トップ > 数字経済 > 企業 > 韓国航空宇宙産業(KAI)、イスラエルの航空社と大型契約

韓国航空宇宙産業(KAI)、イスラエルの航空社と大型契約

イスラエルIAI社とG280の主翼供給で契約締結 

  • 韓国航空宇宙産業(KAI)、イスラエルの航空社と大型契約

韓国航空宇宙産業(KAI)は最近、初めて民間航空機の主翼の完成品を生産・供給する大型契約を締結し、KAIの民需事業拡大が注目されている。KAIは多様な経験と技術力を持つ世界的企業が独占する航空機の翼製造事業に初めて進出し、民間航空機製造市場における韓国の影響力を高め、国産民間航空機の開発基盤を拡げたという評価が出ている。

KAIは今月初めにイスラエル国営防衛産業のIAI社と、ビジネスジェット機市場のベストセラーであるG280の主翼供給契約を締結した。事業規模は総6188億ウォンで、KAIは2030年までにG280の主翼を独占供給することになる。

航空業界から見た今回の契約の最大の意味は、KAIが航空機の主翼の完成品を製造して供給するということにある。 KAIは今後、さまざまな電子部品や制御システムなどを含む主翼全体を生産して組立を行うことになる。 KAIが主翼全体を受注したのは今回が初めてだ。

これは高度な技術力に支えられないと不可能なことで、世界的にも「tier1(ティア1)」レベルの企業だけが可能な作業だ。エアバス系列会社の仏エロリア(Aerolia)や日本の富士、米ヴォート・エアクラフト・インダストリーズ(Vought Aircraft Industries)などがこれに該当する。逆に言えば、グローバルな航空業界でKAIの技術力が大きく認められたという意味だ。

KAIはこれまで世界の航空業界の二大山脈であるボーイングとエアバスのさまざまな機種に対して、航空機の機体部品と翼の構造物などを供給してきた。特に基本訓練機KT-1と高等訓練機T-50、スリオンヘリコプターなどの国産完成機の開発を通じて蓄積した技術を土台に、ボーイングB787事業とエアバスA350事業に国際共同開発(RSP)のパートナーとして参加している。

KAIは民間機市場の好況により、現在はボーイング・エアバスと進めている翼部品の供給事業の大規模な拡張契約も期待される状況だ。 KAIはボーイングB737機種の尾翼と、エアバスA320系機種の主翼と関連した取引き関係を維持している。 BNK投資証券はKAIが今年、ボーイング(6248億ウォン)とエアバス(5139億ウォン)との総1兆1287億ウォン規模の新規受注が期待されると見通した。 KAIの関係者は「最高の技術力を備えた会社だけが可能な翼の制作事業に進出し、追加物量の確保も期待される」とし、「国産民間航空機の開発のための核心技術とインフラを確保する契機になるだろう」と説明した。

KAIは慶南の固城(コソン)に航空機部品の生産・組立新工場の建設を進めている。固城郡梨堂(イダン)一般産業団地に造成される6万6000平方メートル規模のKAIの新工場は2020年12月に完成し、翌年から本格稼動に入る予定だ。 G280の主翼事業の受注は地方自治団体とKAI、パートナー間の好循環的産業生態系を造成した「慶南型雇用」の代表例でもある。

業界の関係者は、「低コスト航空の拡大で民間航空機市場が持続的に成長している」とし、「KAIはボーイングやエアバスとのパートナーシップに土台して、長期的な成長の可能性が十分ある」と語った。
  • 毎日経済_チョン・ギョンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-06-18 20:12:44




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア