起亜自動車)、南東のサウスカロライナ州(BMW)にまでも工場が布陣しており、新車用タイヤの納品に有利な位置にある。
ハンコックタイヤは今後、研究開発から生産・販売に至る全過程を米国内で進め、北米の消費者向けの製品を提供し、世界の自動車メーカーへの高級新車用タイヤの供給を拡大する計画だ。グローバルメーカーに新車用タイヤを供給すると売上増加はもちろん、ブランドイメージがさらに高まる効果がある。
ハンコックタイヤの1次的目標は売上高を基準に、現在のタイヤ業界で世界7位から5位以内に跳躍するというものだ。テネシー工場の建設によって売上げはもちろん技術水準まで引き上げて、このような目標にさらに一歩近寄るという覚悟だ。