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米の「関税爆弾」に緊張する韓国自動車産業

米「安全保障に対する輸入車の脅威」結論 

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  • 米国の国別自動車輸入量


米国商務省は、海外からの自動車輸入は国家安全保障に対して脅威になるという最終結論を下したことが伝えられた。商務部の結論は、米国が自国の自動車産業を保護するという名分で、輸入車と部品に対する高率関税を賦課できる根拠となる基準だ。今後の「自動車関税爆弾」に対する懸念が大きくなる理由だ。

14日(現地時間)のAFP通信は消息筋を引用して、米国商務省が17日までにホワイトハウスに提出した最終調査報告書にこのような内容を盛り込んだと報じた。商務省は米国優先主義」を強調するドナルド・トランプ米国大統領の指示で、貿易拡大法232条を根拠に、この事案を昨年5月から調査してきた。報告書が提出されると、トランプ大統領は90日以内に関税などの措置をとることになる。貿易拡大法232条は、米国の通商安保を害すると判断された場合、輸入量の制限や高率関税のような措置をとることができるように規定した法律だ。最高25%の関税を賦課することができる。

トランプ大統領が輸入車や部品に対する高率関税を課すと、米国を主な輸出市場としている欧州連合(EU)・日本・韓国の自動車メーカーの打撃は避けられないと予想される。ただし、今のところ関税がどの範囲の製品に対してどれくらいの税率で課されるかは不透明だ。商務省の最終調査報告書の内容が具体的に伝えられていないうえに、これを受けたトランプ大統領がどのような決定を下すかをさらに見守るためだ。

ロイターは「トランプ大統領は関税賦課の最終決定を下すまでは、商務省の調査報告書の内容に対する具体的な中身を明らかにしない可能性が高い」と報じた。

いったん主要メディアは米国の輸入車関税爆弾の最大の被害影響圏にある国として、欧州連合(EU)と日本をあげている。米国商務省と韓国貿易協会によると、2017年の時点で米国の最大の自動車輸入国は469億ドルのメキシコのだ。続いてカナダ(425億ドル)、日本(398億ドル)、ドイツ(202億ドル)、韓国(157億ドル)、英国(86億ドル)、イタリア(48億ドル)の順だ。米国はこれらの国の中で、カナダとメキシコに対しては北米自由貿易協定(NAFTA)の後続である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を昨年締結した。韓国とは韓米自由貿易協定(FTA)の改正交渉を妥結した状態だ。

これに比べて現在、米国では、日本・EUとの貿易不均衡の問題を解消するための二者交渉を行っている。けっきょく米国に自動車を多く輸出している国の中で、日本とEUが米国の集中「攻撃ターゲット」になるだろうという分析が出ている。

CNBCは「専門家らは商務省が報告書でEUの自動車に対する関税を勧告するものと見ている」とし、「トランプ政権は貿易交渉で協力してきた韓国とカナダやメキシコなどの国には、自動車に対する関税を免除することがありうる」と報道している。また、投資銀行であるUBSはトランプ政権が米国に輸入されるEU製自動車に対して25%の関税を賦課することがありうると予測した。

だからといって、韓国が安心できる状況ではない。ややもすると韓国に火の粉が飛び散る可能性を排除できないからだ。

現在、現代・起亜自動車を中心に自動車業界は昨年5月の商務省の調査開始以来、シナリオ別に対応策を用意して総力対応してきた。完成車業界の関係者は、「韓国の完成車に対して25%の一括関税が適用されると国内市場はもちろん、今後の収益性悪化は米国の現地生産ラインの稼動と雇用にも悪影響を及ぼすしかない構造だ」と説明した。

これと関連し、産業通商資源部のキム・ヒョンヂョン通商交渉本部長は13日の記者懇談会で、米国が計画している自動車関税から韓国が除外される可能性について、「さいきん会った米国政府と議会関係者の反応は悪くなかった」と雰囲気を伝えたことがある。

昨年9月に米国ニューヨークで開催された韓米首脳会談で、文在寅(ムン・ヂェイン)大統領は韓国の対米輸出車に対する高率関税を免除してほしいと要請し、トランプ大統領は会談の陪席者に「検討して見よう」と指示したが、それ以来は肯定的なニュースは出てこない。

先月24日、韓国経済研究院が発表した「米国の貿易拡大法232条の適用が韓国自動車産業へ与える影響」報告書によると、米国商務省が国内輸入自動車および自動車部品などに貿易拡大法232条を適用する時は、韓国の自動車産業部門全体の貿易収支は最大で98億ドル(約11兆700億ウォン)まで減少しうることが分かった。チョン・ヂェウォン韓経研研究委員は報告書で、「米国は最大の韓国自動車輸出市場であり、韓国が高率関税賦課の直撃弾に見舞われる場合は韓国自動車産業が大きな打撃を受けることは避けられない」と述べた。
  • 毎日経済_ニューヨーク=チャン・ヨンスン特派員/ソウル=イ・ヂェチョル記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-02-16 09:41:57




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