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サムスンディスプレイ、OLED事業に力加える


サムスン電子は来年の5G商用化を控えて、通信機器事業を統括するネットワーク事業部長をチョン・ギョンフン副社長に代える勝負手を打った。サムスンディスプレイは現在、有機発光ダイオード(OLED)パネルとLCD事業部で運営された組織を中小型・大型事業部に改編し、OLED事業に力を加えるものと予想される。

サムスン電子は12日、組織改編と補職異動などの人事を断行した。この日の改編の全体的な特徴は、来年の経営環境の変化と組織の安定などのために、組織の大きな枠組みを維持したままで微調整を行いつつ、主要な事業部長を留任させたわけだ。

事業部長が交代したのはIM部門(スマートフォン・通信機器)のネットワーク事業部程度だった。 7年あまりのあいだ、この部門を率いたキム・ヨンギ社長が後輩たちに道を開くために勇退し、新しい首長としてチョン・ギョンフン副社長が任命された。チョン副社長はネットワーク開発チーム長として、5G通信機器の開発を統括してきた人物だ。移動通信各社が本格的に5G商用化を推進しており、国内外で関連機器の需要も大きく増えている。このことから、5Gの専門家であるチョン副社長には5G市場を攻略するようにし、通信機器市場では中ファーウェイ社などとの格差を減らすという意志を見せたと評価される。グローバル調査機関のIHSマークイット(IHS Markit)によると、昨年の世界通信機器市場でファーウェイは28%のシェアで1位を記録し、サムスン電子は3%水準だった。

サムスン電子は国内移動通信3社のみならず、米国などでも5G機器サプライヤーとして選ばれた。チョン副社長就任を契機に、5G機器の供給と関連サービスの拡大に注力すると予想される。チョン副社長の抜擢は最近、社長に昇進したサムスン電子のノ・テムンIM部門ワイヤレス開発室長とともに世代交代を準備する次元という評価も出ている。

IM部門を統括する高東真(コ・ドンヂン)社長が無線事業部長を兼任する体制はそのまま維持された。イ・ヨンヒ無線事業部マーケティングチーム長兼グローバルマーケティングセンター長は、グローバルマーケティングセンター長に補職任命された。これにより、会社全体のマーケティング戦略を担当することになると思われる。

半導体・部品担当のDS部門には、会計(財経)・コミュニケーション・支援チームなどで構成された経営支援室が新設された。これは会社全体の売上げ・営業利益で半導体の割合が高くなり、金奇南(キム・ギナム)部門長が副会長に昇進するなどで位相が大きくなったためとみられる。また、経営支援室を通じてアップルやグーグルなどの各グローバルパートナーと有機的に協力し、対内外の環境変化に効率的に対応しようとする意図もあるとみられる。 DS部門はメモリ・システムLSI・ファウンドリ事業部体制を維持し、既存の社長団が引き続き牽引していく予定だ。

テレビ・家電を担当するCE部門も金炫?(キム・ヒョンソク)社長が経営全般を統括して家電を担当し、ハン・ヂョンヒ社長がテレビを担当する体制が維持された。この日、CE部門でテレビ担当の映像ディスプレイ事業部の一部役員を、生活家電パートに発令を出したが、これに対しては生活家電事業を強化するための措置という分析が出ている。

サムスン電子の100%子会社であるサムスンディスプレイは、OLEDとLCDパネルに分けて運営していた事業を中小型・大型事業部体制に変更した。同社はモバイル用小型パネルはOLEDを、テレビ用の中・大型パネルはLCDに主に量産してきたが、組織名からそもそもLCDとOLEDを外し、パネルサイズのみで事業を区分したわけだ。大型事業部長にナム・ヒョハク副社長、中小型事業部長にキム・ソンチョル副社長をそれぞれ任命した。ナム副社長はOLED製造センター長、キム副社長はOLED事業部長出身だ。これにより、組織の内外で今回の改編がOLEDパネル事業に力を加えるための布石だという分析が出ている。また長期的にはLCD事業の比重を徐々に減らしていき、最終的には手離す可能性もあるという予測もある。

ハナ金融投資の推計によると、第3四半期のサムスンディスプレイのLCDパネルの売上げは1兆9040億ウォンで、OLED(8兆1860億ウォン)の23%にとどまっている。同じ期間のLCDの営業利益は200億ウォン水準で、OLED(1兆1590億ウォン)の1.7%と推定されるほど収益性が落ちている。このような収益性の悪化は、中国の追撃に起因する。中国はLCDパネル工場の設立時に、各地方政府(地方自治体)が共同投資に参与している。 BOE北京工場の株式50%や、合肥工場の株式58%は政府が所有する。またLCDパネルの製造をハイテク産業に指定し、関連法人の法人税を25%から15%に引き下げた。このような中国製パネルの台頭で昨年、IHSマークィットの調査では、LCDパネルのシェアは韓国が28%で中国(33%)よりも低かった。

サムスン電子は先だって第3四半期のカンファレンスコールで、「次世代テレビ技術としてさまざまな技術を検討している」とし、「QD-OLEDも候補の一つとして開発している」と述べたことがある。これをめぐって証券業界では、サムスンディスプレイがテレビ用大型OLEDを2021年ごろに量産する見ているが、今回の組織改編によって量産時が早まると考えられる。またこの日、サムスンディスプレイは職制でパート長とグループ長の間にプロジェクトリーダー(PL)職級を置いて、組織を有機的に連携することにした。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/イ・サンドク記者/チョン・ギョンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-12-12 19:02:27




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