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サムスン電子、システム半導体を大挙発表…5G時代に備え


サムスン電子は既存の製品よりも性能が20%ほど改善されたモバイル・プロセッサ「Exynos(エクシノス)」の次期作を発表した。また、業界最高の速度を誇る5Gモデムの新作も発表した。さらに、▲第6世代移動通信(6G)時代を狙ったチップ、▲人の目よりも精巧で高速の情報伝達が可能なイメージセンサーなどの新技術を公開した。

サムスン電子は23日(現地時間)、米国シリコンバレーに位置するサムスン電子アメリカ法人(DSA)社屋でこのような内容を盛り込んだ「第3回サムスンテックデー2019(Samsung Tech Day 2019)」を開催した。

これまでこのイベントではメモリー半導体中心の発表が行われたが、この日はさまざまな機能を小さなチップに搭載する統合作業を主とする、サムスン電子内のシステムLSI事業部が最初にマイクを握った。サムスン電子システムLSI事業部のカン・インヨプ社長は、「今日はシステムLSIの次元で開く最初のテックデー」だとし、「第3世代人工知能ニューラルネットワークユニットを装着した新製品エクシノス990と、誰も真似できないスピードを誇る5Gモデムであるエクシノス5123は、人工知能と5G時代に最適化された革新的な製品だ」と述べた。

サムスン電子は今年4月に「半導体2030」ビジョンを発表し、メモリ半導体を超えてシステムLSI半導体側でグローバル1位を達成するという目標を提示した。今回のエクシノス990とエクシノス5123などのシステム半導体は、サムスン電子の半導体2030ビジョン発表後に初めて出荷するサムスン電子の高性能製品だ。

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  • サムスン電子システムLSI事業部のカン・インヨプ社長は韓国時間24日午前2時、米国シリコンバレーのサムスン電子アメリカ法人(DSA)社屋で開かれたサムスンテックデー2019で発表をしている。 写真提供=サムスン電子



コンピュータで言えばCPUとグラフィックスチップ(GPU)、そして人工知能チップ(NPU)を一緒に合わせたものと同じ製品の「エクシノス990」は、前作に比べて性能が約20%向上したとサムスン電子は明らかにした。特にニューラルネットワークの2つのコアを持ち、人工知能の演算性能を大幅に向上させた。サムスン電子は「デジタル信号プロセッサを搭載し、毎秒10兆回以上の人工知能演算性能を確保した」と述べた。この製品を利用するならば、顔認識機能を端末レベルで実行することができるので、サービス利用時に顔イメージの流出可能性が減る。「エクシノス990」は年内に量産され、まずは来年度に発表されるサムスン電子の主力スマートフォンに搭載されるものと思われる。

サムスン電子はまた、前作との比較で2倍速くなった5Gダウンロード速度を誇る「エクシノスモデム5123」もこの日に発表した。 6GHz以下の周波数帯では速度の面で競合製品がない状態であり、ミリ波(mmWave)帯域でも業界最高水準の速度を提供すると、サムスン電子は明らかにした。特にスマートフォンだけでなく、モノのインターネットや車両など、さまざまな端末にこの5Gモデムは使われる可能性が高い。

サムスン電子はこれとは別に、自社が開発している技術の紹介も行った。例えば6G移動通信時代を狙ったモデム技術だ。ソン・ギボン サムスン電子DS米州総括常務は「学界と産業界の一部では既に6Gを議論しており、サムスンも関連技術の開発を開始した」とし、「6Gはホログラフィーやナノバイオデータ通信、宇宙旅行のような長距離間の通信などが可能なることを目指している」と述べた。ソン総括常務は「6Gのためにはテラ(Tera)ヘルツレベルの周波数帯域を征服する必要があり、アンテナシステムを改善しなければならず、人工知能とマシンラーニング通信の中核に入らなければならない」と述べた。サムスン電子はまた、端末機の状態でマシンラーニングが可能になる半導体チップの統合技術も開発中であると明らかにした。イ・ジョンウォン サムスン電子DS米州総括常務は、「一部のチップに分散して学習をさせる方式、クラウドで学習して端末に教える方式などのいくつかの案が議論されている」と述べた。

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  • カン・インヨプ サムスン電子システムLSI事業部社長。写真提供=サムスン電子



特にサムスンは画像処理センサー技術の高度化のための発表も進めて注目を集めた。現在、アナログフィルムは約86メガ程度のピクセルが入るが、それよりもはるかに小さい単位面積で108メガピクセルを入れることができるイメージセンサーを製作した。キム・イテ サムスン電子DS米州総括ピクセル開発チーム常務は、「現在は0.7ナノメートルサイズでピクセルを作成しているが、これを0.6ナノメートルサイズにまで縮小すると200メガピクセルをチップに入れることができる」とし、「このセンサーを活用すればDSLRカメラよりも強力なクオリティの写真をスマートフォンで撮ることができるようになる」と語った。

のみならず、サムスン電子はイメージセンサーとDRAMメモリ、ロジックチップなどの3つを一つに重ねてひとつのチップにする統合作業も行っていると明らかにした。このようにすることで、イメージセンサーは人の目の機能もあるが、脳のようにメモリ機能も持ち、他のマシンと通信する機能も行えるようになる。サムスン電子の関係者は、「この技術が商用化されるとイメージセンサーから他のチップとデータをやりとりする必要がなくなり、非常に速い速度でデータ処理が可能になる」とし、「カメラ自体が知能を持つようになるだろう」と述べた。

一方、サムスン電子はメモリ部分で「第3世代10ナノメートル級(1z)DRAM」と「7世代(1yy段)V NAND型技術」「PCIe Gen5 SSD技術」「12GB uMCP」などの新製品と、開発中の次世代技術の事業化戦略を大挙公開し、メモリ技術の限界克服を通じた顧客価値の極大化方案を共有した。
  • 毎日経済_シリコンバレー:シンヒョンギュ特派員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-10-24 13:19:40




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