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疾走する現代自動車…リマック社に1千億投資


  • 疾走する現代自動車…リマック社に1千億投資
  • 鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車グループ首席副会長(左)が13日(現地時間)、クロアチアの高性能電気自動車開発業者「リマック・アウトモビリ」への戦略的投資を決定した。 写真提供=現代自動車グループ



「1900馬力・1.8秒で時速100㎞に達する」。クロアチアの電気自動車開発会社「リマック・アウトモビリ(Rimac Automobili)」は昨年、ジュネーブモーターショーで内燃機関のスーパーカーを圧倒する高性能電気自動車(C_Two)を公開して世界を驚かせた。

炭素繊維の車体と各車輪に強力なモーターを装着して、ブガッティやランボルギーニなどの既存スーパーカー製作会社の技術力をはるかに上回っている。 2009年にスタートアップとして始めたこの会社は、わずか10年でこのような技術の成果を確保した。

鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車首席副会長がこのように世界最高水準の高性能電気自動車技術力を確保したリマック・アウトモビリ(リマック)と手を組んだ。両社間の技術のコラボレーションにより、現代・起亜自動車が未来の高性能電気・水素自動車市場で「ゲームチェンジャー」になれる土台を整えたわけだ。

現代・起亜自動車は14日、「クロアチア高性能電気自動車メーカーのリマックに8000万ユーロ(約1067億ウォン)の投資を断行し、高性能電気自動車の開発のために相互に協力することにした」と明らかにした。今回の投資契約で現代自動車は総6400万ユーロ(約854億ウォン)、起亜自動車は1600万ユーロ(213億ウォン)を分担することが分かった。

またチョン首席副会長が最近、直接クロアチアのザグレブに移動して13日(現地時間)にリマック本社で投資・戦略的事業提携契約に署名した。

先だってチョン首席副会長はインドの「Ola(オラ)」、東南アジア「グラブ」などのモビリティ市場の先取りのために、地域の革新的な企業と戦略投資を断行してきた。ところが今回は全世界の自動車メーカー間の電気自動車の競争で圧倒的な成果を出しているクロアチアの小規模企業を訪問し、1000億ウォンを超える果敢な賭けを行ったわけだ。

13日の署名式でチョン・ウィソン首席副会長は、「リマックの高性能車に対する消費者ニーズを満たし、当社のクリーンモビリティ戦略のための最高のパートナー」だとし、「多様なグローバルメーカーともプロジェクトの経験が多く、当社とさまざまな業務領域をともにすることができるだろう」と期待した。また、「リマックはスタートアップから始めて活力あふれる企業文化を持っており、私たちと接ぎ木されるとさらに多くの相乗効果を創出することができるだろう」と強調した。

これに対してリマックの設立者であるマテ・リマック最高経営責任者(CEO)は、「われわれは現代自動車グループの迅速かつ果敢な推進力と未来のビジョンに対する深い印象を受けた」とし、「今回の協力で3社(リマックと現代・起亜自動車)はもちろん、顧客の価値の最大化を創出するものと確信している」と、今回の戦略投資とコラボレーションを評価した。

リマックは2009年、当時21歳の青年だったリマックが設立した会社で、現在は高性能ハイパー電動型システムとEVスポーツカーの分野で独歩的な強者として位置づけられている。

2016年にリマック社が開発した「C_One」は400メートル直線を高速で走るドラッグレースで、そうそうたる高性能電気自動車を抜いて優勝をおさめ、全世界の自動車メーカーの注目を浴びた。昨年、ジュネーブモーターショーで公開された「C_Two」もゼロ100で1.8秒を実現し、モーターショー最高の車として興味を集めた。

現代自動車の前に独ポルシェグループが戦略投資を断行し、コラボレーションを進めている。アジアの自動車メーカーでは現代・起亜自動車とのコラボレーションが初めてだ。このように厳しい目線のリマックとコラボレーション関係を作るために、チョン首席副会長は数ヶ月のあいだかなり念を入れたことが分かった。

リマックと技術協力を通じて現代・起亜自動車が狙う目標は、将来の高性能電気・水素自動車市場で「ゲームチェンジャー」で跳躍するものだ。

リマックは△モータ、減速機、インバータなどで構成された高性能電気自動車用パワートレイン、△車両制御と応答性向上のための制御技術、△バッテリーシステムなど、高性能電気自動車の主要分野で他の追随を許さない独自の技術力を備えているという評価を受けている。

量産型電気自動車のモデルに最適化した現代・起亜自動車の電気自動車用パワートレインシステム技術に、リマックの革新DNAが投入されうる道が開かれたわけだ。

グループの関係者は、「現代・起亜自動車も自主的に高性能電気自動車分野での先行段階の研究開発(R&D)を進めているが、今回のリマックとの協業で、より迅速に高性能電気自動車技術を電動型車両に移植することができるだろう」と説明した。

電気自動車のモデルは高性能の自動車市場でもエコカー性を備え、持続可能な成長可能性を持っているという評価を受けている。完成車業界によると、一般的で純粋な電気自動車市場が全世界で2014年の13万4000台から昨年は94万2000台に成長した中で、同じ期間に高性能電気自動車は4万5000台から25万4000台に、平均57%成長してきた。

また現代自動車が独自の技術力を持つ水素電気自動車の分野でも、リマックの強力な高性能DNAが結合して、日本のトヨタと中国の水素電気自動車の後発企業を振り落とす重要な起爆剤になるだろうという観測だ。

これに対してトーマス・スィミエラ現代・起亜自動車商品本部長は、「現代・起亜自動車は単によく走る車を超えて、すべての顧客が夢見る高性能車を開発するために最高の能力を集中している」と強調した。
  • 毎日経済_イ・ヂェチョル記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-05-14 18:29:16




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