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花・ピザから靴下まで押して購入…「自販機」全盛時代


  • 花・ピザから靴下まで押して購入…「自販機」全盛時代
  • 異色の自販機が続々と登場している。ドールコリアはバナナの自販機(左)を設置した。



#1 17日、ソウル市江南駅商圏の「タッチカフェ」。約18平方メートル(5.5坪)の店舗には人はなく、自動販売機(自販機)のみ4台が設置されている。自動販売機でイタリア豆とフランス豆で淹れたコーヒー、一般缶飲料、ミネラルウォーター、チョコレートなどを購入できる。自動販売機の画面で「ミルクティー」をタッチして、クレジットカードで2100ウォンを決済した。 7~8秒待って、ミルクの泡におおわれたミルクティーがでてくる。

タッチカフェを運営するWCMインターナショナルの関係者は、「昼休みに利用する会社員が最も多く、通勤途中の朝の客も多い」とし、「機械に洗浄機能があり一日に1~2回程度、店舗をきれいにする人材のみを置けばいい」と語る。鶴洞に位置した18平方メートル(5.5坪)の店舗を基準に、一日に250~300杯が販売される。

#2 大学生のチャン君(仮名、26才)は最近、ソウル市新沙洞の街路樹通り(カロスギル)の自動販売機でガールフレンドに贈る花を買った。価格は9900ウォンで負担は小さく、「ドライフラワー」と呼ばれる乾いた花で長くもつ点も気に入った。商品番号をクリックしてカードで決済するやいなや、自動販売機のガラスドアが開いて花が出てきた。チャン君は「記念日などの花が必要なときに自動販売機があれば楽そうだ」と語った。

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  • ソウル市の江南駅には無人自動販売機、コーヒー店「タッチカフェ」も登場した。



自動販売機が通りの隙間を埋めている。コーヒーやソフトドリンクのみだったこれまでの自動販売機とは異なり、ピザやサラダなどの簡単な食事類から花や健康補助食品、靴下、悩みの相談に至るまでアイテムも様々だ。

自動販売機が通りの隙間を埋めている。コーヒーやソフトドリンクのみだったこれまでの自動販売機とは異なり、ピザやサラダなどの簡単な食事類から花や健康補助食品、靴下、悩みの相談に至るまでアイテムも様々だ。

花の自動販売機は最も人気の高いアイテムの一つだ。インターネットポータルサイトに登録された花の自動販売機に関連する企業は10社。ヤン・ヂェヂュン花工場代表は「江南、ノンヒョン、新沙、大学路、新村などで自動販売機5台を運営するが、新沙洞のみで先月は純利益200万ウォン程度を上げた」と語る。花の自販機メーカー「コンノウル(花のベールの意)」は直営自動販売機が9台、創業の問い合わせを受けて間接管理する自動販売機8台の総17台を運営する。コンノウルの関係者は、「流動人口によって純利益の少ないところでは月に70万ウォン、多い場所は200万ウォン近くになる」と説明した。

ピーエヌフードシステムが運営する「レッツピザ」は、イタリアのピザ自動製造販売機を輸入して2016年から設置した。好みのピザを選択すると、機械が練ってトマトソースを塗った後、トッピングをのせて380度のオーブンで焼く。消費者が包装されたピザボックスを受けるところまで2分30秒かかる。ピーエヌフードシステムの関係者は、「全ての工程は食品医薬品安全処で認証を受けた」とし、「最低賃金の引き上げで創業の問い合わせが増えた」と語った。

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  • 弘大前やカロスギルなどの若者が多く訪れる場所では、花・人形の自販機(右)も容易に見ることができる。



ボディケアと健康に対する関心が高まり、サラダの自販機も増えている。

ホームプラス江西店、オーバー・ザ・ディッシュ市庁店などに5台の自動販売機を設置したSALAD PANDA(サラダパンダ)のキム・ソンハク代表は、「20・30代の会社員と女性消費者がサラダ自動販売機を愛用する」とし、「多く売れる場所は一日に30個以上出る」と語る。Your Fridge(ユアフリッジ)やネイキッドサラダなどのサラダ自販機メーカーも着実に勢力を伸ばしている。

バナナ輸入業者のドールコリアは2011年から、龍山駅と永登浦駅、弘大入口駅、往十里駅、国民大などに「バナナ自販機」6台を設置した。バナナ1本で1100ウォン、バナナケースは1600ウォンで販売する。ドールコリア側は「自動販売機一台あたり、1日に20個前後が売れる」と説明した。

自動販売機を活用した建物の中の「ミニコンビニ」もまもなく登場する。コンビニミのニストップは、早ければ来月から自動販売機のみを設置した店舗を運営する。大型オフィスビルの勤務者が主要なターゲットだ。

ミニストップの自動販売機の品目は、ミニコンビニのレベルほどに多様だ。自動販売機4~5台でのり巻きとサンドイッチ、弁当、カップラーメンなどの食事類を購入できる。飲料、乳製品、菓子、パンも販売する。自動販売機の隣には電子レンジや給湯器を設置して、おにぎりやお弁当など簡便食を暖めることができる。管理は近くの店舗で引き受ける。ミニストップはオフィス街の大型ビルの近くの直営店を対象に、「自販機」コンビニ立地に力を入れている。ミニストップの関係者は、「自動販売機の収益が自動販売機を管理する近所の店舗に合計される方式だから、新たな収益モデルになるだろうと期待している」と語った。

自動販売機は1970年代の「ミルクコーヒー」「ハトムギ茶」などをいれるコーヒー自動販売機で、日本から主に輸入された。2008年、全国に6万8194台にまで増えた自販機は、2010年に5万7571台、2012年4万8556台、2015年3万4556台に急減した。路地ごとにコーヒー専門店ができて、コンビニでも1000ウォン台コーヒーを扱うことから自販機コーヒー・飲料の需要が急減したためだ。しかし1~2人世帯が増え、各種の食べ物類や帽子、靴下、携帯電話ケースなど、異色の製品がコーヒー自動販売機の空席を満たしている。

グローバル創業研究所のハン・ヂュンソプ代表は「最近、韓国に入ってくる自動販売機のアイテムのほとんどは、日本で2000年代初頭から2010年の間に流行した食品」だとし、「日本のように自動販売機が売店の一形態になるには、消費文化の変化と規制緩和などが並行しなければならない」と語った。
  • 毎日経済_イ・ユジン記者/イ・ヒス記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-01-17 19:27:24




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