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SKケミカル、 バイオエネルギー事業部門を売却

実弾を確保して「エコ・製薬」にオールイン 

  • SKケミカル、 バイオエネルギー事業部門を売却
  • SKケミカルの営業利益(左)と主力事業


SKケミカルは私募投資専門会社(PEF)のハンアンドカンパニー(Hahn & Company)にバイオエネルギー事業部門を売却する。これによって確保した資金で環境にやさしい素材や生命科学など、将来の成長動力に力量を集中する計画だ。

SKケミカルは5日、ハンアンドカンパニーと3800億ウォン規模(株式100%)の営業譲渡契約を締結し、自社のバイオエネルギー事業を譲渡すると公示した。SKケミカルのバイオエネルギー事業部門は、バイオディーゼルとバイオ重油を生産・販売している。

SKケミカルは、バイオエネルギー事業の売却は将来の新規成長事業に必要な投資財源を先制的に調達するための措置だと説明した。 SKケミカルの関係者は、「環境にやさしい素材分野と生命科学事業に力量を集中する計画」だとし、「核心事業に対する力量強化を通じて、継続的な技術革新と成長を推進する」と語った。

SKケミカルは環境にやさしい素材と生命科学部門を主力事業として積極的に育成している。環境にやさしい素材事業の代表格は「コポリエステルPCT」だ。 SKケミカルは既存のPCTの性能を強化しながらも、環境ホルモンの一種であるビスフェノールA(bisphenol A)が検出されないコポリエステルPCTを開発して市場の拡大に集中している。

PCTは200度以上の高温でも耐えるスーパーエンジニアリングプラスチックで、自動車材料や電気・電子部品の材料などに活用されている。最近では電気自動車の素材として使用が拡大している。既存のプラスチック素材と比較して湿気や熱に強く、化学物質に腐食されない特性を備えたうえに絶縁性能にも優れ、重量も軽く、高付加価値尖端素材として脚光を浴びている。

熱収縮フィルム用PETGも、環境にやさしい素材事業の主軸として育成している。熱収縮フィルムとは商品名やロゴ、色(デザイン)、中身の説明などを印刷して容器を覆うラベル用のフィルムだ。年間成長率が7~10%に達するほど、成長性が高いというのがSK側の説明だ。

最近、脚光を浴びている分野は生命科学の事業だ。代表的な事例としては、2010年に開発した国内初の認知症治療パッチ「SID710」がある。 SID710は錠剤を飲み込むことが困難な認知症患者のために1日1回、皮膚に貼り付けて薬物を持続的に転送するように作られたパッチ型新薬で、昨年11月に米国食品医薬品局(FDA)の品目許可を受けることに成功した。現在、24社のグローバルな製薬会社と版権・輸出契約も締結した。欧州ジェネリック市場でのシェア50%を占めて1位の座を守っている。

SKケミカルはまた、生命科学のパラダイムが「治療」から「予防」になっているという点に注目し、ワクチン事業を将来の成長動力として育成している。

一方、SKケミカルはこの日の理事会の議決と来月17日の株主総会などを経て、バイオエネルギー事業の売却に関連する手続きを最終仕上げする計画だ。
  • 毎日経済_ノ・ヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-02-05 19:30:37




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