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ロッテケミカル、北米のエチレン工場が稼働


  • ロッテケミカル、北米のエチレン工場が稼働
  • 米国ルイジアナ州に竣工して、今月中に稼働する動作するロッテケミカルのエチレン・エチレングリコール(EG)工場の全景。 写真提供=ロッテケミカル



ロッテケミカルは約31億ドル(3兆5000億ウォン)を投資した北米のエチレン・エチレングリコール(EG)工場の本格的な商業運転を控え、生産製品の販売先を拡大するために拍車をかけている。おりしも業況も反発の兆しを見せており、収益性改善に対する期待感は高まる気配だ。

6日の関連業界によると、米国ルイジアナ州レイクチャールズにサッカー場150面の広さを持つロッテケミカルのエチレンプラントが試験稼働を終え、来週から本格的に商業生産に突入する。「化学産業のコメ」と呼ばれるエチレンは、プラスチックやゴム、繊維などの石油化学製品を製造する基礎素材だ。

同じ敷地内に建てられたEG工場は、すでに先月から稼動に入った。ロッテケミカルがこの工場に投資した金額は31億ドルに達し、工事だけで5年かかった。国内の石油化学企業の米国に対する投資の中で最大規模だ。

特にルイジアナのエチレンプラントは、原油の代わりにシェールガス(堆積岩層であるシェールに埋蔵されている天然ガス)からエタンを抜きだしてエチレンを作る技術を活用する。これまでのナフサを原料とする方式よりも生産コストが30~40%減少し、原油高になるほど高い競争力を確保できる。国内の石油化学社がシェールガスを活用したプロジェクトに投資する初の事例だ。

ロッテケミカルの関係者は、「北米エチレンプラントの商業運転が本格化すれば、ナフサへの依存度を減らしつつ販売地域を多様化する一方で、規模の経済を通じて競争力が高まることを期待している」と説明した。

米国工場の稼働でロッテケミカルは年間100万トンのエチレンと、これを1次加工した化学繊維素材であるエチレングリコール70万トンの生産能力を確保することになった。このことからロッテケミカルのエチレン生産能力は、国内外の工場をすべて合わせると年間450万トン規模にまで増える。国内はもちろん、アジア企業の中で最も規模が大きく、10位圏外だった世界ランクも一気に7位に飛躍することになる。

市場では米国工場の稼動でロッテケミカルの年間売上げは1兆ウォン、営業利益は2000億ウォンを増えると予想する。関連業界では今回の北米工場の稼動によってエチレンの生産能力が増大すると、2020年までにロッテケミカルは売上げ20兆ウォンと営業利益3兆ウォンを達成するという観測も出ている。

ロッテケミカルは米国の工場で生産されるエチレン製品の販売先を拡大するためにも積極的に努力している。関連業界の関係者は、「ロッテケミカルは現在、米国工場の生産予定量のうち約70%をアメリカ・ヨーロッパなどの取引先と長期契約を結んだ」とし、「残りの物量に対する販路を確保するために、最大の市場である中国、最近は石油化学製品の需要が急速に増加しているインドなどを積極的に攻略するものとみられる」と述べた。

幸いなことに最近、米国と中国の貿易紛争が緩和される兆しを見せるうえに、中国が景気刺激策を打ち出したことで全体的に化学市況も少しずつ改善されている様子だ。

化学業界の関係者は、「米国と中国の貿易交渉が妥結されると、中国が米国産の化学製品に対する関税を下げるだろうし、ロッテケミカルは米国で生産したエタノールの価格競争力がさらに高まるかもしれない」と説明した。

エチレンの業況が好転し、ロッテケミカルをはじめとする国内の石油化学社はひと息ついた形だ。昨年12月の初めには1トン当たり約780ドルまで落ちたエチレン価格は、今月初めに1100ドル台に回復した。昨年の同じ時期の価格と比較すると100ドル以上も及ばないものの、市場ではエチレン価格が底をついて反騰しつつあり、最悪の状況を脱したと見ている。
  • 毎日経済_カン・ドゥスン記者| (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-03-06 20:01:36




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