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投資家ジム・ロジャース氏…「南北経済協力に期待大」


  • 投資家ジム・ロジャース氏…「南北経済協力に期待大」
  • 写真=イ・スンファン記者



最近、世界的に貿易戦争が激化している中で、次の金融危機は貿易戦争で始まるだろうという厳重な警告の声が出た。ロジャーズ・ホールディングスの「投資の鬼才」ジム・ロジャーズ会長は2日に韓国を訪問し、「貿易戦争で始まる次の金融危機は、今まで考えていたよりもはるかに苦しい、最悪になるだろう」とし、「伝統の交易大国韓国がこれを避けるには、北韓との経済協力を急がなければならない」と述べた。この日、ソウル市汝矣島のコンラッドホテルでサムスン証券の企業顧客を対象にした講演会に出席したジム・ロジャーズ会長に、毎日経済新聞が先に会った。

ロジャーズ会長は「ドナルド・トランプ米大統領は、貿易戦争はこれまでの貿易不均衡を正すことができる良い機会であり、米国が勝利すると思っている」とし、「しかしそれは錯覚であるだけで、実際には悪夢のような市場の崩壊状況が起るだろう」と予想した。

貿易戦争で関税報復が行われた場合、金融市場がまっさきに打撃を受けるだろうという説明だ。シンガポールに住んでいるアメリカ人巨富のロジャーズ会長は、すでに何年も統一韓国に投資すると叫んできた。非武装地帯(DMZ)の近くに土地を買うという発言から、北韓のコインを集めているという近況まで、彼の北韓投資論を聞いたことの無い人はいないほどだ。 40年前、当時カーター米大統領が中国と国交を結んだ直後、35歳で中国の土地を初めて踏んだこのアメリカ人投資家は、その後中国に人生をかけた投資をして大金を得た。いま75歳になった彼は、今後は北韓が「ネクストチャイナ」になるという。「中国が1978年に西側諸国と国交を樹立した後、40年間信じられないほど進化したし、30年前の中国に初めて投資した者は当然のことながら膨大な金を稼いだ。2018年、北韓がそのようになるだろう。いまやアメリカの投資家が外国語を学ぶなら、韓国語を学ぶべきだ」。ロジャーズ会長に多くの韓国株式投資よりも韓国市場に肯定的だというやいなや、彼は「韓国に対して肯定的だというのではなく、経済協力の後の韓国に対して肯定的」だと真顔で語った。彼は「貿易戦争で現在の世界経済が悪い状況(bad timing)だが、韓国だけが適材適所(right timing、right place)にいる」とし、「北韓の開放を勢いにする場合、今後は世界的な経済危機で韓国がバッファーゾーンになるだろう」と明らかにした。

ロジャース会長は韓国企業の支配構造が「コリアディスカウント(韓国市場低評価)」の原因として指摘されていることと関連しても、問題になるものではないという立場だ。ロジャーズ会長は「支配構造が良くなれば株価も当然上がるだろうが、支配構造の問題はアメリカやヨーロッパの市場にもある」とし、「もしアジアで戦争が起きた場合、韓国はナンバーワンターゲットになるはずだが、外国人投資家は韓半島の地政学的リスクが ナンバーワンリスクではないのか」と反問した。

ロジャース会長は駐韓米軍撤収の議論も徹底的に投資家の立場から解釈する。ロジャーズ会長は「米国防総省が韓国に駐留している3万人の在韓米軍を移さなければならないなら、中国やロシアの国境地帯に行きただろう」とし、「私もアメリカ人納税者として(駐韓米軍撤収に)支払う税金が少なければいいが、韓半島統一後の米軍を中・露国境に移すのが投資家にとっては、より安全な選択になるだろう」と付け加えた。

事実、ロジャース会長は南北経済協力の時代に備えて大韓航空株の一部買ったことを除いては、何らの投資もできなかった。世界的な金融市場ではまだ北韓関連の商品がないからだ。

ロジャーズ会長は「中国やロシアはすでに北韓の建物も建てて事業もしているが、自由の国アメリカ国民は肝腎の北韓への投資の自由がない」と悔しがった。彼はすぐに「サムスン電子はグローバル企業だから、北韓が開放すればとうぜん肯定的な影響を受けるが、大当たりはそんな大型株ではなく中小型株でさがすべきだ。もしそんな株を見つけたら教えてくれ」と、蝶ネクタイを結びなおして舞台に戻った。 75歳の現役投資家は依然としてすきっ腹だった。
  • 毎日経済_ハン・エギョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-07-02 18:31:15




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