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バイオエピス「複製薬の価格規制」撤回を要請


  • バイオエピス「複製薬の価格規制」撤回を要請
  • バイオ産業の成長を妨げる価格政策


去る6日に開かれた政府-サムスン社長団懇談会をきっかけに、国産の複製医薬品に対する価格政策と価格決定構造に関心が集まっている。この日の懇談会で、サムスンバイオエピスのコ・ハンスン社長が金東兗(キム・ドンヨン)経済副総理にバイオ関連の規制緩和を注文し、「バイオ後続品など、後発医薬品会社にオリジナル薬剤と競争する機会を」という趣旨の発言をしたこと分かった。

複製医薬品の価格決定システムをもう少し柔軟にしてほしいという要求だ。今のように政府が一律に薬価を策定する構造では、バイオ後続品の強みである低価格競争力を生かすことが難しいからだ。

これはバイオ後続品だけでなく、複製薬を製造してきた製薬業界全体の長年の宿願でもある。国内の薬価は健康保険公団と製薬会社間の交渉で決定される。オリジナル薬剤の特許が期限切れになってバイオ後続品が発売されると、現行の国民健康保険法に基づいて、オリジナル薬剤の価格(健康保険の適用上限)は自動的に既存価格に比べて30%引き下げられる。

患者の立場では複製医薬品の出荷だけで薬剤価格引き下げのメリットを得ることになるわけだ。

この時に複製薬の価格は、複製薬発売前のオリジナル薬の価格の59~60%のレベルで策定するように定められている。複製医薬品とオリジナル薬品間の価格差が10%を超えることのない構造というわけだ。発売初年度のみ、複製薬はオリジナル薬に比べて10%ほど割安だというだけだ。

複製医薬品の発売翌年からは複製医薬品とオリジナル薬品の双方ともに、複製薬発売前のオリジナル薬品の価格の53.55%に薬価が同じになる。価格が同じであることから、医師や患者の立場ではあえて複製薬を選択する誘引は低い。

このように、政府が複製薬発売とともにオリジナル薬品の薬価を引き下げることを義務付けたのは、薬価引き下げを誘導し、患者の費用負担を軽減するためだ。しかし、このためにバイオ後続品企業の立場では、自発的な市場競争の中で合理的な薬価を定めることができる機会を失うことになり、長い時間をかけて開発した製品が市場に定着することが難しい状況に置かれざるを得ない。

一方、セルトリオンやサムスンバイオエピスなど、バイオ後続品を製造する韓国のバイオ企業が市場シェアを広げている欧米の市場は基本的に自律競争構造だ。特にオリジナル薬の価格を強制的に引き下げる規定はない。

このためオリジナルの薬価との対比で複製薬の価格を低く設定すれば、十分に価格競争力を備えることができる。セルトリオンが開発した自己免疫疾患の「レムシマ」は価格競争力を前面に出して、ヨーロッパの一部の国ではオリジナル薬よりも高い市場占有率を確保した状態だ。

しかしオリジナル薬品の薬価引き下げが義務付けられている国内では、国産バイオ後続品の国内市場シェアは一桁にも満たないほど微々たる状態だ。製薬業界の関係者は、「米国・欧州市場と国内市場のシェアが大きく開くにつれ、国内市場はセルトリオンやサムスンバイオエピスの売上げ全体の5%にも満たない小さな市場に転落した」と述べた。この関係者は「国内の薬価政策が弾力的に運用されれば、バイオ後続品産業の育成はもちろん、長期的には患者にも役立つだろう」と強調した。

サムスンバイオエピスはこの日の懇談会で、複製医薬品の価格政策のほか、バイオ医薬品の原料物質に対する輸入・通関効率の改善、各種税制の緩和などを要請した。

サムスンバイオエピスはまた、仁川松島を韓国型バイオクラスターとして育てる一方で、急成長するバイオ医薬品産業の分野の専門人材の養成方案に対しても悩んで欲しいと注文した。
  • 毎日経済_シン・チャノク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-08-07 20:46:01




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