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イ・ジナ「キム・ジュンスなどスターたちの創作ミュージカル挑戦に拍手を」

韓国創作ミュージカルの大母イ・ジナ 

  • イ・ジナ「キム・ジュンスなどスターたちの創作ミュージカル挑戦に拍手を」
「韓国映画がハリウッドよりレベルが低いと言われていた時代がありました。ところが、今はどうですか」

『ゴーン・トゥモロー(Gone Tomorrow)』『失われた顔 1895』、そして『ドリアン・グレイ(Dorian Gray)』。イ・ジナ演出は今年の下半期に、大劇場ミュージカルだけで3作品を手がけた。すべて「創作」という点が印象的だ。「映画もミュージカルも創作に進むのは文化の手順です」。彼女は「誰もが『ひとつ』の好みを共有していたものが、『それぞれ』の好みを探して、『他人』の感性を楽しんだ後には、『私たち』の感性を探すようになっている」と説明した。

経済的な理由も挙げた。「海外ライセンス作品は、ライセンス費用と外国制作チームの費用を支払った後には、興行しても赤字になる場合が多い。コンテンツも残らない」とし「生き残るために、国内の制作会社も創作に目を向けている」と説明した。

「『明成皇后』『英雄』『フランケンシュタイン(Frankenstein)』『ウェルテル(Werther)』…」イ・ジナ演出は作品性を認められて興行に成功した創作ミュージカルを一つ一つ列挙した。「成功した創作ミュージカルは数多く存在します。ただ、しっかりと定着できなかったのは、韓国のミュージカル市場が『作品』より『スター』が指さす方向に行くからです。スターたちがどのような作品を好むのかが、ミュージカルの成否と主流を決定します」

そのような現実を否定することは、純真すぎると話した。むしろスーパースターの「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」の必要性を強調した。彼女は「スーパースターは市場を動かす人々だ。スーパースターたちが意識を持って創作を支援しなければならない」とし「ミュージカルスターたちも市場の健全な転換に寄与しなければならない」と強調した。『あの日々』に出演しながら、私たちの創作ミュージカルという点を何度も強調したユ・ジュンサン、楽な道を置いておいて『ディセンバー(December)』『ドリアン・グレイ』などの創作という冒険を続けていくキム・ジュンスを例に挙げた。

彼女の今年の下半期の作品の中で最も話題になっている作品は『ドリアン・グレイ』だ。オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)の唯美主義の小説という難しい原作に、スーパースターのキム・ジュンスのキャスティングで話題を集めた。彼女は原作を生かせなかったという批判には首を振ったが、難解だという批評には頷いた。「2000席を埋めるためには、私の母も甥も見ることができる簡単で楽しい作品でなければならい。原作の深い哲学を生かそうとしたら、小劇場で3人の激しい心理劇を見せたことでしょう」とし、続いて「初演では、原作への尊重と観客への配慮の間で中途半端だった」とし「リプレイ時はより簡単に、単純にする」と話した。

イ・ジナ演出は、韓国ミュージカル市場の悲劇として「薄い観客層」を挙げた。一つの作品が個性も少し、華やかさも少し、大衆性も少し、主題意識も少しずつと、すべてを満足させなくてはならないため、きちんとした作品が登場しにくい構造だとの指摘だ。ブロードウェイは、ミュージカルを偶然一度だけ見る観客たちのための『ライオンキング(The Lion King)』と、1年に公演を10回以上見るマニアのためのソンドハイム(Sondheim)の『カンパニー(Company)』のように、それぞれの魅力を持った作品が共存している。多様な厚い観客層がいるからこそ、可能なことです」

それでも彼女は韓国ミュージカル市場の将来について楽観的だった。 「『ブラックメリーポピンズ(Black Mary Poppins)』『ママ・ドント・クライ(Mama、Do not Cry)』のようにスマートな作品が大学路の小劇場で自生しています。観客が目覚めてきています。そんなふうにして最終的には良い創作品がメジャーになる日が来るでしょう」
  • 毎日経済 キム・ヨンジュ記者 / 写真=キム・ホヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-10-30 09:04:35




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