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韓国バイオに翳り…「インボサ」許可取り消し

コーロン生命科学の変形性関節症治療薬 

  • 韓国バイオに翳り…「インボサ」許可取り消し

◆ 「インボサ」許可取消のショック ◆

世界初の変形性関節症の遺伝子治療薬として承認を受けたコーロン生命科学の「インボサ(Invossa-K Inj)」がけっきょく市場から退出した。去る3月31日、インボサに無許可の細胞が混入していたことが明らかになり、販売中止になってから2カ月ぶりにインボサに対する許可取消決定が下された。

28日、食品医薬品安全処は「インボサの主成分のひとつである形質転換細胞が、許可当時(2017年7月)の提出資料に記載された軟骨細胞ではなく腎細胞として確認され、製造者のコーロン生命科学がこれ隠したまま虚偽のデータを提出して許可を受けた」とし、「本日インボサに対する品目許可を取り消し、コーロン生命科学を刑事告発する」と明らかにした。

食薬処は先月から施行した独自の試験検査とコーロン生命科学側が今月中旬に提出した追加資料、先週に実施した米国コーロンティシュジン(Kolon TissueGene、コーロン生命科学の子会社)に対する現地調査の内容などを総合的に検証して許可取り消しと撤退を下した。

許可取り消しの核心的根拠である虚偽資料の提出について、食薬処は「コーロン生命科学の国内研究所の現場調査の結果、同社はインボサの許可当時に虚偽の資料を提出しており、今回の米国コーロンティシュジンに対する現地調査の結果からも、コーロンが許可直前に追加で確認された主要事実を隠したまま提出しなかったことを確認した」と述べた。また食薬処は事法違反の疑いで、コーロン生命科学に対する刑事告発も進めることにした。ただし食薬処は「告発対象は法人ではなく、コーロン生命科学とティシュジン法人の事業者(代表取締役)になるだろう」と説明した。

この日、食薬処の発表で「インボサ」は市場から退出し、コーロン生命科学を筆頭にバイオ産業を新たな成長動力として育成しようとしていたコーロングループにもブレーキがかかった。インボサを除けば市販されていたり、最終的な開発を控えた新薬が全くない状態で、コーロングループがバイオ産業を持続することは難しいからだ。特に許可取り消しをきっかけに、インボサを処方された患者と株主による大規模訴訟の提起が相次ぐだろうとみられ、コーロングループのバイオ事業を主導するコーロン生命科学の回復は難しくなるだろうという分析も出ている。

コーロン生命科学は食薬処の発表に対し、納得できないという公式立場を出した。コーロン生命科学は、「17年前の新薬開発に乗り出したコーロンティシュジンの開発初期段階の資料が現在の基準では不足している点があり、結果的に品目許可提出資料が完璧ではないなかった」としながら「操作または隠蔽の事実はなかった」と主張した。

インボサの許可取消決定に患者と株主の訴訟もさらに増える見通しだ。すでに一部の患者が集団損害賠償訴訟に入ったし、株価下落の損失を被った株主らも訴訟をねらっている。

今回の事態は国内バイオ産業に投げる衝撃波も小さくない見通しだ。韓国製薬バイオ協会は、「どのようなケースでも薬の使用は安全性と有効性に基づいているべきである」とし、「今回の事態が製薬産業に対する信頼の問題につながらないことを望む」と述べた。
  • 毎日経済_キム・ビョンホ記者/ソ・ジヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-05-28 18:18:20




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