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数字経済 > 企業 > サムスン電子、CES2018で「デジタルコックピット」公開
◆ CES 2018/自律走行コネクテッドカー・ソリューション「デジタルコックピット」公開 ◆
9日(現地時間)、米国ラスベガスコンベンションセンター(LVCC)セントラルにCES 2018最大の展示館をかまえたサムスン電子のブースには、午前10時の開幕と同時に数百人の一般人と企業人が押し寄せた。
サムスン電子が野心満々で公開した8K QLEDテレビ、超大型マイクロLEDテレビ、人工知能(AI)を搭載したファミリーハブ冷蔵庫などの新概念の家電機器製品とともに注目されたのは、他でもない「未来型自動車」だった。サムスン電子が参与してきた数多くの家電・情報技術(IT)展示館で、「自動車」が前面に姿を現したのは今回が初めてだ。
この車にはサムスン電子が昨年買収したハーマン社との共同研究で出した、初めての作品「デジタルコックピット」が搭載された。自律走行コネクテッド・カーの時代を迎え、サムスン電子のITが自動車の中心に据えられる時代を知らせる信号弾だ。
サムスンとハーマンの「デジタルコックピット」は、これまでの計器盤とは次元の異なる尖端電子機器だ。自動車の運転席と助手席の前にある計器盤、ナビゲーション、時計、温度計にいたるまで、すべての電子情報はOLEDとQLEDなど3つのディスプレイで構成されたデジタルコックピットの中に含まれている。 ITとインターネットが融合される自律走行コネクテッド・カーの核心装置に他ならない。
この車にはサイドミラーとルームミラーがない。サイドミラーの代わりに搭載されたカメラを通じて、前・後方の動きがディスプレイに映像で表示される。 「ミラー代替ビジョンシステム」と呼ばれる機能は、車線を変更する方向に視野が拡大し、移動物体の検出や警報機能などを提供する。
デジタルコックピットにはサムスン電子が独自開発した音声認識プラットフォーム「ビクスビー(BixBy)」が搭載された。今は車内エアコン、照明、音響などを調節するにはいちいちボタンで操作しているが、これからはすべて音声で制御が可能だ。
助手席の前のディスプレイには、映像鑑賞やインターネット検索などが可能なインフォテインメント機能が搭載されている。高速5G時代に入って、インターネット上でのストリーミングサービスをシームレスに利用することができる。前部座席のさまざまな映像は、後部座席の前のディスプレイでも鑑賞することができる。
注目すべき点はデジタルコックピットの登場で、家の外の車と家の中の家電製品がつながる時代を迎えたという点だ。
サムスンとハーマンは新しいデバイスに「統合モノのインターネット(IoT)」サービスである「スマートシングス」を搭載した。サムスン電子はすでに2020年までに洗濯機・冷蔵庫・テレビなど、あらゆる家電製品にビクスビー・スマートシングスを搭載してひとつにつなぐと宣言した。車の中から家の中の冷蔵庫や洗濯機などの家電製品を操作することが可能になったという意味だ。デジタルコックピットの登場で、いまや車と家電が接続される時代に入ることになった。
デジタルコックピットはサムスンのスマートフォンにも接続される。サムスン製スマートフォンとの同一性を強調するために、既存のギャラクシーシリーズの画面とほぼ同じように作り、ユーザーエクスペリエンス(UX)を強化した。デジタルコックピットを初めて見た消費者が、ずっと使ってきたかのように慣れた操作をできるようにするためのものだ。
パク・チョンファン サムスン電子電装事業チーム長(副社長)は、「未来自動車、次世代のカーライフスタイルを見せるために努力した」とし、「サムスンとハーマンはコネクテッド・カー事業分野の革新をリードしていくことになるだろう」と強調した。
サムスン電子は、ハーマンを買収した直後の昨年4月からデジタルコックピットを企画し、その後は7月から本格的に開発に着手して、今回のCESで初めて公開した。ハーマンはすでに世界の自動車メーカーとデジタルコックピットを搭載するために協議している。
未来の技術ではなく、すぐにも自動車市場で体験できる技術という意味だ。
サムスン電子とハーマンは今回のCESで、デジタルコックピットのほかに自律走行ソリューション「ドライブライン」プラットフォームなど、自律走行コネクテッド・カーの時代をリードするための重要な戦略的技術を公開した。ドライブラインは自律走行の核心であるレーダー、カメラなどのセンサーと部品、ソフトウェアを任意の方法で選択し、自動車と結合することができるようにモジュール化した自律走行のプラットフォームだ。
パク副社長は「自動車や家電が接続される時代を迎え、ハッキングを防止するための対応にも努力をする」と強調した。