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本社ロビーは「ミニ美術館」...ソウルの名所に


  • 本社ロビーは「ミニ美術館」...ソウルの名所に
  • ソウル市漢南洞の日新紡織(イルシンバンヂク)ロビーで一人の女性が韓国の抽象の大家と世界的彫刻家の作品を鑑賞している。キム・ヂェフン記者



ソウル市漢南洞の日新紡織社屋のロビーは「ミニ美術館」だ。正門からフランスの彫刻家ベルナール・ブレの螺旋型の鉄の彫刻「三つの不確定な線」が壮大な存在感を見せ付ける。

建物の中に入ると、高くそびえる英国の彫刻の巨匠トニー・クラッグのステンレス鋼の彫刻「Self in mind」が中心を捉えている。これらをとりまく3つの壁面には、韓国の抽象画の大家チョン・チャンソプ、朴栖甫(パク・ソボ)、ハ・ヂョンヒョン、李禹煥(イ・ウファン)、ユン・ミョンロ、サ・ゴンウなどの画がかかっている。

ドイツ新表現主義の巨匠ゲオルク・バーゼリッツがさかさまに立った人々を描いた作品は、クラシック音楽会場「日新ホール」の入口を見守っている。ナム・ジュン・パイク(白南準)のビデオアート「善徳女王」、イギリスの彫刻家アンソニー・カロの作品「Canterbury Tales」、イタリアのデザイナーのエットレ・ソットサスの家具などの芸術品約50点が調和して美術館の風景を作り出す。

キューレーターは美術愛好家として有名なキム・ヨンホ日新グループ会長だ。 1970年代からアートコレクターになったキム会長は、1年に2回作品を変える。汝矣島の本社社屋9~11階には100点あまりがかかっているほど、コレクションは膨大だ。米国ミニマルアートの大家ドナルド・ジャッド、米国の彫刻家のソル・ルウィット、ドイツの設置美術家アンゼルム・キーファー、米国の落書き画家ジャン・ミシェル・バスキア、フランスの彫刻家であり画家のジャン・デュビュッフェなど、有名作家の作品が建物の品格を高める。キム会長は余裕のある時に国内のギャラリーをめぐり、毎年3月にはアート・バーゼル香港を訪れて作品を購入してきた。人並みはずれた審美眼で念を入れて収集したコレクションで、1991年から汝矣島社屋を、2009年からは漢南洞社屋を飾ってきた。

キム会長は「作品を展示したときに、互いぶつからないように調和を考慮して選択する」とし、「ミニマルアートを好むし、飾ることのない抽象的な韓国の現代美術が好きだ」と語る。

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  • ソウル市新門路の興国生命ビルのロビーに設置されたプレ・イルゲンのモービル作品とカン・イクチュンの壁画。



日新紡織のほかにもソウル市新門路では興国生命ビル、光化門の現代海上ビル、汝矣島の現代カード社屋ロビーにも有名な作品がかかっている。上手に選んだ美術作品は企業イメージを生かしてくれるだけでなく、建物の価値を上げもする。建物を訪れる人々は、意外な場所で不意に文化の贈り物を受け取ることになる。美しい芸術作品は創造性と想像力を高め、感情的な安定を与える「コンマ(読点)」の役割を果たす。

芸術を包み込んだ建物は、1995年に延べ面積1万平方メートル以上の建築物に建築費との対比で0.7%以上の価値がある美術品を設置するように規定した「文化芸術振興法」が施行されて本格的に増え始めた。この法律にしたがって設置された公共美術品は、ソウルだけでも3700作品以上あることがわかっている。

どのような作品を選ぶのかによっては、ソウルの名所にもなっている。光化門の興国生命ビルは一日中休まずハンマーを振り下ろす大型の彫刻「ハンマリングマン」(高さ22メートル、重さ50トン)で有名だ。 2002年に建てられたこの造形物は米国の彫刻家ジョナサン・ボロフスキーの作品で、ソウル市新門路のランドマークになった。この社屋ロビーも世界的な巨匠の作品がいっぱいだ。オランダの作家フレ・イルゲンの大型モビール作品「あなたの長い旅」、8060個の小さな画で成り立っているカン・イクチュンの作品「2010ハッピーワールド」、ポップアートの大家ジュリアン・オピーのLED映像作品「Sara Walking Naked」、ドイツ新表現主義の巨匠ゲオルク・バーゼリッツの抽象画「Rückfall」などが壮観だ。建物3階ではセファ美術館を運営している。

汝矣島の現代カード社屋には英国概念美術の巨匠であり、「yBa(young British artists)」の名付け親マイケル・クレイグ - マーティンの絵画、ジュリアン・オピーのLED映像、パク・ソンギの炭モビール作品が革新的な企業イメージを裏付けている。光化門の現代海上ビルのロビーには抽象画のオ・スファン「寂寞」シリーズ、大信金融グループの明洞社屋正門にはロバート・インディアナの造形物「ラブ」が設置されて市民の目をとらえている。

ソウルオークションのイ・オクキョン代表は、「パブリックアートは企業オーナーの好みや建物の設計コンセプトに基づいて決定される」とし、「これまでは理解しやすい構想作品が中心だったが、最近ではミニマルな建物にふさわしい抽象画や抽象作品にトレンドが変わっている」と説明した。
  • 毎日経済_チョン・ヂヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-01-21 21:16:07




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