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サムスン電気、高付加「電装用MLCC」で実績反騰ねらう


  • サムスン電気、高付加「電装用MLCC」で実績反騰ねらう
  • 電装用MLCCの市場展望


  • サムスン電気、高付加「電装用MLCC」で実績反騰ねらう
  • 昨年の電装用MLCCのシェア比較


今年は米・中貿易紛争などの対外問題による需要不振で積層セラミックコンデンサ(MLCC)の業況悪化を経験したサムスン電気は、来年は高付加価値製品である電装用MLCCで反騰を狙う。 5G(第5世代移動通信)スマートフォンの発売拡大による超小型大容量MLCCの需要増加とともに、電装事業の競争力を強化し、製品の適用先の多様化を図るという戦略だ。これとともに、最近はMLCCの価格が反騰の兆しを見せ、来年の業績回復への期待感も高まっている。

12日の業界によると、サムスン電気は釜山事業場に建設中の電装用MLCC専用新原料棟を年内に竣工し、来年上半期に本格的な量産稼動に突入する計画だ。

中国・天津にある電装用MLCC生産工場も新原料棟の稼働に合わせて、来年上半期の量産稼動を目指し建設している。「産業のコメ」と呼ばれるMLCCは電気を保存しておいて、半導体部品に必要なだけの電気を供給する役割を果たす核心的な電子部品だ。最新のスマートフォンから自動車まで、ほぼすべての電子製品に必須に使われる。特に自動車に使われる電装用MLCCは、スマートフォンなどの電子製品に入るMLCCにくらべて参入障壁が高く、相対的に高い利益を安定して得ることができる分野だ。

MLCC市場全体でサムスン電気は日本の村田製作所(ムラタ)に次いで2位を占めているが、電装MLCC市場ではムラタをはじめTDKや京セラなどの日本企業に押され、昨年の時点でのシェアは2%にとどまっている。上位の日本企業3社の電装用MLCCのシェアを合わせると計71%で、サムスン電気は大きく押されている。

しかし来年の新原料棟と天津工場が本格稼動すると、サムスン電気の電装用MLCCの生産能力は大幅に拡大され、日本企業に追いつくことができる強力な推進力を得ることになる。

サムスン電気は先立って、この上半期に総売上高げにおける電装用MLCCが占める割合を10%から2024年までに30%に引き上げ、ムラタに続いてグローバルトップ2に上がるという目標を提示するなど、自信を表わした。

業界の関係者は、「電装のMLCCは供給価格が高く、今後は生産量の拡大に応じて業績回復に役立つだろう」とし、「原料を直接生産する内在化率を最大化して、コスト・技術力の面でも競争力が高い」と説明した。

サムスン電機は今年、MLCCの供給過剰現象が現れて、販売価格の下落で業績が前年比で悪化した。今年の第3四半期における累積ベースの営業利益は4445億ウォンで、昨年の同じ期間(8053億ウォン)よりも半分近くに減少した。

肯定的なことは、5Gスマートフォンの発売拡大でMLCCの価格が再び反騰を見せているというものだ。金融投資業界によると最近、中国のMLCCメーカーが今月初めにいっせいに価格を引き上げて、国内メーカーも続いて価格を引き上げたことが分かった。

NH投資証券のイ・ギュハ研究員は、「来年上半期のグローバルなスマートフォン需要の改善により、MLCCの需給はさらに高まる可能性がある」とし、「予想よりも早い業況回復を経験しているようだ」と説明した。

一方でサムスン電気は11日、水原事業場で「第1回人工知能(AI)の日」を開催し、社内のAI専門家の養成とAIインフラの構築を本格化した。サムスン電気は最近、MLCCの品質検査にAIを適用した「AIベースMLCC外観選別機」を導入して不良品の検出精度を向上させ、歩留まりを向上させて再検査率も大幅に改善させた。
  • 毎日経済_チョン・ギョンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-12-12 18:13:26




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