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サムスン電子とSKハイニックス、サーバ用半導体で危機突破


  • サムスン電子とSKハイニックス、サーバ用半導体で危機突破
  • データサーバ用SSD市場の規模


半導体「スーパーサイクル」が昨年末から鈍化している中で、メモリ(D-RAM・NAND型フラッシュメモリ)業界のリーダーであるサムスン電子とSKハイニックスは、サーバ用半導体市場の攻略に本格的に乗り出した。今年の2月にGoogleが130億ドルを投資して全米にデータセンターなどを構築すると発表したうえ、今月はNVIDIAがデータセンター事業を強化すると明らかにし、グローバルサーバ用の半導体市場は下半期から生き返るという期待感が半導体業界を中心に高まっている。

25日、SKハイニックスは次世代の企業向けソリッドステートドライブ(SSD)の標準に予定された「ZNS SSDソリューション」を開発し、米国で業界初のデモを行った。この製品は米シリコンバレーのサンノゼで開かれた「2019 OCPグローバルサミット」で公開された。

ZNS(Zoned Namespaces)標準はサーバとストレージの効率性を高めようと、大規模のデータセンター企業が提案したデータ管理技術だ。これまでSSDは定められた空間に写真・映像・音楽などのさまざま用途のデータを区別せずに同時に保存するしかなかったのに対し、ZNS SSDは用途や使用頻度の異なるデータをSSD内のそれぞれ別の空間に保存できるようにしたことが特徴だ。それだけにZNS SSDは従来の製品よりも、データ管理の面において効率性が高いというのが半導体業界の説明だ。

SKハイニックスは、「データ使用量が爆発的に増える人工知能(AI)・ビッグデータ時代が本格化し、性能と経済性を備えた超高効率のデータセンターを構築するための業界の動きが活発化している」とし、「ZNS SSDは従来のSSDよりも高速性と信頼性などが30%向上しつつ寿命は4倍以上も伸び、次世代のデータセンターに最適なソリューションだ」と語った。 SKハイニックスはZNS SSDソリューションに対し、年内に技術開発を終えて来年の上半期ころには商用化する方針だ。

サムスン電子は21日、米国カリフォルニア州で開催されたNVIDIA主催のグラフィック半導体(GPU)技術カンファレンスで「HBM2E規格DRAM」を電撃公開した。 HBM2E DRAMはAIサーバとグラフィックスカード用の高性能メモリ半導体だ。

サムスン電子が今回公開したDRAMは、半導体素子を立体に積み上げてデータ転送の帯域幅を高めたことが特徴だ。特にこれまで公開した関連製品に比べて最大容量を2倍近くに増やし、データ転送速度を1秒あたり最大410ギガバイトを実現し、従来比2倍の速度になった。ただしサムスン電子は本格的な量産時点は公表しなかった。しかし半導体業界ではサムスン電子が今後、サーバとAI、グラフィックカード企業を相手に積極的に攻略に乗り出すと予想している。また業界ではサムスン電子が主な顧客であるNVIDIAとAMDにもこの製品を供給することを想定している。市場ではサーバー用半導体市場を中心に、半導体景気が徐々に回復するものと期待している。

新韓金融投資のチェ・ドヨン研究員は、「第3四半期から大規模なインターネットデータセンター企業からサーバー用DRAMの注文再開情況がキャッチされた」とし、「DRAMの業況は第2四半期のモバイルDRAMの基底効果、第3四半期のサーバ用DRAMの大規模な注文再開などで本格的にターンアラウンドするだろうと期待する」と説明した。サーバー用DRAMは2016~2018年上半期の半導体超好況を導いた製品としてあげられる。グーグルやフェイスブック、アマゾンなどがAI時代に合わせて大々的にデータセンターを構築し、これと関連してDRAMはもちろんNAND型メモリなどを大量に購入している。

サーバー用半導体に対する需要が高まり、DRAMだけでなくストレージ装置であるSSD市場の規模も成長すると見られる。市場調査機関のIHSマークィットはSSD市場は2018年の324億ドルから、2022年には518億ドルに年平均12.5%成長すると予測した。特にこの中でデータセンターを中心にしたエンタープライズSSD市場は、同じ期間に189億ドルから339億ドルに増加すると予想した。

半導体業界は昨年末から本格化したメモリー半導体の需要減少と価格下落で、業績に大きな打撃を受けている。世界の大型情報技術(IT)企業の投資縮小によってサーバ用半導体の需要が急減した点が、半導体の業況悪化の最大の原因としてあげられる。グーグルやアップル、アマゾンやMSなどは昨年、コンテンツ事業の成長が不振になり、株価も大幅の下落を見せたことからデータサーバへの投資を縮小した。

しかし今年からはIT企業のコンテンツ事業拡大の兆しが見えている。ブルームバーグとウォールストリートジャーナル(WSJ)によると、グーグルはゲームストリーミング事業への進出を発表し、速度遅延の問題を解決するためにデータサーバへの投資を積極的に拡大すると発表した。 MSもグーグルと似たような形のゲームストリーミングサービス事業を準備しているだけに、データサーバへの投資を徐々に増やす可能性が高いという分析だ。

サムスン電子とSKハイニックスは、サーバ用半導体分野での技術力は外国の競合他社をリードしているという評価を受けており、世界のIT企業のコンテンツ事業の拡大とサーバーに対する投資拡大にともなって最大の恩恵を見るだろうと期待される。
  • 毎日経済_イ・サンドク記者/ヨン・ファンヂン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-03-25 17:33:02




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