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墜落した韓国の輸出…貿易黒字60%減

輸出が6カ月連続でマイナス 

半導体と対中国輸出が最悪の不振を見せて、韓国全体の輸出も6カ月連続のマイナスを記録した。米・中貿易紛争が激しくなりながら、輸出の寒波は長期化するのではないかという懸念が高まっている。特に経常収支の赤字が現実化された状況で、唯一の支えである貿易収支も赤信号が点灯し、政府も非常事態になった。

2日の産業通商資源部によると、5月の輸出は459億1000万ドルを記録し、前年同期比で9.4%減少した。

昨年12月(-1.7%)から始まった輸出の「マイナス行進」は、今年4月(-2.0%)にマイナス幅を減らして反騰のきっかけをつかむようにみえたが、今回ふたたびくずれた。そのうえ5月の減少幅は2月(-11.4%)の二桁ダウン後の3ヶ月ぶりに最も大きな幅で、下半期の輸出反騰への期待感をますます弱くさせている。輸出が6カ月連続で減少したのは、2015年1月~2016年7月の19ヶ月連続のマイナスを記録した後では初めてだ。輸出の量は2カ月連続で増加したが、輸出単価が1月(-13.2%)以来で4カ月ぶりに再び二桁(-10.0%)に急落し、全体の輸出額を低下させた。

産業省貿易部のパク・テソン投資室長は、「2月から輸出減少が鈍化したが、米・中貿易紛争が深刻化しており、輸出の改善傾向に否定的な影響を与えた」と説明した。

特に輸出の割合が20%を超える半導体で、1年前よりも30.5%も輸出が減った。 2009年3月(-38.0%)以来の10年ぶりに最悪の成績だ。半導体輸出の二本の柱であるDRAMとNAND型フラッシュメモリの価格が、それぞれ57.3%と24.6%も暴落したからだ。

グローバルな各情報技術(IT)企業のデータセンターの在庫調整が続いているうえに、第5世代(5G)移動通信が本格化にもかかわらずなかなかスマートフォンの需要が生き返らないことも理由だ。

不振の半導体輸出の空白を埋める主力品目も、いまだに反発のきっかけを整えられずにいる。

13大主力品目の平均輸出増加率は、先月は-12.1%を記録した。半導体はもちろん、石油化学と鉄鋼やディスプレイなど、10個品目で前年同期との対比でマイナスを記録し墜落した。輸出の3分の1を占める最大市場の中国は、米・中貿易紛争の余波で悪化の一途をたどっている。対中国輸出は20.1%減少し、昨年11月から7ヶ月めのマイナスを記録した。去る1月(-19.0%)以来は下げ幅を縮めていた対中国輸出だが、4ヶ月ぶりに再び大きな幅で減少した。特に先月の減少幅は2016年1月(-21.5%)以来の、3年4ヶ月ぶりに最大だ。問題は半導体景気の回復時期がますます遅れているということだ。最近では下半期になると輸出が回復するという言葉もすがたを消したほどだ。

産業部の関係者は、「当初は下半期の反発を展望していた半導体業界で、今年末の回復に自信を持てないでいる」とし、「今年一年の輸出に非常に否定的な影響を与えるものと見られる」と憂慮した。

淑明女子大のシン・セドン経済学科教授は、「半導体の不振が続いており、米・中の貿易紛争は世界経済の低迷につながることを示し、下半期にも輸出がプラスに転じる可能性は小さく思える」と展望した。

貿易収支もしだいに不安になっている。先月の貿易収支は22億7000万ドルの黒字を記録した。前年比での減少幅は63%にのぼる。去る1月(11億4000万ドル)以来の4カ月ぶりに、最も少ないレベルで辛うじて黒字を維持したわけだ。最近、政府が4月の経常収支の赤字を公けに認め、今後の貿易収支の動きにも関心が集まっている。海外旅行をはじめとするサービス取引(貿易外収支)を含む経常収支の赤字が現実化した状況で、純粋な商品の輸出入もいまや赤字を心配することになった。

黒字基調という「堤防」が決壊すると、対外的に「セル・コリア」を煽ることになるという懸念も出ている。

延世大のキム・ジョンシク経済学科教授は、「最近に外国為替市場が波打つことは、経常収支の赤字可能性を懸念して資金が抜け出たため」とし、「景気低迷が続く中で経常収支の赤字までかさなれば、韓国経済は手に負えないほど崩れることになる」と憂慮した。
  • 毎日経済_イム・ソンヒョン記者/チェ・ヒソク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-06-02 22:33:55




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