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「Kインディーズゲーム」の奇跡


  • 「Kインディーズゲーム」の奇跡
  • 「ダンジョンメーカー」



先月22日、日本のGoogle Playに異変が起こった。日本のバンダイナムコ(BANDAI NAMCO)や中国の網易(NetEase)などの大型ゲーム開発会社が占めていたゲームランキングで、「ゲームコースター(GameCoaster)」という聞きなれない開発会社が作ったモバイルゲーム「ダンジョンメーカー」が彗星のように登場した。 68位でチャートに進入したが、三日目に日本のモバイルゲーム市場でトップを占めた。日本だけではない。中国のApp Storeで4位、台湾・香港ではAppleとGoogleのアプリマーケットで有料アプリ部門全体で1位を記録した。

アジアで旋風を巻き起こしたこのゲームは大邱(テグ)の小さな事務所で、ゲームコースターのキム・グクファン代表(29)がスタッフ4人と一緒に4ヶ月で完成した成果物だ。モンスターを招集してダンジョン(モンスターたちが集まる巣窟)を守るというユニークなコンセプトを掲げたが、発売2カ月めで世界25万ダウンロードを突破した。ダウンロード1件当たり3000ウォンずつ課金され、ゲームやアイテム販売で20億ウォンを稼いだ。

3年前にゲーム会社を退社し単独の開発者として始めたキム・グクファン代表は8日、「国内ではなじみのない素材とコンセプトだったが、グローバル市場で良い反応を得ている。個性のあるテーマであっても、ゲーム性が高ければグローバル市場で認められると確信するようになった」とした。

小規模の資本で始めた韓国「インディゲーム」がグローバル市場で突風を起こしている。大型のパブリッシャー(流通)の力を借りることなく、大々的な広告やマーケティングを行なわなくても、創造性とゲーム性だけでグローバル市場で良い成果を出している。

ネットマーブルやネクソンなどの年間売上げ2兆ウォンを超える国内の大規模ゲーム各社がモバイルゲームの世界市場を攻略する中で、情熱とアイデアで結実したインディーズゲームもGoogleとAppleのアプリマーケットを通じて成功ストーリーを書いている。

Googleによると、Google Playを通じてリリースされたKインディーズゲームの中で、グローバルな成功を収めた事例は着実に現れている。チャン・ヒョンセGoogle Playゲームビジネス担当シニア部長は、「独創的なアイデアと優れた開発力を備えた国内インディーズゲーム開発各社は、Google Playを通じて国内だけでなくグローバル市場で成功をおさめる事例がますます増えている」と語った。

スタッフ3人で始めたリラソフト(Lila Soft)はリズムアクションゲーム「ビートレーサー(BEAT RACER)」で、全世界80カ国で「音楽ゲーム」部門1位を獲った。ゲーム開発の経験が全くない5人が意気投合して始めたインディーゲーム社ユニットファイブ(UNIT5)の走って跳ねるカジュアル方式のゲーム「キュービーアドベンチャー(CUBIE Adventure)」は、世界15カ国で100万ダウンロードを突破した。このゲームは発売3ヶ月めに70万ダウンロードを突破し、中国をはじめとする中華圏と米国で人気を得ている。

2016年に世界発売されて3000万ダウンロードを突破したモバイルゲーム「アビスリウム(AbyssRium)」は、代表的なKインディーズゲームだ。このゲームを作ったのはイ・ジョンオン、キム・サンホン、ユ・チャンハン代表が共同設立した「アイドルアイデア工場(IDLE idea factry)」だ。モバイルゲームを制作するためにそれぞれ通っていた会社を退社した三人は、ソウル市の弘大付近のみすぼらしいオフィスで夜を日に継いでこのゲームを作った。画面をタップすると海の中の魚が育つ方式だが「ヒーリングゲーム」としてうわさに乗って、発売から3年が過ぎても一日に80万人が利用する「定番ゲーム」になった。

グローバルにサービスされるGoogleとAppleのアプリマーケットがモバイルゲーム流通の主要経路となり、単独開発者や小規模ゲーム社の海外進出が容易になったという分析が出されている。

ダンジョンメーカーのキム・グクファン代表は、「アプリマーケットは基本的にグローバルサービスになるので、私たちのような小さなゲーム社も海外支社やマーケティング、販売担当者もなく、プラットフォームを通じて海外に進出できる」と語る。

自分だけの魚を育てる方式のアビスリウムも、ヒーリングを希望する海外の利用者の好みを反映することでグローバルな成功を収めた事例だ。ゲーム業界によると、アビスリウムは売上げ2800万ドル(約300億ウォン)に達するが、このうち70%が海外で発生することが分かった。

ゲーム業界の関係者は、「ストレスを受けたときには静かな深淵を眺めると心がやすらぐように、このゲームは国に関係なく現代人なら感じるであろう感性に触れる。最近のモバイルゲームはアプリマーケットを通じて基本的に10カ国以上で発売されるが、ゲーム性だけを保証できればさらに多くの機会を得ることができる」とした。

グーグルコリアの関係者は、「外部に公開することはできないが、開発者の数やゲームの実績などで総合的に評価した内部指標によると、韓国はモバイルゲームの競争力がトップ5に入る。韓国は世界のリーダー国としてアプリやゲームの生態系を強化し、世界的に大きな成長の可能性を秘めている」とした。
  • 毎日経済_イ・ソンヒ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-06-09 10:17:18




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