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SKハイニックス「第6世代NAND型」で技術の壁こえる


SKハイニックスは既存の第5世代の製品に比べて生産効率を40%向上させ、電力効率を20%ほど向上させることができる第6世代のNAND型フラッシュメモリを世界で初めて量産する。

NAND型フラッシュメモリは、スマートフォンのストレージデバイスやソリッドステートドライブ(SSD)などに多く活用されるが、SKハイニックスは第6世代製品によって価格競争力を引き上げ、世界市場第5位の水準にある市場支配力をより高めるという戦略だ。サムスン電子もSKハイニックスとは一部異なる技術を適用し、すばやく第6世代のNAND型フラッシュメモリの量産に乗り出すとみられる。

SKハイニックスは26日、第6世代のNAND型である「128段1テラビット(Tb)TLC(トリプルレベルセル)4D」製品を開発して量産に乗り出すと明らかにした。

NAND型フラッシュメモリはウェーハにデータを格納する「セル」を積み上げる方式で製造されるが、このセルをより高く積み上げることが核心技術だ。第5世代のNAND型フラッシュメモリはこのセルを96段に積み上げたが、第6世代は128段に高めた。 128段はNAND型フラッシュメモリ業界で最高水準だ。セルを高く積めばウエハ一枚から得られるチップが増え、生産効率も高くなる。第6世代の技術を活用すれば、ウエハ一枚から作り出すチップを第5世代よりも40%増やすことができるというのが同社側の説明だ。

TLCはセルを3つの論理空間に区分して、3ビットを格納できるようにする方式だ。第6世代のNAND型フラッシュメモリのストレージ容量である1Tbは、3600億以上のセルが集積されたもので、聖書1万7920冊を保存できるレベルだ。 4Dはセルを駆動するための回路を、セルの横ではなく下に入れて面積を減らし、生産効率を高める技法だ。

第6世代の製品は電力効率も向上させることができる。たとえば1テラバイト(TB)のストレージデバイスを実現するには、第5世代のNAND型チップなら16個が必要であることに比べ、第6世代は8個で可能だ。 NAND型はチップが減少すれば面積だけでなく、消費電力も減ることになる。 1TBの場合なら第6世代のNAND型を適用した製品は、第5世代よりも消費電力を20%程度削減することができると同社側は説明する。

第6世代の製品は2TBのパッケージ構成も可能だ。現在の規格上、NANDチップを16個まで積み重ねてメモリパッケージを構成することができる。第5世代はNAND型チップ16を積めば1TBが可能だが、第6世代ならば2TBが可能だ。つまり現在は保存容量が最大1TBのスマートフォンまで出てきているが、今後は第6世代を活用して2TBの製品も可能なわけだ。

SKハイニックスは第6世代製品を量産するための投資額も削減した。 NAND型フラッシュメモリは世代が上がるほど工程が増えるのが一般的だが、SKハイニックスは技術開発を通じて第6世代の工程を5世代よりも5%減らした。

また昨年の10月、世界に先駆けて開発した「CTFベース96段4D NAND型工程プラットフォーム」を第6世代にも活用し、これによって新製品の量産に新たに投入されなければ機器なども減少した。 SKハイニックスの関係者は、「第4世代(72段前後)から第5世代に移るときに投資されたものと比較すると、5世代から6世代に移行するときは、その費用を60%程度削減することができる」と説明した。これとともに、SKハイニックスは第6世代の製品を開発するために、△超均一垂直エッチング技術、△高信頼性多層薄膜セルの形成技術、△高速・低消費電力回路設計などを採用した。

SKハイニックスは第6世代のNAND型フラッシュメモリを下半期から販売し、これを活用した多様なソリューション製品も投入する計画だ。スマートフォン用のストレージデバイスだけでなく、専用のコントローラとソフトウェアが搭載された消費者向け2TB SSDを来年の上半期に量産する予定だ。また、人工知能(AI)とビッグデータ環境に最適化された、最先端のクラウドデータセンター用の製品も来年に出荷する計画だ。SKハイニックスのオ・ジョンフン副社長は、「第6世代製品を使用してSKハイニックスは価格競争力をはじめ、NAND型事業に対する根源的な競争力を確保することになった」と話した。

第6世代製品で生産効率と価格競争力を高めることができるだけに、これによって市場支配力を高めるというのがSKハイニックスの戦略だ。現在、世界のNANDフラッシュメモリ市場の流れは第4世代から第5世代に移る過程だ。市場調査機関の「IHSマークィット」によると、第1四半期の世界NAND市場でサムスン電子は34.1%で1位を記録し、日本の東芝(18.1%)、米ウエスタンデジタル(15.4%)、米マイクロンテクノロジー(12.9%)、SKハイニックス( 9.6%)などが続いた。

サムスン電子も早いうちにSKハイニックスとは一部異なる技術を適用し、第6世代のNAND型フラッシュメモリの量産に乗り出すとみられる。現在、第6世代量産のための最終的なテストが行われているというのが業界の分析だ。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-06-26 19:41:17




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