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庶民の憩いの場「韓国セブンイレブン」の30年


■ セブンイレブンの30年

「草創期に売った日本式キムバプ(おにぎり)はサケ・たらこ・ハム・ごぼうなどの入った4種類の味で、価格は900ウォンでした。後でに荷した三角おにぎりよりも200ウォン高かったので、当時としては高級食品でした」。

セブンイレブン雙門店(サンムン店)の経営者コ・グンヂェさん(61)は、代表商品であるおにぎりを通じてコンビニの過去と現在を語った。その当時、三角おにぎりはソウル市小公洞のロッテデパート地下食品部売り場から納品を受けて販売を開始した。当時、チャヂャン麺の価格(1000ウォン)に合わせた三角おにぎりは今でも900~1000ウォンのままで、チャヂャン麺の5分の1以下の価格で負担のない一食になった。「ピョニヂョム(便宜店=コンビニ)」がわが国に上陸しはじめた時と変化した位相を端的に示す場面だ。

コ・グンヂェさんはコンビニ業界初の加盟経営者として、コンビニエンスストアの歴史の一部を占めている。 1990年12月、33歳の時にコンビニをはじめ、子供たちを育てて結婚させるほどの心強い生業であり、アルバイトだけでも1000人ほどが通り過ぎた場所で、依然として店を運営している。コさんは「サンムン店は常に地域住民のそばで、一日をともに始めて仕上げた思い出の場所として残したい」と語った。

1988年のオリンピックを契機に、本格的に誕生した国内コンビニエンスストアの歴史はいまや30年を迎えた。コンビニ「セブンイレブン(法人名・コリアセブン)」は21日、創立30周年を記念して成長史を集大成した社史『近くて便利な幸せ充電所30年物語』を17日に発刊した。総400ページ分量の7部構成で、コンビニエンスストア業界を開拓したセブン-イレブンの過去と現在、そして未来の姿を総合的に盛り込んだ。

  • 庶民の憩いの場「韓国セブンイレブン」の30年
  • セブンイレブン「オリンピック村店」



1988年コリアセブン法人が発足し、1989年にソウル市松坡区五倫洞(オリュンドン)オリンピック選手記者村アパートに国内1号コンビニがオープンした。 115平方メートルの店舗に、食品を中心に2000種以上の商品が陳列された。店長と副店長を置いて、一般職員とパートタイムの従業員まで総11人が3交代で勤務して、24時間営業体制を整えた。当時、一日平均の売上げは400万ウォン程度。昼間はオリンピックアパートの入居者たちが主に利用したが、深夜の時間帯には城南(ソンナム)や九里(クリ)の地域住民が車に乗ってくる遠征訪問も多かった。コさんの加盟店サンムン店もしばらくのあいだ道峰区(トボング)唯一のコンビニであり、24時間灯の消えない姿を見るために人々が集まって来たという。

コンビニを代表する商品も、あわせて話題になった。コンビニ最初のPB(プライベートブランド)商品といえる「ガルフ」「スラーピー」「ビッグバイト」が代表的だ。ガルフは大型の紙コップに炭酸飲料を入れた飲み物であり、スラーピーは氷とジュースを混ぜて作った一種のスラッシュだ。当時、ガルフとスラーピーは若い客に最高の人気だった。新店舗のオープン時に無料ドリンクをもらおうと、客が列を作る珍しい光景が見られたりもした。飲料の前についている「セルフ(サービス)」という文字を見て、客の中にはガルフではなく「セルフください」を叫ぶ人もいたという。最初のファーストフードPBと言える「ビッグバイト」は客が直接作って食べるホットドッグで、米国現地のコンビニ商品そのままを持ち込んだ。

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  • ロッテセブン「新堂洞店」



セブン-イレブンは1946年に米国で始まった、世界初のコンビニチェーンだ。国内コンビニエンスストアの歴史は、ロッテグループがCVS事業部を置いて、1982年11月に「ロッテセブン」新堂洞店を開いたのが始まりだ。 3号店まで開設したが当時は社会的認識が不足して、1983年9月に新堂洞店から順番に撤退した。

しかし「88オリンピック」の後、コリアセブンをはじめとして「ファミリーマート」「ミニストップ」などが拡散し、ロッテショッピングは1992年にCVS事業部を再発足させて、1993年12月にロッテマート祠堂(サダン)店をオープンした。ロッテマートは4号店までできたが、1994年8月にコリアセブンを買収し、既存のロッテマートの看板をすべてセブン-イレブンに変えた。 1990年代「コンビニ士官学校」と呼ばれたセブン-イレブンは、商品・物流・教育などの革新的な活動を通じて、業界で初めて2001年に1000号店を突破した。

セブン-イレブンのチョン・スンイン代表は社史発刊の辞を通じて、「セブン-イレブンはこれまで30年間の成長の歴史を通じて、近くて便利な憩いの空間であり、楽しみの空間へと変貌してきた」とし、「今後もさまざまな技術革新を通じて、第4次産業革命の時代をリードする」とした。
  • [イ・ハンナ記者]
  • 入力 2018-05-17 17:28:05




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