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LGディスプレイ、ボーイング機「スマート客室」にOLED供給


  • LGディスプレイ、ボーイング機「スマート客室」にOLED供給

  • 12月初めにボーイング社が公開した、次世代航空機の室内OLEDディスプレイのテスト場面。



LGディスプレイは米国ボーイング社の次世代航空機に有機発光ダイオード(OLED)パネルを供給する。中国の低価格攻勢でLCDパネルの収益性が落ちて業界が苦しんでいる中で、自動車用パネルを成長動力に押しているLGディスプレイが航空機にまで供給分野を拡大し、「モビリティパネル」事業をさらに強化していると分析される。

11日の業界によると、世界最大の航空機製造企業のボーイング社は最近、次世代航空機として開発されている「ボーイング777-200エコデモンストレーター」の機内天井にOLEDパネルを搭載した映像をTwitterで公開した。

ボーイングは映像に対して「未来の航空機」としながら、「より良い飛行経験のために、航空機の内・外にOLEDを設置してテストしている」とした。

ボーイングがテストしている大型OLEDパネルは、LGディスプレイが製造して供給することが伝えられた。業界ではボーイングが次世代航空機の客室を「スマート客室」として構築するために、LGディスプレイと関連事業を議論しているものと見ている。

スマート客室は第5世代移動通信(5G)技術とOLEDなどの最新技術を活用して乗客の便宜性を高めつつ、インテリアも一段階アップグレードした未来型の客室をいう。今後は乗客用端末機の画面をはじめ座席や部屋の天井、壁面と窓など、航空機にOLEDが広く活用されると予想される。

OLEDは透明や曲げたり(ローラーブル)あるいは折りたたんだり(フォルダブル)など、さまざまな形での活用が可能なために、窓を透明OLEDに置き換えたり、座席に巻き込んだディスプレイを広げて見るなど、革新的なインテリアの構築が可能だ。またOLEDは液晶表示装置(LCD)よりも軽いだけでなく消費電力も低いことから、胴体重量を少しでも減らしたい航空機では特に脚光を浴びるディスプレイ製品だ。

昨年5月に国内で開かれたOLEDフォーラムに参加したボーイングの関係者は、「飛行機には曲面が多いので、曲げることができるOLEDは他のディスプレイよりも強みを持つ」とし、「狭い空間で多くの情報を必要とする乗客と乗務員にとっても、OLEDは視野角に制限なく情報を提供することができる」と述べたりもした。

ボーイングが最近ソウルに「ボーイング韓国技術研究センター」を開所したことも、このような協力関係が拡大するものと期待されている点だ。この研究センターはボーイングが国内企業とのコラボレーションと大学との共同研究を進め、スマートな客室をはじめとして自律飛行や人工知能(AI)、航空電子などの未来技術を確保するために構築したものだ。

LGディスプレイは最近、モビリティ分野でOLEDが優先的に採用されている自動車用ディスプレイ市場で強者となった。 LGディスプレイはベンツやGMなどのグローバル自動車メーカーにインストルメントパネル型中央情報ディスプレイ(CID)を供給することが分かった。市場では来年にはOLEDが搭載された車を、実際に道の上で見ることができるだろうと予想している。

LGディスプレイはガラス基板の代わりにプラスチック基板で作られた、プラスチック製OLEDを車両用に量産する計画だ。プラスチックOLEDはOLEDの利点を維持しながらも自然な曲面の実現が可能で、人間工学に基づいた曲線デザインは大部分の自動車のインテリアに最適だ。車両用OLEDはいままさに開かれ始めた成長市場だ。 IHSマークィットによると、車両用OLEDの出荷量は2020年の24万台から2025年には430万台に増加すると予想される。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/チョン・ギョンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-12-11 20:16:55




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