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SKイノベーション「ハードな革新」

バッテリー生産規模を現在の20倍に 

  • SKイノベーション「ハードな革新」

「2025年までに電気自動車用バッテリーの生産規模を現在の20倍の100ギガワット時レベルに拡大し、グローバルトップ3に進入する」。

キム・ジュンSKイノベーション総括社長は27日、ソウル市光化門のフォーシーズンズホテルで開かれた記者懇談会で、「2025年までに企業価値を50兆ウォンに拡大する一方で、バッテリと素材、化学などの新成長事業資産の割合を現在の2倍の60%水準に増やす」と述べた。キム社長は「環境にやさしいビジネスモデルを開発し、精油などの既存事業の環境のマイナス価値を相殺するグリーンバランス戦略で社の成長を牽引していく」と付け加えた。

キム社長は「幸せな未来のための強い革新」というテーマの成長戦略発表で、「2017年から進めてきたディープ・チェンジ2.0経営の結果、石油と化学、潤滑油、石油開発事業(E&P)などの既存事業で新たな投資を断行し、バッテリーおよび素材と関連しては積極的にグローバルな展開を推進する成果を出した」と言いながらも、「この程度では今後の幸福な成長を持続できないだけに、ハードに革新する努力が必要だ」と強調した。

これと関連してSKイノベーションは、企業の将来の事業であるバッテリー事業の技術競争力の強化に邁進する方針だ。

世界初で次世代バッテリーの核心技術である「NCM9½½」の早期商用化し、グローバルな自動車メーカーに供給する計画だ。この技術はニッケル・コバルト・マンガンの割合をそれぞれ90%、5%、5%に、エネルギー密度を最小670Wh/リットル以上のバッテリーの陽極材を使うことで、1回の充電で500キロメートル以上を走れることができる。SKイノベーションはこのような技術開発と生産競争力を土台に、現在の430GWhの受注残高を2025年の時点で700GWhに拡大するという目標を立てた。

キム社長は一歩を進めて、現在は電気自動車用バッテリーにとどまっている事業領域を、バッテリーの全てのバリューチェーンに拡張する計画も明らかにした。

キム社長は「バッテリーを新しいサービスプラットフォームにする戦略であるBaaS(Battery as a Service)を、電気自動車メーカーなどのさまざまなビジネス・パートナーと協力して構築したい」とし、「これによって顧客に差別化されたサービスを提供することで、eモビリティ分野で新しいビジネスモデルを構できるだろう」と述べた。これとともに、現在のバッテリー事業の主要需要先である電気自動車に加え、航空や海洋、産業用などさまざまな分野での世界的な事業者とのコラボレーションモデルを作ることにした。

キム社長はバッテリーを自動車価格にすべて反映する代わりに、レンタルあるいはリース方式にするとすると価格面でかなりの競争力を持つことができると思う」とし、「消費者の立場では価格が下がり、完成車メーカーとしてもコスト削減に役立つ可能性がある」と述べた。キム社長はバッテリーを再収集して再利用したりリサイクルすることによって、生態系にも一助となることができるものと見込んでいる。

エネルギー貯蔵装置(ESS)事業にも本格的に進出する。キム社長は「産業用や住宅などに細分化された市場特性に合わせてバッテリーを開発し、安全で効率的なESSシステムを提供することにした」とし、「仮想発電所やエネルギー管理システム(EMS)、エネルギー保存などのさまざまな後方ビジネスモデルも開発し、総合的なエネルギーソリューションを提供していく方針だ」と強調した。バッテリー分離膜(LiBS)事業は、いま推進中にある中国とポーランドのほかに追加で生産設備を拡充し、2025年までに年間25億平方メートル以上の生産能力を大きくして市場シェア30%を達成する方針だ。

キム社長は最近、LG化学が重要な技術侵害の疑いで米国国際貿易委員会(ITC)とデラウェア地方裁判所にSKイノベーションを相手に訴訟を提起したことと関連しては言葉を慎んだ。キム社長はこの日の懇談会で訴訟について尋ねた質問に「今日のこの席は成長戦略に関連する部分を説明する席で、答えるには適切ではない」と言いながらも、「立場は報道資料を通じて何回か伝えたし、今後も円満にうまく解決するようにしたい」と述べた。続いてキム社長は、「まだ内部構成員の大きな動揺はなく、顧客社が心配する部分がないようにしっかりと対応する」と付け加えた。

とは言え、キム社長は電気自動車用バッテリーの需要が急成長している時点で、力量を集中できない状況に対する懸念を示した。キム社長は「いまはバッテリー業界自体が本格的に成長している時点であるうえに、中国と欧州などで自主的にバッテリー業界を育てようとする状況」だとし、「グローバルな競争力が強くなる状況で力を集中し、市場を先導的にリードするべきところなのに残念と思う」と述べた。

SKイノベーションは成長事業に加え、既存の主力事業である石油と潤滑油、E&P事業などに関連しては、2017年に提示したグローバル市場拡大戦略を継続的に展開する計画だ。キム社長は「現在は25%水準であるグローバル資産の割合を、2025年までに65%に増やすつもり」だと明らかにした。石油事業はグローバル戦略を中心に、技術とグリーン戦略を並行することにした。このために成長率の高い東南アジア地域を中心に、石油製品の販売店を拡大していく方針だ。
  • 毎日経済_カン・ドゥスン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-05-27 21:26:19




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