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デリム産業、米クレイトン社のカリフレックス事業部買収


  • デリム産業、米クレイトン社のカリフレックス事業部買収

大林(デリム)産業が米国の化学企業を買収し、高付加価値の石油化学事業を強化する。会社が設立されてから80年めで初の海外買収・合併(M&A)を行い、建設業以外の事業多角化にいっそう弾みがつく見通しだ。

デリム産業は31日、30日に理事会を開いて米国の石油化学企業クレイトン(Kraton Corporation)のカリフレックスTM事業部の買収を議決したと明らかにした。買収金額は5億3000万ドル(約6200億ウォン)だ。早ければ来年の第1四半期に買収作業が仕上げされ、クレイトンのブラジル工場と源泉技術、販売担当者と営業権を確保することになる。デリム産業の関係者は、「今年の初めから企業に対するM&A作業を準備してきた」とし、「これまで2大株主として海外企業の株式を買収したことはあるが、経営権まで取得する公式のM&Aは創立80年以来で初めて」だと説明した。

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  • クレイトンのカリフレックス事業部の概要


クレイトンは米国ヒューストンにあるポリマー生産のグローバル企業だ。その中でもカリフレックス事業部は、高付加価値の合成ゴムとラテックスを製造する。工場はブラジルのリオデジャネイロ市近くのポリニアにあり、生産設備と開発センターなどで構成されている。

この化学物質は主に手術用手袋と注射容器のゴム栓などの医療用品に使用されるが、天然ゴムで作っていた手術用手袋はアレルギーを発生させる危険性のために合成ゴムに急速に置き換えられつつある。米国でこのような雰囲気が急速に広がっており、ヨーロッパやアジアでも合成ゴムの手術用手袋の使用比率が高まる見通しだ。

特にカリフレックス事業部が生産するラテックスは、世界の合成ゴム手術用手袋市場で1位の製品だ。デリム産業の関係者は、「手術用合成ゴム手袋市場は毎年8%台の高成長が期待される」とし、「医療用製品は差別化された技術力が必要だし、景気に敏感ではないので収入も安定して創出することができる」と述べた。

デリム産業が合成樹脂とゴム分野に乗り出した理由は、事業多角化の一環とみられる。同社は高付加価値の石油化学事業の拡大と、石油化学デベロッパーへの跳躍をグループの新成長動力として育成している。デリム産業が石油化学事業に進出したのは、1979年に湖南(ホナム)エチレンを買収してからだ。現在、ハンファケミカルと1999年に合作して作った麗川NCCをはじめ、ポリミレ(PolyMirae)社などの関連子会社を保有している。

デリム産業の石油化学事業部は、世界で3社のみが保有している高反応性ポリブテン(PB)技術を国内唯一で有しており、2015年には韓国初で米国市場に石油化学技術を輸出し始めた。昨年はタイ最大の石油化学会社であるPTTグローバルケミカル(PTT Global Chemical)と米国の石油化学団地の開発投資約定を締結し、米オハイオ州にエチレンとポリエチレンを生産する工場を建設・運営する計画を立てた。今回のカリフレックス事業部の買収で、海外での石油化学事業も拡大にはずみを受けることになった。

デリム産業のキム・サンウ石油化学事業部副会長は、「わが社が独自に開発したメタロセン触媒とポリブテン生産技術、クレイトンが開発した世界で唯一のマイナスイオン触媒ベースの合成ゴム製造技術とラテックス製造技術が加われば、かなりの相乗効果効果が発生するだろう」とし、「医療用素材はもちろん、高機能ラテックス、接着剤原料、コーティングなどの高付加価値の石油化学製品の開発投資に積極的に乗り出す計画だ」と語った。キム事業部副会長は「韓国に高付加価値の合成ゴムとラテックスの生産工場を建設する案も検討している」と付け加えた。

デリム産業は建設業や石油化学事業のほか、ホテルリゾートなどのさまざまな新事業を発掘している。
  • 毎日経済_ソン・ドンウ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-10-31 17:33:22




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