トップ > 数字経済 > 企業 > 「すべての領域に人工知能を」…MSとサムスン、AIで共調

「すべての領域に人工知能を」…MSとサムスン、AIで共調


  • 「すべての領域に人工知能を」…MSとサムスン、AIで共調

「情報技術(IT)企業だけでなく、すべての企業は長期的なロードマップを持って、人工知能(AI)をはじめとするデジタル技術適応を高めなければなりません。その結果がすぐさまビジネスの成果として現れることはもはや疑う余地はありません」。

4年ぶりに韓国を訪れたマイクロソフト(MS)のサトヤ・ナデラ最高経営責任者(CEO)は7日、ソウルグランドヒルトンホテル コンベンションホールで開かれた「フューチャーナウ(Future Now)」AIカンファレンスの基調講演でこのように述べた。

ナデラCEOは参加者1500人の前で「いまやAI技術で何をできるかではなく、何をするべきかに焦点を合わせなければならない」とし、「多くの韓国企業が成長の機会を創出するために、デジタル技術を積極的に新しい製品やサービスに導入する姿は非常に印象深い」と述べた。

CEOに選任されたばかり過ぎなかった前回の訪問よりも、彼の声からはるかに力が感じられた。ナデラCEOはビル・ゲイツとスティーブバルマーに続いて、2014年2月に3代目のCEOに就任した。彼は「氷河期を迎えた恐竜」のように沈没していたMSに「革新」を吹き入れて、就任期間で株価を3倍以上に引き上げてIT業界のスーパースターとして急浮上した。

Windowsとオフィス、サーバー事業に依存してきた保身主義の戦略を果敢に放棄した。代わりにクラウドとAIを連携した、未来ビジネスとオフィス365を通じてMSを完全に別の企業に変貌させた。

ナデラCEOは「AI技術が発展しているからと言って、研究所レベルで達成した成果で自足してはならない」とし、「AIはすべての組織がより多くの目標を達成することを助けている」と強調した。続いてナデラCEOは、「AIは人間を代替するものではなく、人間の能力を補完してくれるだろう」とし、「会議の時は言語を通訳・翻訳して議事録を作成し、チーム間のコラボレーションも可能にしてくれる」と語った。

ナデラCEOは「たとえば会社が望む政策が多様性・受容性だとするならば、AIがパワーポイントをそれに合わせて作ることができる」とし、「昨日到着して多くの仕事をこなしたが、AIが朝に声をかけてくれたことを夕方にまた終えかと尋ねることもする」と述べた。ナデラCEOはまた「AIはゲームと流通、金融などの全分野で非常に重要な技術となっている」とし、「MSは研究成果が実際に利用されるようにして、成果が商用化される期間を短縮するために努力している」と述べた。それとあわせて、AIプラットフォームをうまく利用した韓国の事例として、パールアビスの『黒い砂漠モバイル』、サムスン電子の『スマートエアコン』`などをあげた。

国内クラウドサービス市場の拡大のためのデータセンターを、追加で設立する計画も明らかにした。ナデラCEOは国内2か所のデータセンターのほか、釜山の近くに用地を確保してセンターを建設していると明らかにした。彼は「AIが人間に恩恵を与える側として活用するためには、プライバシーの保護や倫理が前提されなければならない」とし、「国家的にもAIの悪用を防ぐための規制が研究されなければならない」と主張した。 MSは顔認識AIの場合はプライバシー侵害の懸念が大きいとして、これに対する規制を政府に提案した。

この日の基調講演を終えたナデラCEOは李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長とも会って、AIをはじめとする第4次産業革命の技術と関連して事業協力の強化方案を議論した。李副会長とナデラCEOは4年前の最初の訪韓時に会って、協力方案を議論した。 2016年には米国アイダホ州で開かれた「サンバレーカンファレンス」に参加するなど、これまでに数回会ったことが伝えられた。しかし、李副会長が国内でグローバルな情報通信技術(ICT)企業の核心経営者に会うことは2017年2月以来だ。

今回の面談では、李副会長とナデラCEOはAIやクラウドコンピューティング、データセンター、5G、ソフトウェアなど、未来成長動力の核心的分野での協力を拡大することに合意したことが伝えられた。

両社は特にAIとクラウド、ビッグデータなどの主要分野で定期的に技術を協議し、経営陣の交流も行って協力の成果を高めることにした。クラウドサービスのためには大容量の半導体と大容量記憶装置であるSSD(ソリッドステートドライブ)が不可欠だ。 MSがクラウド事業を積極的に進めているだけに、サムスン電子の半導体・SSDの供給も増えることと思われる。また、サムスン電子の一部の製品にも、MSのクラウドサービスが搭載されることがあると思われる。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/イ・ドンイ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-11-07 18:21:48




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア