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デトロイトを制覇した現代・起亜自動車


昨年まで苦戦した現代自動車グループは今年に入り、米国市場で第2の跳躍を狙っている。

14日(現地時間)、米国デトロイト市のコボコンベンションセンターで「2019北米国際オートショー(デトロイトモーターショー)」が開幕するやいなや、現代・起亜自動車が意味のある受賞の知らせとともに大々的に新車を発表し、米国市場での再跳躍を予告した。

現代自動車初の「カーオブザイヤー」2冠を握って実力を認められたうえに、これまで不振だったスポーツ用多目的車(SUV)の新車まで打ち出して、米国市場での全面戦争に乗り出す雰囲気だ。来月から米国最大のマーケティング戦場である「スーパーボール」の中間広告と事前広告を開始し、年末までに新車を次々と出す計画だ。

特にこの日、米国に導入されてから3年になった新生ブランド「ジェネシス」が「カーオブザイヤー」を受けたのは、意味が大きいという評価だ。現代自動車は2015年、国内での高級ブランド「ジェネシス」をローンチして、翌年の2016年に米国にジェネシスを紹介した。

しかし米国内の既存の現代自動車ディーラーからジェネシスを分離するために、ディーラーの抵抗は大きかった。けっきょくこれまでの3年間はジェネシス専用ディーラー網を構築することで苦労をしながら、北米地域でも正常な販売は難しかった。このために昨年初めまで、米国で現代ブランドと区別される別個の高級ブランドとして販売ライセンスを確保した州はほとんどないほどだった。

しかし昨年末、米国全域をカバーする50の州でライセンスを得たことで、下半期から2019年型G90・G80・G70を順次供給できるようになった。

  • デトロイトを制覇した現代・起亜自動車
  • 14日(現地時間)、米国デトロイト市コボコンベンションセンターで開かれた「2019デトロイトモーターショー」で、ジェネシスG70(写真・乗用部門)とコナ(ユーティリティ部門)が「2019北米カーオブザイヤー」に選ばれた。



これによって、ジェネシスはディーラー網の整備後に大々的なマーケティングを準備していたうえに、「カーオブザイヤー」にまで選ばれ、今年は量子ジャンプの機会になると期待している。

この日の授賞式に出席したジェネシスブランドのマンフレッド・フィッツジェラルド総括(専務)も受賞所感を明らかにして、「チョン・ウィソン副会長がこの席を共にできなくて残念だ」とし、「これまでジェネシスブランドを広めるために、韓国と米国で多くの努力を行った」と感激した。

現代自動車は実際、2008年の金融危機以降に「カーオブザイヤー」を受賞し、米国で躍進し始めた。ブランド認知度の向上効果をたっぷりと得たからだ。 2008年は3.0%に過ぎなかった現代自動車の米国市場シェアは、2009年には旧型ジェネシスが「カーオブザイヤー」に選定された後に跳ね上がり始めた。翌年の2009年には現代自動車の市場占有率が4%の壁を初めて突破して4.2%まで上がると、2011年には5.1%にまで高騰し、最高の全盛期を謳歌した。しかし少しずつ販売不振になり始め、昨年は米国内の現代自動車の販売67万台レベルにまで落ちた。市場シェアも3.9%まで下げた。

これにより、現代自動車は、ジェネシス・ブランドで昨年11月に国内で発売されたG90を今年の上半期に米国市場で発売し、来年には新型G80を出すなど勢いを生かしていくという計画だ。ジェネシスブランドをつけたSUVのGV80も、来年に米国で公開する予定だ。

  • デトロイトを制覇した現代・起亜自動車
  • 14日(現地時間)、「2019デトロイトモーターショー」で起亜自動車が北米のスポーツユーティリティ車(SUV)市場を狙って初めて公開した中型SUV「テルライド」。



現代自動車はこの日、デトロイトモーターショーで高性能レースカー「ベロスターN TCR」と、今月中に米国市場に投入する予定の「エラントラGT Nライン」(国内ではi30 Nライン)などを展示した。高性能の新車に続き、今年の夏に米国で大型SUVのニューモデル「パリセード」の販売を開始するなど、米国市場に合った製品群にラインナップを改編している。

起亜自動車も北米市場専用の大型SUV「テルライド」を、この日のデトロイトモーターショーで初めて公開した。これまでコンセプトカーの形で公開されたことはあったが、量産モデルが公開されたのはこの日が初めてだ。これまでSUV市場が躍進するなかで、しかし起亜自動車ではこれにふさわしいモデルがないことから販売不振だったが、テルライドを出したことで起亜自動車の販売を牽引するだろうという期待が大きい。

起亜自動車の米国ジョージア州工場で生産するテルライドは上半期に北米で発売する予定であり、国内では販売しない。テルライドは北米市場の好みに合わせて、典型的なアメリカ式のSUVの形で作られた。大胆なボックス形状を基本に、直線を強調したデザインが特徴だ。起亜自動車特有の「タイガーノーズ」グリルを前面に大きく配置し、オフロード走行時にエンジン下部を保護するスキッドプレートを通じてアウトドアSUVのイメージを備えた。

  • デトロイトを制覇した現代・起亜自動車
  • 現代・起亜自動車の米国シェアの推移



現代自動車グループによると、米国市場全体の成長鈍化にくわえて主力モデルの販売不振が重なり、昨年の現代・起亜自動車の米国年間売上げは、前年に比べて0.6%小幅に減少した126万7619台を記録した。しかし、今年は新車とSUVのラインナップを大幅に強化することにより、販売を積極的に増やしていくと同時に、収益性まで大幅に向上させるという腹案だ。まずは現代自動車がパリセードのほかにエントリーSUVの新車を、起亜自動車がテルライドのほかにソウルのエントリーSUV新車を発売する。加えて主力車種である現代自動車のソナタ(後半)と起亜自動車のソウル(第1四半期)の新車も公開する。

今年は米国市場での躍進を狙っている現代・起亜自動車はこの日、デトロイトモーターショーで米国最大のマーケティングの激戦地である「スーパーボール」広告に出場するという計画を明らかにした。

来月3日に予定されたプロフットボールのチャンピオン決定戦スーパーボウルの試合に、事前広告と中間広告、競技場マーケティングなどのさまざまな方法で現代自動車のブランドイメージを向上させる予定だ。現代自動車は2008年に米国の金融危機のときにスーパーボールの広告を開始し、大きな効果を得た。当時、GMとフォードなど米国の自動車企業が困難に直面しているあいだに、アメリカ人の心をいたわる広告を行ってブランドを広めたことがある。
  • 毎日経済_ハン・エギョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-01-15 19:38:47




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