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「雇用安定資金」…血税で最低賃金を3兆ウォン補填


◆ 血税で最低賃金を補填 ◆

政府は30人未満の事業所を運営する事業主に、労働者の賃金補助という名目で3兆ウォンの資金を注ぎ込む。来年度の最低賃金が今年(時給6470ウォン)よりも16.4%上がった7530ウォンに引き上げられるにともない、負担の大きくなった中小企業と小商工人を支援するための措置だ。しかし民間企業の労働者の賃金を政府が税金で直接支援することは、世界的にも類例がないことから議論が予想される。

政府は輸出入銀行で9日、金東兗(キム・ドンヨン)経済副総理兼企画財政部長官の主宰で経済関係長官会議を開き、このような内容の「雇用安定資金」事業を来年1月から12月までの期間限定で実施すると発表した。

雇用安定資金は最低賃金の引き上げに応じて政府が事業主に支援する人件費補助金だ。支援対象は労働者30人未満の事業所だ。ただし最低賃金の支払いを遵守し、申請時点で雇用保険に加入した状態でなければならない。アパートなどの共同住宅の警備や清掃業者を運営する事業主は、例外的に事業所の規模(30人以上)に関係なく支援を受けることができる。政府は月給190万ウォン未満の労働者を雇用した事業主に、1人にあたり月13万ウォンずつ支援することになる。全国的に約300万人の労働者が利益を受けるものと、政府は推定した。

いったん政府は、このような支援策は一時的に行われると述べた。キム・ドンヨン副総理は「雇用安定資金事業は一時的に行うことが原則」だと述べた。しかし最低賃金1万ウォン引き上げが文在寅政府の核心公約事項であるうえに、来年の地方選挙などのスケジュールを勘案すれば、1年間施行した後にすぐさま中断する可能性は低いという意見が支配的だ。この場合、国民の血税投入は雪だるまのように大きくなるだろう。

キム副総理は「来年に施行しつつ、少なくとも上半期中に執行状況と補完点、財政条件などの複合的な要因を考慮して、最低賃金がわが国の経済と社会に軟着陸する方法を、来年の下半期までに考えたい」と述べた。一部では、文在寅政府が無理に最低賃金を大幅に引き上げる政策を施行し、その負担を国民に押し付けているという批判が提起されてもいる。
  • 毎日経済 ソン・イルソン記者/チョン・ジョンホン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-11-09 20:37:47




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