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サムスン「フォルダブルフォンでファーウェイをはじき出す」


  • サムスン「フォルダブルフォンでファーウェイをはじき出す」
  • 世界の携帯市場の占有率


2012年、サムスン電子はフィーチャーフォンの絶対強者Nokia(ノキア)とスマートフォンの新興強者Apple(アップル)を抜いて、世界の携帯電話市場でシェア1位の「王座」を獲得した。それ以後の8年間は1位の座を守っているが、2013年に32.3%まで上がった市場シェアは、今年の第2四半期は20.4%までに下がった。中低価格の携帯電話を集中攻略している中国のファーウェイ社(シェア15.5%)がサムスンのあごにまで迫り、20%を超える営業利益率を出しているアップルは、収益性の面でサムスン電子IM部門(営業利益率11%)を圧倒している。

韓国経済の支えの一つであるサムスン電子のスマートフォンを心配する声がちょろちょろと流れ、「ギャラクシー神話」を再現する革新を注文する人が増えている理由だ。

サムスン電子はギャラクシーS・ノートシリーズとともに、もう一度革新を成し遂げうるカードとして、折り畳み型スマートフォンの「フォルダブルフォン」と「人工知能(AI)Bixby生態系構築」を取り出した。戦略的には、高級携帯電話に集中していたことから脱して、必要ならば中低価フォンにも新しい革新的な技術を採用し、中国企業の攻略に対応するという方針も立てた。

高東真(コ・ドンヂン)サムスン電子IM部門長(社長)は10日(現地時間)、「ギャラクシーノート9アンパックイベント」が開催された米ニューヨークで記者らと会って、戦略とビジョンについて説明した。コ社長は「世界初よりは本当に消費者が好んで受け入れる革新に焦点を当ててきた」とし、「しかしフォルダブルフォンは世界初というタイトルを奪われたくない」と力を込めた。

コ・ドンヂン社長は、「フォルダブルフォンを市場に出したときに、サムスン電子がきちんと作ったという声を聞きたい」とし、「これまで品質・耐久性のために言葉をつつしんだが、稜線を超えており(公開の)時期が近づいている」と強調した。具体的な時期を明らかにしなかったが、早ければ年内、遅くとも来年の第1四半期にはフォルダブルフォンが出るかもしれないという予測が多い。

プレミアムフォン製品の差別化が難しくなり、またスマートフォンの交換サイクルが長くなるにしたがって需要も減っている。このために消費者の目を一回で捕らえることができる革新が必要だという声が高まっている。このことからサムスン電子だけでなく、アップルやファーウェイとシャオミなどは、新しい市場を創出できる革新の一つとして「フォルダブルフォン」に注目している。特にファーウェイは世界初でフォルダブルフォンを出すと宣言したが、コ社長は市場の先取り競争では絶対に負けないという強い意志を表明したわけだ。コ社長は「フォルダブルフォンを作ってやめるなら、そもそも始めなかっただろう」と強調した。フォルダブルフォンはシリーズで出し、ギャラクシーSやノートとともに核心製品群にすることができるという意味に解釈される。

2009年、アップルの「iPhone」が韓国に上陸するやいなや、サムスンは自社の「オムニア(Omnia)」フォンで勝負したが失敗を味わった。強力なデザインはもちろん、オペレーティングシステム(OS)やコンテンツで武装したiPhoneには力不足だった。しかし、すぐにサムスンはグーグルのOSを採用し、強力なハードウェアで武装した「ギャラクシー」シリーズを発表し、iPhoneと競合するほぼ唯一のブランドとしての地位を確立した。これからiPhoneとの競争で力を発揮するためには、スマートフォンの話題になっているAIが重要な要素だ。

コ社長はサムスン電子のAIプラットフォーム・秘書「Bixby(ビクスビー)」の生態系構築と、これを通じたプラットフォーム競争をカードとして選択した。コ社長は「サムスン電子が5~10年先を見て進めているAIプラットフォームのビクスビーが追求する最大の価値は開放性」だとし、「11月に米国サンフランシスコで開催されるサムスン開発者カンファレンス(SDC)で、ビクスビーのアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)とソフトウェア開発ツール(SDK)を公開し、生態系を形成する出発点とするつもり」だと強調した。サムスン電子はギャラクシーノート9アンパックイベントでAIスピーカー「ギャラクシーホーム」をサプライズ公開した。コ社長は「ギャラクシーホームはスピーカーの音質に重点を置いた製品」だとし、「消費者がお金を支払う時は、AIよりもサウンド・クオリティが重要だと思った」と語った。

ギャラクシーホームは金属製の脚が3つ付いた小さな瓶の形で、円筒型がほとんどである他社のAIスピーカーと差別化されているために、これに対してコ社長は「韓国の陶磁器の曲線が与える安心感からモチーフを得たデザイン」だと言う。ギャラクシーホームは、ハーマン社のAKG製スピーカーが6個搭載され、ユーザーの方向に合わせて音を出し、8個内蔵されたマイクが離れたユーザーの声を認識することが特徴だ。

コ社長は5G時代に備えて、「スマートフォン」から「スマートデバイス」に移っていく世界を準備していると紹介した。コ社長は「5G技術のリーダーシップはぜったい逃してはならない」とし、「来年3月の国内移動通信各社と5Gスマートフォン初の商用化について協議し、5G最初の端末はギャラクシーS10ではなく、別のモデルになるだろう」と述べた。

コ社長は「テレビ・家電・スピーカーなどのデバイスをすべて備えた総合電子企業としての利点を生かし、より快適なライフスタイルを提供することが他の企業との格差を大きく開く道」だと説明した。コ社長はギャラクシーノート9に対して、「最高のパフォーマンスを誇って特化されたSペン、インテリジェンスが加味されたカメラを搭載した」とし、「ギャラクシーノート8よりも売れることを期待する」と述べた。コ社長はまたギャラクシーS9の販売不振と関連して、「ギャラクシーS9の販売推移は悪くなく、継続して上昇している」とし、「年末に判断してほしい」とした。
  • 毎日経済_ニューヨーク=キム・ギュシク記者/ソウル=イム・ソンヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-08-13 18:14:42




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