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半導体の不振を埋める「電装用MLCC」…サムスン電気

「3年以内に世界トップ2に」 

  • 半導体の不振を埋める「電装用MLCC」…サムスン電気

去る13日に訪れたサムスン電気「積層セラミックコンデンサ(MLCC)」釜山工場。入口に入るとすぐさま新築工事が真っ最中の、電装用MLCC新原料棟の建物が目に入った。サムスン電気は、MLCCに使用される主要原料を直接作る世界的にも数少ないメーカーの一つであり、来年上半期の自動車電装向け新原料棟の稼動に入る計画だ。

積層セラミックコンデンサ(MLCC)は「産業のコメ」と呼ばれる重要な電子部品で、半導体部品に必要とされる電気を保存・供給する役割を果たす。情報技術(IT)製品に採用される最小のMLCC部品は、米粒の250分の1の大きさに過ぎない。大半の電子製品に必須で入っており、最新のスマートフォン1台にはMLCCが約1000個必要だ。サムスン電気は日本の村田製作所に続いて、世界第2位を占めている。サムスン電気は電気製品に続いて2022年までに、電装用MLCC市場でもグローバル「トップ2」に上がるという目標を立てた。

この日、サムスン電気釜山事業場で会ったコンポーネント電装開発グループ長のチョン・ヘソク常務は、「全体の売上げで電装用MLCCが占める割合は、今年は10%を目標としている」とし、「2024年までに売上げのうち30%が電装用MLCCから出てくるだろう」と説明した。

自動車電装用MLCCがMLCC市場全体の成長を主導する分野として選ばれて、サムスン電気もこの市場にかなり力を入れている。現在、電装用MLCC市場は村田製作所とTDKなどの日本企業のシェアが圧倒的だ。サムスン電機は2016年に電装用MLCCの初量産に突入して、ヨーロッパ・中国などの主要自動車メーカーとの取引でシェアを徐々に増やしている。サムスン電気が釜山事業場に造成し、今年から稼動に入った第5工場も電装向けに運営されている。

MLCCはセラミックとニッケルを交互に重ね合わせる構造で、どのように多くの層を薄く積み重ねるかが核心だが、原材料にどんな物質を添加するのか、その添加量をどれくらいにするかなどのノウハウが競争力を左右する。

釜山工場の新原料棟は、現在稼働中の第1・2棟に続く第3の原材料棟で、これを通じて原材料の内在化率を業界最高レベルに引き上げるという計画だ。

現在、電装用MLCC市場はMLCC市場全体では20%程度を占めるが、2022年に30%、2024年には35%まで増えるとみられる。また自動車の電装の拡大でMLCCの需要も急激に増加し、自動車1台に使用されるMLCCは1万個を超えている。今後も自動車の電装化と電気自動車の普及拡大で、電装用MLCCの需要は急速に増加しそうだ。

サムスン電気は釜山事業所を新機種の開発と原材料の革新のための材料の中心団地として育成し、中国の天津工場を電装製品の主力量産拠点として運営する計画だ。

チョン常務は「釜山と天津で電装用MLCCを本格的に供給すると、2022年の電装用MLCCもグローバル2位を達成することができる」とし、「多くのグローバルな自動車メーカーから厳しい検証を通過して供給を増やしている」と述べた。

一方、李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長は17日、サムスン電気を直接訪問して電装用MLCCと5G移動通信モジュールなどの主要な新事業への投資と競争力強化策を直接取りまとめる。サムスン電気は本社のある水原を含めて、釜山とフィリピン、そして中国にそれぞれの主要生産拠点を保有しており、MLCCを担当するコンポーネントソリューション事業部門とカメラモジュールと通信モジュールを生産するモジュールソリューション事業部門などで構成されている。
  • 毎日経済_釜山=チョン・ギョンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-06-16 21:55:38




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