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サムスン電子、「8Kテレビ」で高級テレビ市場の版図拡大ねらう


  • サムスン電子、「8Kテレビ」で高級テレビ市場の版図拡大ねらう

サムスン電子は米国最大の家電流通会社(量販店)「ベストバイ」の1000カ所あまりの店にプレミアムQLED 8K(UHD/4Kの4倍の解像度)テレビを展示・供給するなど、製品需要と底辺拡大に総力を傾けている。

また来る6日から11日まで米国ラスベガスで開催される世界最大の放送機器展示会を通じて、今年の初めにパナソニックやハイセンスなどで構成された8K協議体の最初の総会を開き、技術・テレビ・コンテンツの拡散のための協力方案を議論する。

今年から8Kテレビ製品の発売が本格的に開始されただけに、すばやく需要を育てて市場を先取りし、「プレミアムテレビ」市場での影響力をさらに高めるという戦略として解釈される。

1日の電子業界によると、サムスン電子は2019年型QLED 8Kテレビをベストバイ全店に供給・展示する作業を完了した。

2019年型8Kテレビは2月末に米国でオンライン販売され始めたが、ひと月で米国全土のオフライン売り場に配置されるわけだ。ベストバイの店舗は合計1000カ所あまりあるが、このうち300カ所は高価な最新プレミアムテレビを紹介するショップインショップ(Shop in Shop)である「マグノリア」を備えている。サムスン電子の8Kテレビは300カ所のマグノリアに供給され、マグノリアのないベストバイ店舗では一般的な店頭に展示された。

サムスン電子が出荷した2019年型QLEDテレビは8K(98・82・75・65インチ)と4K(85・82・75・65・55・49インチ)などだ。サムスン電子は昨年、ベストバイ店舗で4Kテレビを主に展示してこれを主力に押し出したが、今年は8Kテレビに展示スペースを多く割いた。

ベストバイは北米の家電小売店の中では最も大きな影響力を誇る店の一つで、メーカーの競争が激しく展開することから「電子製品の戦場」と呼ばれる。特にいままさに市場が開かれる段階であるプレミアムテレビがベストバイ全店に置かれるのは異例だというのが業界の分析だ。

また、サムスン電子がオンライン販売開始から1カ月で米国全土のベストバイ店舗に商品を納品したことも、例年に比べて迅速だという評価が出ている。それだけサムスン電子が8Kテレビ市場の拡大に全力を傾けており、流通会社であるベストバイも8Kテレビの成長可能性に注目しているものと解釈される。

サムスン電子の関係者は、「8Kテレビ市場は今年から本格的に開くると思えるが、消費者がこれを体験して需要・市場を成長させることが重要」だとし、「市場を育てながら主導権を先取りすると、今後のプレミアムテレビ市場での影響力をさらに高めることができると思う」と述べた。

サムスン電子は今年、QLED 8Kテレビの出荷国を60ヶ国以上に増やす計画だ。昨年は2500ドル以上の高価テレビ市場で、サムスン電子は44.3%で1位を記録しており、ソニー(26.2%)がその後に続いている。

8Kテレビは現在、主流の製品である4K(画素数3840×2160)よりも画質が4倍鮮明で、「夢の画質」として期待を集めている。今年の初めにラスベガスで開催された世界最大の情報通信技術(ICT)展示会「CES 2019」で、サムスン電子とLG電子(韓国)、シャープとソニー(日本)、ハイアールとTCLおよびチャンフン(中国)など、10社以上の企業が8Kテレビを展示した。市場調査会社のIHSマークィトによると、世界的な8Kテレビの販売台数は今年の33万8000台から2022年には503万3000台まで増加すると見られる。

8Kテレビ市場拡大の最も重要な課題はコンテンツと生態系の拡散などだ。まだコンテンツ・プラットフォームが不足だという評価と、消費者が十分に体験できないことから市場の拡大が遅くなっているという指摘が出ている。

これにより、サムスン電子はCES 2019を通じて8K技術・コンテンツ・エコシステムを拡大するためにパナソニックやハイセンス、TCLなどと一緒に8K協議体の「8Kアソシエーション」を構築した。

8K協議体はラスベガスで開催される放送機器展示会「NAB(アメリカ放送事業者協会)ショー2019」で最初の総会を開催し、協力方案を論議する計画だ。特にサムスン電子のチョン・ガンウク副社長が8K協議体の最初の会長を務め、協力を主導する計画だ。

現在、8K協議体はテレビメーカーとディスプレイメーカーの一部が参加しており、サムスン電子などがメンバーを増やすための作業を行っている。長期的にはテレビメーカーだけでなく、ネットフリックスやアマゾンなどのコンテンツ・プラットフォーム企業も参加させることがこの協議体の目標だ。

サムスン電子はコンテンツ不足の問題を緩和するために、人工知能(AI)画質エンジン「クォンタムプロセッサAI」を新製品などに搭載した。クォンタムプロセッサAIは低解像度の映像を8Kと4Kレベルの高画質に変換し、シーンに合わせて音を調節して最適のサウンドを作り出すというのが同社の説明だ。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-04-01 17:49:00




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