韓国、イラン産原油が輸入禁に…化学業界に赤信号

米国の対イラン制裁措置 

米ドナルド・トランプ政府が韓国を含む8カ国に一時的に適用した対イラン制裁の例外措置を、これ以上延長しないことにした。これによって韓国企業はすぐさま来月2日以降はイラン産のコンデンセートの輸入が困難になる見通しで、需給に赤信号が灯った。コンデンセートは石油化学製品の基礎原料として使われるナフサを生産するために必要な超軽質油だ。

ベネズエラ産の原油輸出が遮断されたことに続いてイラン産原油まで取引できなくなる可能性が大きくなり、国際原油価格は6ヶ月ぶりに最高値になった。

ワシントンポスト(WP)をはじめとする現地メディアは21日(現地時間)、米国国務省の関係者を引用して、トランプ政府はイランを強く圧迫するために来月から例外のない全面制裁を発動するだろうと報道した。

米国は昨年5月にイランとの核協定(JCPOA)を破棄し、同年8月からイランとの貿易を行う第3国に対する制裁を課すことにした。特に昨年11月5日に断行した2次制裁を通じて、原油はもちろん中央銀行との金融取引きも禁止した。

ただし韓国・日本・トルコのなど8カ国に限って、イラン産原油の制限的な輸入を6ヶ月のあいだ可能にした。 8カ国のうちでギリシャとイタリアや台湾の3カ国は、すでにイラン産原油の輸入をゼロとされたことに対し、残りの5カ国は一部の量を輸入している。

米国政府が友好国の延長要請まで許さないことにしたのは、決死的抗戦を固守しているイランに対する制裁の手綱をさらにきつく握るという意味だ。米国は今月初め、イラン革命防衛隊を外国正規軍の中で初めて「テロ支援組織」に指定するなど、圧迫を強化してきた。また今年の国際原油需給状況は昨年よりも改善されたということが米国政府の主張だ。

しかし、これまで例外を認められた中国やインドなどが反発するとみられるうえ、国際原油価格が急騰する可能性まで高まり、トランプ政府も補完策を整えるところに苦心することが予想される。

いったん米国はサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などの、親米性向の産油国を通じて原油供給量の拡大を誘導する方針であることが伝えられた。また既存の例外国に対しては、輸入先を代替する若干の時間的余裕を与える可能性もあると伝えられた。

しかし韓国がイランに年間輸入量の50%以上を依存してきたコンデンセートの場合、カタールや豪州、ロシアなどの一部の国だけが生産しており、輸入先を代替することは容易ではないことが問題だ。コンデンセートは天然ガスに混じって出てくる超軽質油であり、これを加工することで石油化学製品の基礎原料となるナフサを得ることができる。

一般的な原油からのナフサの平均生産比率が20%にとどまる一方で、イラン産コンデンセートは70~80%まで可能であることから収益拡大に有利だった。昨年11月、米国のイラン産原油に対する制裁復元措置でも180日間の一時的免除措置を受けた国内各企業は今年に入って輸入を再開し、3月末までに2076万4000バレルのイラン産コンデンセートを輸入した。企業別では、SK仁川石油化学が822万7000バレルで最も多く、ハンファトータル(829万2000バレル)と現代ケミカル(424万5000バレル)などが続いた。

現在、イラン産コンデンセートの価格は他の地域のコンデンセートと比較して、バレルあたりで少なくとも2~3ドルほど安い。再び輸入に歯止めがかかって市場に流通するイラン産コンデンセートの量が減る場合、コンデンセート価格が上がって最終的には国内の石油化学業界の収益性悪化が懸念される。国内の石油化学業界の関係者は、「イラン産の超軽質油は価格が比較的安く、国内の石油化学メーカーの依存度が高かったのは事実」だとし、「カタールやロシア、ノルウェーなどの代替市場があるが、価格がより高いためにイラン産の輸入が禁止されると超軽質油の価格は上がるしかなく、国内の石油化学企業のコスト競争力の弱体化にともなう収益性低下につながる可能性が高い」と述べた。

米テキサス州産の超軽質油も代替として議論されているが、価格競争力はもちろん、品質と工程の適合性などのさまざまな面でイラン産をすぐさま代替することは難しい。精油業界の関係者は、「イラン産超軽質油に対する依存度を下げるために、国内の製油所・石油化学業界が米国産超軽質油を導入し、さまざまな実験を進めているが、米国産超軽質油はイラン産に比べてナフサの収率が低いだけでなく、輸送費も高くてイラン産コンデンセートを完全に置き換えることは難しい」と説明した。

一方で22日0時(現地時間)現在、米国ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で5月渡しのウエスト・テキサス・インターミディエ(WTI)は、前の取引日の終値よりも2.33%上がったバレル65.49ドルで取引された。昨年12月に記録した52週間での最安値(42.36ドル)に比べると約55%上昇した。これは昨年末に原油価格の急落により、石油輸出国機構(OPEC)がならんで減算したうえに、米国がベネズエラ産原油の輸入を禁止した影響だ。国際原油価格だけでなく、米国内の一般的な原油の消費者価格も21日の時点でガロンあたり2.84ドルを超えるなど、急騰傾向という点はトランプ政府の政治的負担になる可能性が大きい。
  • 毎日経済_ワシントン=シン・ホンチョル特派員/ソウル=カン・ドゥスン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-04-22 20:09:48