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韓国防衛産業、東南アジア・中東に活路もとめる

政府予算に依存する厳しい内需から 

  • 韓国防衛産業、東南アジア・中東に活路もとめる

内需の不振で苦しんでいる国内の主要な各防衛産業は、東南アジアや中東などの海外市場を積極的に攻略して突破口さがしに力を入れている。

4日の防衛産業界によると、韓国航空宇宙産業(KAI)やハンファ防衛産業の系列会社など国内の主要な防衛産業は、地域情勢の不安などで軍事支出が増えている東南アジア・中国・欧州・ロシアなどに対抗して激しい受注競争を繰り広げている。

これと関連して韓国の防衛産業は先月、マレーシアのランカウイで開かれた国際海洋・航空展覧会「LIMA 2019」に展示館を設けて市場開拓に乗り出して関心を集めた。今年で15回を迎えたLIMA 2019は、東南アジア諸国をはじめとする36カ国555社が参加する海洋・航空分野の大規模な国際防衛展示会だ。

今回の展示会で「FA-50軽攻撃機」「スリオン機動ヘリコプター」「KT-1基本訓練機」を展示したKAIは金照源(キム・ヂョウォン)KAI社長が乗り出して、会場を訪れたマレーシアのマハティール・ビン・モハマド首相をはじめ国防総司令官や空軍司令官などの主要な意思決定者と面談するなど、FA-50のマレーシアへの輸出事業に直接乗り出して目を引いた。

FA-50はすでにインドネシアとフィリピンやタイなどに64機(29億ドル規模)が輸出された機種で、現在は36機規模の高等訓練機と軽戦闘機(LCA)の獲得事業を推進している、マレーシア空軍も大きな関心を見せていることが伝えられた。KAIは今年初めにマレーシアへ「FA-50」の提案書を提出しており、パキスタンと中国の合弁による「JF-17」やインド製の「Tejas(テジャス)」やイタリア製「M346」、ロシア製「Y-130」などと競合している。

ハンファディフェンスとハンファシステムなどハンファ系列の防衛産業企業も今回の展示会に参加して、東南アジア地域をねらった防衛産業エレクトロニクスや地上兵器システムの代表的製品と技術力を重点的に公開した。

特にハンファは大韓民国海軍の主要な艦艇に搭載されて性能が証明された艦艇戦闘システム(CMS)と、国境・沿岸地域の効果的な監視と迅速な対応が可能な統合モニタリングシステムソリューションを公開して人目を引いた。統合監視システム部門では、高解像度の昼間・赤外線カメラを搭載した遠距離昼夜観測用クォンタムアイ、車両・艦艇搭載型の電子光学追跡装置、携帯型の多機能観測計も公開した。

2006年にインドネシアにVHF無線機を納品し、東南アジア輸出の道を開いたLIGネクスワンは、誘導兵器とレーダーを前面に出して「軍の近代化」に乗り出した東南アジアへの進出を本格化している。

ハンファ・KAI・LIGネクスワンなど国内の主要防衛産業は、昨年2月にもアラブ首長国連邦(UAE)アブダビで開かれた「IDEX 2019」に参加し、中東諸国を対象にマーケティング活動を繰り広げた。中東では「オイルマネー」を土台に国防強国を標榜するサウジアラビアをはじめ、UAEやカタールなどが主な輸出先としてあげられる。特にサウジアラビアは2017年の時点で米国(6100億ドル)と中国(2280億ドル)に次いで国防費の支出で世界3位(694億ドル)を記録し、主要な防衛市場として注目されている。

韓国防衛産業界の関係者は、「中東地域は国内防衛産業企業の売上げに占める割合がますます高くなり、重要な市場として浮上している」とし、「購買力の高い顧客が多く、中国などの競争国との受注競争はますます激しくなっている」と述べた。

韓国防衛産業界が海外市場に目を向けているのは、(自分の意志でもあり、他に事情もある)「自意半他意半」だという指摘だ。政府予算に依存するしかない国内市場の脆弱なマージン構造、防衛産業企業に不利なコスト算定などの難しさのために海外市場の開拓が唯一の活路とされているという説明だ。

防衛産業界の関係者は、「内需は防衛産業のコスト算定基準にしたがって売上げ総利益率が10%前後に制限されているのに対し、輸出は国との交渉を通じて価格が決定されることから高マージンを期待することができる」とし、「韓国の防衛産業企業としては、海外の新市場開拓により注力するしかない状況だ」と述べた。
  • 毎日経済_カン・ドゥスン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-04-04 20:11:06




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