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ポスコ…「金の卵」二次電池市場で勝負


  • ポスコ…「金の卵」二次電池市場で勝負
  • ポスコケミカルエネルギー素材本部のキム・ジュニョン本部長が9日、慶尚北道亀尾の陽極材生産工場でポスコの素材技術力が圧縮された焼成炉工程を紹介している。 亀尾=カン・ゲマン記者



今年4月、陰極材生産企業のポスコケムテックと陽極材生産企業のポスコESMの統合法人として新しく出発した「ポスコケミカル」。ポスコケミカルはポスコグループの新成長動力である二次電池素材の分野で先制的な投資に乗り出している。二次電池素材は鉄鋼分野とポスコグループの将来をリードする二大成長軸だ。

崔正友(チェ・ヂョンウ)ポスコグループ会長は、二次電池素材の原料確保から生産と販売、リサイクルまでの垂直系列化を構想している。二次電池素材の分野で「2030年に市場占有率20%、年間売上げ17兆ウォン」という目標も提示した。

去る9日に訪問した慶北・亀尾ポスコケミカル陽極材工場では、キャビネットのような設備と蓋をした鉄製コンベアベルトが一列に並んで配置されていた。陽極材のNCM原素材であるニッケル、コバルト、マンガンを溶解させて目的の成分どおりに析出した前駆体をリチウムと混ぜて熱処理する焼成炉工程だ。前駆体とリチウムが十分に反応するように、800度前後の温度を一日以上維持する。黒い粉である陽極材はコーティングを経て最終製品として作られる。

陽極材は陰極材、電解液、セパレータなどとともに二次電池を構成する4大核心素材だ。陽極材が二次電池のコストに占める割合は40%に達する。第2の半導体と呼ばれる二次電池はスマートフォンなどの情報技術(IT)機器だけでなく、電気自動車やエネルギー貯蔵装置(ESS)などに使用されて毎年40%ずつ成長している中で、陽極材の需要も急増している。市場調査機関のブルームバーグニューエネルギー・ファイナンス(BNEF)によると、電気自動車の世界的な市場規模は2018年の197万台から2025年には1170万台に増加する見込みだ。これとともに陽極材市場の規模も、同じ期間に91億ドルから3倍の296億ドルに拡大すると観測される。

ポスコケミカルの亀尾工場は陽極材を年間9600トン生産できる能力を備えている。LG化学やサムスンSDI、SKイノベーションなどの二次電池メーカーだけでなく、中国やヨーロッパ、米国などに陽極材を販売している。特にポスコケミカルはPG(POSCO Gradient)NCM陽極材を生産しており、注目されている。これはニッケルの含有量を60%以上に引き上げて、バッテリ出力を最大化しながらも表面の安定性を高めた技術だ。ポスコケミカル亀尾工場は今後、「尖端陽極材のグローバル生産技術のメッカ」として、研究開発を支援するベースキャンプ機能を果たす。

この代わりに、全羅南道の光陽栗村産業団地に16万5203平方メートル規模で、ハイニッケルNCM専門電気自動車(EV)用陽極材設備を段階的に増設している。さいきん第一段階の陽極設備として年産6000トン規模で構築したことに続き、来年3月までに追加で2万4000トン規模の陽極材増設を完了する。市場の状況に応じて光陽工場の陽極材生産規模を年間8万トンまで増やす計画も持っている。あわせてポスコは海外初の陽極材工場を5000トン規模で中国の浙江省に構築したし、ヨーロッパへの進出も構想している。このようになればポスコグループの次元では亀尾・光陽・中国・ヨーロッパをつないで10万トン以上の陽極材生産設備を確保し、グローバルなリーダー企業になる。これは60キロワット級の電気自動車83万台あまりに二次電池を供給できる分量だ。

陰極材にも積極的に投資する。ポスコケミカル世宗第1・2工場で、2022年末までに年間7万4000トン規模の天然黒鉛系陰極材の生産設備を構築している。また世宗工場では人造黒鉛性能を持った天然黒鉛陰極材に、浦項では人造黒鉛系陰極材にもそれぞれの投資し、事業の多角化に乗り出す予定だ。

ポスコケミカルエネルギー素材本部のキム・ジュニョン本部長は「製鉄設備の運営と素材事業を通じて構築した原料の確保、設備の自動化、製品開発、技術などが二次電池素材事業の競争力確保にもかなり貢献している」とし、「浦項に設置した統合二次電池研究開発センターが成果を導出して、第2のポスコグループの成長を導くだろう」と強調した。
  • 毎日経済_亀尾=カン・ゲマン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-09-17 20:10:28




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