韓電、豪州の鉱山開発事業が「頓挫」

環境汚染の懸念で開発不許可 


韓国電力が推進した豪州バイロング鉱山開発事業が事実上座礁した。ただでさえ赤字に悩まされている韓電としては、これまで8000億ウォン以上を投入した事業が霧散して莫大な損失負担に苦しむことになった。

18日、豪州ニューサウスウェールズ(NSW)独立計画委員会は、韓電が提出したバイロング鉱山開発事業計画について「不同意」決定を下したと発表した。委員会は「鉱山開発で温室効果ガスの排出や地下水の汚染、自然毀損など、長期の環境に対する影響に重大な懸念があり、開発許可の発行に同意することができない」と不許可の背景を説明した。

韓電が推進したバイロング事業は総事業費だけで11億2800万ドルに達する、大規模な有煙炭鉱山開発事業だ。韓電は2010年に豪州企業のアングロアメリカンから4億ドルでバイロング鉱山を買収した。以来、土地購入と探査開発などでこれまで7億ドルを超える資金を注ぎ込んだと伝えられた。

韓電はバイロング鉱山で40年間に年350万トン規模の石炭を生産する計画だった。バイロング鉱山は韓電が株式の100%を保有していたが、2016年に政府のエネルギー公企業に対する機能調整によって持分10%を発電5社に2%ずつ売却し、持分90%を保有している。現在、韓電が保有している唯一の海外資源開発事業だ。韓電は開発を承認されると、さらに株式90%のうち39%を発電企業に売却し、生産が本格的に進行すると残りの持分51%も売却する計画だった。

しかし地元住民と環境団体の激しい反対で9年目で開発承認が行われなかった。去る4月には韓電が取得した環境評価認証期限までが満了し、評価を再び必要になる立場になった。ついに豪州エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)は、韓国政府のエネルギー転換政策にしたがって石炭発電の割合が縮小されるため、豪州政府が事業承認に慎重でなければならないというレポートを発表して反対した。また報告書は「開発の承認で石炭の生産量が増えれば、超過供給のために国際有煙炭価格が下落することがありうる」とし、地域経済に否定的であると指摘した。このために昨年末、金鐘甲(キム・ヂョンガプ)韓電社長が豪州を訪問して現地州政府関係者らに会い、開発事業の承認を要求して総力戦に乗り出したが最終的に失敗した。

今回の決定で炭鉱を直接開発し、発電子会社が運営する火力発電所の石炭を安定的に供給しようとした韓電側の計画が水泡に帰したように見える。

そのうえ鉱山事業の座礁で赤字の雪だるまに悩まされている韓電が、さらに損失を抱え込むことと懸念される。今年の上半期、韓電の営業損失は9285億ウォンに達する。昨年第4四半期から3四半期連続の赤字状態だ。政府はエネルギー転換政策を本格化した2017年第4四半期から赤字に転じた韓電の営業利益は、昨年の第3四半期(1兆3900億ウォン)を除けば四半期ごとに赤字を記録している。韓電の「2019年財務危機の緊急経営推進計画」によると、韓電は今年も営業損失2兆4000億ウォンと当期純損失は1兆9000億ウォンを出すと予想される。

韓電は今回の豪州の決定について多角的に対応策を検討しているが、事業の再開は事実上難しいと思われる。韓電の関係者は、「検討の後に訴訟を提起するか、事業承認を再申請するか、事業を折るかを決める」と述べた。売却や清算に乗り出したならば、韓電が投入した資金のうちから土地購入費1億ドルを除いて鉱山の開発権などは適正価格を受けることは難しく、開発費の回収も困難な状況だ。
  • 毎日経済_イム・ソンヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-09-18 17:47:30