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サムスン電子、次世代高速DRAM「Flashbolt」開発


  • サムスン電子、次世代高速DRAM「Flashbolt」開発
  • AI半導体市場の展望


サムスン電子は高速データ分析などの人工知能(AI)基盤のサービスとスーパーコンピュータに活用できる次世代高速DRAM「フラッシュボルト(Flashbolt)」を発売したと発表した。

サムスン電子はAIやデータ分析とスーパーコンピュータシステムの容量と速度の限界克服に貢献し、これによって第4次産業革命で今後は爆発的な成長が予想される高性能メモリ市場をリードするという戦略だ。

フラッシュボルトは16GB(ギガバイト)の容量の第3世代高帯域幅(HBM2E)DRAMで、これまでの第2世代の製品よりも速度は1.3倍で容量は2倍向上した。サムスン電子は第2世代の8GB DRAMの「アクアボルト(Aquabolt))」を2018年に世界初で開発・量産し、その2年ぶりに第3世代の製品を発売して次世代高性能メモリ市場の攻略をさらに本格化した。

サムスン電子はフラッシュボルトが10ナノ級の16Gb(ギガビット)DRAMチップ8個を積み重ねて16GBの容量を実現した次世代システムで、最高の容量と最高の速度、そして超低消費電力など最適のソリューションを提供すると強調した。フラッシュボルトの処理能力は、5GB容量のフルHD映画82編を1秒で転送することができるレベルだ。

第3世代製品には16Gb DRAMチップに5600個以上の微細な穴をあけて、4万個を超えるTSV(Through Silicon Via/シリコン貫通電極)接合ボールで8つのチップを垂直に接続する「超高集積TSV設計技術」を採用した。 TSVはDRAMチップを一般的な紙の厚さの半分ほどの水準に削り、数千個の微細な穴を開けてチップの穴を垂直に貫通する電極で接続した超微細パッケージング技術だ。また「信号転送の最適化回路設計」を利用して、計1024個のデータ経路を通じて毎秒410GBのデータを処理する。

今年、サムスン電子はフラッシュボルトを量産して既存のAIベースの高速データ分析と高性能グラフィックスシステムを改善し、スーパーコンピュータの性能限界を引き上げ、次世代高性能システムの開発に貢献するという計画だ。サムスン電子はフラッシュボルトのプロトタイプを各顧客社に伝達し、注文時にはすぐさま生産に入ることができる量産体制を備えたことが分かった。 NVIDIAをはじめ、高性能メモリシステムの実装が必須の情報通信技術(ICT)企業がこの製品の主要な顧客になるとみられる。

AI半導体市場はメモリ業界のブルーオーシャンで、今後の成長性はかなり高いと評価される。市場調査会社のIHSマークイットは、AI半導体市場は2019年の428億ドル(約50兆8000億ウォン)から、2025年には1289億ドル(約153兆3000億ウォン)に3倍に成長すると予想した。この中でもAI用メモリ市場は、同じ期間に206億ドル(約24兆4000億ウォン)から604億ドル(約71兆7000億ウォン)にまで拡大するとにらんだ。

TSV技術を採用した高帯域幅DRAMはAIの演算性能の改善に大きく寄与するだけに、今後の需要も大幅に増え、一般的なDRAM製品に比べて価格プレミアムも高いと思われる。この市場はサムスン電子とSKハイニックスが先取りしている。 SKハイニックスも昨年に16GB HBM2E DRAMの開発に成功し、今年は量産に突入する予定だ。

サムスン電子のフラッシュボルトは世界初の毎秒4.2Gbのデータ転送速度の特性を確保し、今後は特定分野の次世代システムでは1秒に538GBまでの処理が可能と予想される。これは第2世代の製品と比較した場合、毎秒のデータ処理速度が1.75倍以上向上する。

サムスン電子は世界の情報技術(IT)顧客社に既存の第2世代製品であるアクアボルトを安定的に供給して次世代システムの開発協力をさらに強化し、フラッシュボルトの市場を拡大することによってプレミアムメモリー市場の需要を積極的に拡大していく方針だ。

サムスン電子メモリー事業部のチェ・チョル戦略マーケティング室副社長は、「歴代最高のパフォーマンスの次世代DRAMパッケージの出荷で、急速に成長しているプレミアム市場で事業競争力を維持し続けるつもり」だとし、「今後はさらに差別化されたソリューションを提供し、独自の事業能力を強化させていく」と語った。
  • 毎日経済_チョン・ギョンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-02-04 17:24:49




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